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 この欄は、しんぶん「赤旗」の電話相談に掲載されたものと、日本共産党鹿児島県議団によせられた相談を中心に作成されています。回答はいずれも各界の専門家によるものです。お問い合せはメールでどうぞ。
両親住む私名義の家屋売却。譲渡所得計算の特例適用か。 s-01031802
 私は私名義の家屋に妻子や両親とともに住んでいましたが、五年前に両親を残して妻子とともに転勤先の社宅に移転しました。このたび、転勤先に新居を求めるため、両親が住んでいる土地、建物を売りました。両親は私の扶養家族になっています。譲渡所得計算の特例は受けられますか。
○居住用財産を売った場合の特例(3000万円控除)の対象となるのは、生活の拠点として利用している家屋です。譲渡者が転勤、療養などの事情で配偶者その他の者(配偶者等)とはなれてせいかつしていても、その事情が解消されれば、また生活をともにする場合があります。そのときは、その配偶者等が現に居住用としている者として扱われます。(租税特別措置法通達35−5、同31−3−2(1))。質問の場合、生活の拠点は転勤先の社宅であり、転勤前に住んでいた自宅は生活の拠点とはいえません。しかし、かつてその家屋に住んでおり、転出後においてもその人と同一生計の親族が引き続き住んでいる家屋についてまでこの特例を認めないのは酷です。そこで次の要件のすべてを満たすときには、その家屋は居住用家屋として扱います(同通達31−3−6)。@その所有者が従来その所有者として居住の用に供していた。Aその所有者がその家屋を居住の用に供さなくなった日以後も、その同一生計の親族が引き続き居住の用に供していた。Bその所有者は、その家屋を居住の用に供さなくなった日以後において、居住用の3000万円控除や買い換え(交換)の特別の適用を受けていない。Cその所有者が現に生活の拠点としている家屋がその人の所有する家屋でない。−−質問の場合にはこの通達に当てはまり、特例が適用されます。
修正申告に応じなければ推計課税すると言われたが s-01030402
 税務調査を受けていますが、修正申告に応じなければ推計課税すると調査官が言っています。推計課税とはどのようなことでしょうか。
○推計課税というのは、所得税や法人税の課税処分(更正や決定)をするときに、資料にもとづく実学ではなく、間接的な資料によって所得金額を算出して課税することです。所得に対する課税は、収益から費用を差し引いて求めた所得金額にもとづいて課税するのが原則です(実額課税)。実額ではなくいわば架空の金額を用いる推計課税は、あくまで例外的に使うものです。
●どのような場合に推計課税が許されますか。

○次の場合です。@納税者が帳簿書類等を備え付けてなく、また実額課税をする資料がない。A帳簿書類等の備え付けはあっても、正しさが疑わしく、また実額課税をする資料がない。B適法な税務調査なのに帳簿書類等が提示されず、また、実額課税をする資料がない。/さらに、推計課税がなされる場合でも、その水系方法は合理的でなければなりません。青色申告者に対しては、推計課税してはいけないことになっています。といっても、直ちに白色申告者に推計課税をして良いわけではありません。前記の@〜Bの要件が存在しないにもかかわらず推計課税をすることは、それだけで違法となります。ところが現実には推計課税が幅を利かせています。また、青色申告者に対しては、推計課税をできないので、青色申告を取り消して推計課税をすることさえなされています。納得できない修正申告の無理強いや事実に基づかない推計課税をはねのけるためには、自分で計算した内容にもとづく主張が欠かせません。修正申告について、税務署の示した内容が違っているようでしたら、その誤りを指摘し自分の計算が合っていることを理解してもらう努力が大切です。
給与所得者の確定申告はどのようなときにできるか/s-01021103
 給与所得者が確定申告をすることができるのはどのようなときでしょうか。

