2016年12月議会 「受動喫煙防止対策の強化に関する意見書(案)」に対する反対討論(要旨)
2016/12/16
    私は、日本共産党県議団として、提案されました「受動喫煙防止対策の強化に関する意見書案」について、反対の立場で、その理由を述べ討論いたします。
 本意見書案は、政府が受動喫煙防止対策の実効性を高めるために示した強化のための方策案に対して、サービス業を営む事業者や葉たばこ農家、たばこ販売店への配慮、県・市町村の税収確保などの点から、過度な負担を強いることのないよう、厳しい規制とせず、緩い対応とする「配慮」を求める内容となっています。
 そもそも、受動喫煙とはどういうことであるかという認識が問われています。妊婦はタバコを吸わないのに、まわりの人のタバコ、いわゆる受動喫煙によって、未熟児や脳障害、心臓病、流産、死産することなどが明らかになっています。タバコ1本の煙には約40種類の発ガン物質(0.5~1mg)が含まれており、1日3時間以上禁煙できない空間にいる、いわゆる受動喫煙の女性の子宮頸部からは、タバコ由来の発ガン物質が検出されています。そのため、子宮頸部ガンのリスクは3.4倍に増加することが報告されています。
 受動喫煙の問題は、タバコを吸いたいという自分の嗜好のために、他人の人体に害を与えることが許されるのか、ということが問われる問題です。
 意見書案にある喫煙室の整備の費用については、たとえば、日本たばこ産業が、現に行っているアドバイスだけでなく、資金面の支援を行うことも一つの方策でしょう。税収確保を含め、産業の発展が、住民の犠牲の上に成り立つことは、あってはならないことです。
 県議会としては、このような意見書を発し、国が検討している受動喫煙防止の強化対策に異議を唱えるのではなく、社会問題としてたばこの害からどのように健康を守るのか、そのために、行政や業界は何をすべきか、という検討にこそ力を注ぐべきではないでしょうか。
 本意見書案は、国が進めようとしている受動喫煙防止対策の強化に対して、受動喫煙による健康被害から住民を守ることよりも、喫煙者の嗜好や業界の利益を守ることを優先させる立場にたつものであり、認められないものであります。
 よって、本意見書案に反対するものであります。
 以上で反対討論を終わります。