○給与所得者は所得税を、通常、毎月の給与やボーナスから差し引かれ、年末調整で生産されるので申告できません。ただし、次の制度の適用がある場合には、確定申告で、差し引かれた所得税の返還を求めることができます。
 @マイホームを住宅ローンなどで手に入れた(住宅借入金等特別控除)
 A自分や生計を同一にする親族のために払った医療費が一定額(通常10万円)を超えた(医療費控除)
 B災害、盗難、横領で自分や生計を同一にする親族の住宅、家財、現金などに損害を受けた場合で、その損失額が  一定額(通常合計所得金額の10%)を超えた(雑損控除)
 C特定の団体への寄付をした(寄付金控除・政党党寄付金特別控除)
 D年の途中で退職し、再就職していない。

 申告にあたっての注意点は次のとおりです。
 @勤務先からもらった源泉徴収票を添付する。
 A控除の種類によっては領収証や証明書が必要。
 B還付申告の場合、給与所得や退職所得以外の所得金額が20万円以下でも、それを含めて申告する。
 C還付申告は2月16日前でもできる。
 D還付金の受け取りは銀行振り込みでも良い。

 なお、給与所得者でも、通常、次のいずれかにあてはまる場合、確定申告をしなければなりません。
 @給与の年間収入が2000万円を超える。
 A給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える。
 B2箇所以上の給与の収入があり、主たる給与以外の給与の収入金額とその他の所得金額との合計額が20万円を  超える。
 C同族会社役員などで、その法人から貸付金の利子や不動産賃貸料などを受けている。

母を扶養にしていたのに扶養控除の変更通知がきた/s-00122401
 会社に経理担当者から扶養控除の変更の通知が税務署から届き、給与から差し引かれている市民税の額が増額されると言われました。私は母を扶養にしていますが、母は扶養親族に該当しないということなのでしょうか。

○お母さんはどんな所得があるのですか。
●母は年額50万円ほどのわずかな国民年金と自宅の庭に三台分、一月三万六千円の駐車場を貸しています。去年、整地をして三台になりましたが、一昨年までは二台でした。3年分の納付書が同封してあったというのですが、とても納得がいきません。
○扶養親族になれるのは、あなたと同一生計の親族で合計所得金額が38万円以下の人をいいます。扶養親族のうちで16歳以上、23歳未満の人を特定扶養親族といいます。70歳以上の人を老人扶養親族といい、老人扶養親族のうち同居している直系尊属を同居老親といいます。また、合計所得金額とは、各種所得金額の合計額を言います。
●母の収入で扶養親族にならないのでしょうか。
○国民年金は雑所得になります。国民年金などの公的年金には公的年金等の控除額があります。65歳未満の人は公的年金等控除額が最低でも70万円、65歳以上では140万円です。国民年金が50万円ほどですと、年金にかかる雑所得の金額は0円です。また、駐車場の収入は不動産所得に該当します.不動産所得は年間の収入金額から必要経費を控除して、所得金額を算出します。お母さんはこの所得金額が38万円以下でしたら扶養親族に該当します。
●必要経費とは。
○不動産所得の必要経費には固定資産税、修繕費、不動産屋さんに支払った手数料、不動産取得のための借入金利息、火災保険料、固定資産にかかる減価償却費などが該当します。これらの経費は貸し付けられている土地に対するものだけなので、自宅の土地の一部なら、これらの経費を貸し付け面積等で案分して経費を算出します。
●駐車場は土地のほぼ半分を占めています.固定資産税は年間10万円ほどで、不動産手数料や借入金の利息等の経費はありません。昨年1月に駐車場にコンクリートとクルマ止め工事をしました。その費用が70万円ほどかかりました。
○その費用は全額その都市の収入金額から控除することはできません。減価償却をして耐用年数に応じて費用とします。コンクリートなど路面の舗装工事は15年で償却します。減価償却の方法は次のとおりです。
    取得価額×0.9×0.066×業務に供していた期間
         (定額法による償却方法、定率法を事前に選択している場合は定率法によります)

取得価格金額70万円で計算しますと、4万1580円が1年分の減価償却費になります。収入金額43万2000円から固定資産税の半分5万円、減価償却費4万1580円を控除すると、不動産所得の金額は34万420円となります。お母さんの年間の合計所得金額が38万円以下となりましたので、お母さんは扶養親族に該当します。勤務先及び税務署にこのことを説明し、税務署からの通知が間違いであったことをはっきりさせましょう。この場合、所得金額には所得税もかかりませんので、確定申告の必要もありません。 
課税最低限の額は高いと政府税調は言うが本当か/s-00102201
 私は年金所得者ですが、よく課税最低限の額が問題になります。政府税制調査会でも課税最低限が高すぎると指摘しています。私の生活実感からすると税調の言い分は違うと思うのですが。
○政府税制調査会の中期答申では、「わが国の課税最低限は諸外国に比べて高くなっており、そのあり方について種々の論議がなされています」として「課税最低限があまり高いことは望ましくない」「検討する必要がある」としています。
 この課税最低限の根拠は給与所得者を対象として、各種控除額を積み上げたもので、次のとおりです。@年中に支払った社会保険料、A配偶者は専業主婦で無収入、B子どもが二人、うち1人は16歳以上23歳未満の子、の場合の控除額。

◇社会保険料控除:38万4000円◇配偶者控除:38万円◇特定扶養控除:63万円◇扶養控除:38万円◇基礎控除:38万円=以上控除の合計253万4000円=<A>
◇給与所得控除:138万8000円=<B>
<A>+<B>=384万2000円
となります。

● これはあらゆる控除を積み上げたもので、実際には私たちの家計とはかけ離れたものなのですね。独身者の給与所得者と年金所得者の課税最低限はいくらなのですか。
○給与所得者で独身者及び公的年金受給者の課税最低限は中期答申では次のとおりです。

◇給与所得者・独身:114万4000円
◇年金受給者
65歳以上・独身:2363千円/老人配偶者なし:3399千円/老人配偶者あり:3543千円
65歳未満・独身:1125千円/老人配偶者なし:2183千円/老人配偶者あり:2326千円

 給与所得者の必要経費といわれる給与所得控除や公的年金控除額まで課税最低限の計算根拠に参入し、”かさだかに見せる”税調の方が違和感があります。また、事業所得者は課税最低限という考え方が用いられることはないと、政府税調は事業所得者の課税最低限を無視しているようですが、事業所得者の課税最低限は、基礎控除の38万円のみです。配偶者が事業に携わらないで、先の給与所得者のように子どもが二人なら控除の合計の215万円が課税最低限です。あまりに少ない金額で、生活費にまで課税している実態が明らかです。

●私は夫婦二人で所得税を納めています。私の年金よりはるかに多い380万円の年金で所得税が課税されないことはないと思っていましたが、そのからくりがわかりました。
○政府の統計の取り方に納得がいかないものがあります。私たちで確かめることは有意義です。
政府税調答申は相続税をどうしたいと考えているか/s-00090302
政府税制調査会答申は相続税についてどのようにのべていますか。
○答申は消費税をはじめあらゆる税の大幅増によって庶民の暮らしに大きな打撃を与えるものになっています。
●相続税もですか。

○現行の相続税の課税最低限(基礎控除)は、<5000万円+1000万円×法定相続人の数>です。税率は課税財産に応じて10%から70%の超過累進税率となっています。
 相続財産の中で大きな割合を占める土地の評価については、国税庁の内規である通達に委ねられています。
 通達の土地評価額は、公示地価(時価=売買価格)の8割程度としたうえで、小規模宅地等については相続税評価額から一定の評価減をする特例をもうけています。
 答申は相続税の現状について、「課税件数の約8割は課税対象者の平均課税価格(約3億円)以下のもので占められている一方、平均課税価格以上である約2割のものの納付税額は全体の約8割となっており、相続税負担は上位の課税価格階級層に集中している」とのべています。
 そこで、答申は「より広い範囲に課税」(それほど財産が無くても相続税の負担をしてもらう)する必要があるとして、次の増税策を示唆しています。
 @課税最低限である基礎控除は高すぎるので引き下げる、A小規模宅地の評価減を少なくする(生存権的財産への課税強化)、B現行では死亡保険金・死亡退職金(相続財産とみなされている)などについては、<500万円×法定相続人の数>が非課税額だが、この非課税額を縮減、C農地の納税猶予の特例については見直しが必要、D個人所得課税の最高税率はすでに50%に引き下げられた(大資産家優遇)ので今度は相続税の最高税率も引き下げるべきである、E相続税の補完税である贈与税の基礎控除は現在年60万円だが、これは引き下げる。
 このように答申は、大資産家の相続税負担を大幅に軽減する一方で、今まで相続税がかからなかった人々の生存権的財産にまで課税をする。その結果、相続税負担者を大幅に増やす(大資産家の相続税減税は庶民の相続税でまかなう)としています。
消費税を転嫁出来ない企業/仕入れや人件費払うと赤字/s-00082702
 得意先からの値引きの要請に応じていたところ、仕入れや人件費を支払うと赤字です。消費税はどうにかなりませんか。
○消費税は「最終的負担者は消費者」として仕組みが出来ています。例@では、課税売り上げにかかる消費税50円から課税仕入れにかかる消費税20円を控除した残額30円を企業は国に納めます。このことは (給与と利益の合計600円)×5%=30円 で求めることができます。しかし、非課税業者や消費税を転嫁できない企業は、消費者と同様に消費税を負担します。

    <例@>売り上げ 1000 (50)→仕入れ 300(15)
      ( )内は消費税額      →経費  100( 5)
                       →人件費 500
                       →利益  100

    <例A>売り上げ 1000   →仕入れ 500(25)
                      →経費   100( 5)
                      →人件費 500
                      →利益   -100

●私のところは転嫁できません。
○例Aのように売り上げに消費税を転嫁できない企業は、1000円の課税売り上げには消費税が含まれているとみなし消費税額を計算します。
 1000円÷1.05×5%=47円。 47円を預かっていると見なし、47円から30円を引いた残金17円を納めます。

●消費財の納期限を越えることもあります。
○納期限を超えたときは、納期限から2ヶ月以内に納めると7.3%(2ヶ月以内は公定歩合+4% のどちらか少ない率)の延滞税、2ヶ月を超えると14.6%の延滞税を納めねばなりません。

●消費税分を請求書に別に記載していますが、値下げ要求で…。
○たとえ売り上げの請求書などで、消費税分を別記していても、赤字企業には、その消費税分は仕入れ資金となり人件費となるのです。したがって、消費税の負担を減らすために、人件費を削ることになります。
 そして消費税のかかる課税仕入れ、たとえば人災派遣の費用や外注費などを増やすことで納める消費税額は少なくなります。消費税が人権非課税だといわれるゆえんです。

●税務署は仕入れ税額のわかる帳簿をつけよといいます。どこまで帳簿に書けばよいのですか。
○消費税法30条では帳簿の記載、保存そして請求書の保存を義務づけています。帳簿には課税仕入れの@相手の氏名、名称、Aその年月日、B取引の内容、C取引金額を記載し、相手方の請求書には、@請求書発行者の氏名、名称、A取引の年月日、B取引の内容、C取引金額、D受け取る者の氏名、名称(自動販売機での購入等の例示があります)等の記載が必要です。帳簿や請求書は7年間保存します。

●帳簿がつけられないとどうなりますか。
○請求書がない、帳簿書類を提示しないなどの理由で税務署が仕入れ税額控除を認めず、現在控訴中の事件があります。しかし、消費税は最終的な負担者は消費者です。仕入れ税額を認めないのは法律上矛盾があります。
 今後選挙を通して国民の総意で、これらの矛盾を解決しなければならないと思います。
 消費税は中小企業にとっても過酷な税金です。消費税の増税はさせない。食料品には消費税をかけないなど、消費税をなくす運動がますます重要です。