2016年12月議会 追加提案議案に対する質疑(要旨) 2016/12/8 |
私は、日本共産党県議団として、追加提案されました議案第109号「平成28年度鹿児島県一般会計補正予算(第4号)」について、質疑を行います。 今回の補正予算の追加提案分は、出水市における高病原性鳥インフルエンザの防疫対策に要する経費であります。 質問の第1は、本県における高病原性鳥インフルエンザの発生について、直近の状況をお示しください。 第2に、今回の補正予算の使途について、具体的にお示しください。 第3に、今回の補正予算は、防疫対策として、監視区域内や関連施設などにおける石灰消毒に要する経費でありますが、この石灰消毒の効果について、お示しください。 第4に、今回の補正予算の事業の対象は、大規模な養鶏農家や関連施設となっています。これ以外の、庭先などで100羽未満の鶏を飼っている個人へは、どのような防疫のための対応がなされているのか、お示しください。 最後に、今回の補正予算は、野鳥への高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されてからの対策でありますが、県において、平時に、年間を通して、どのような防疫対策が実施されているのかお示しください。 以上、質疑といたします。 1-1高病原性鳥インフルエンザの状況について 答弁者(環境林務部長) 県内では,先月18日に,鹿児島大学が出水市荒崎のツルのねぐらで採取した水から,H5N6亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したところであります。 その後,出水市荒崎と東干拓の両地区で回収されたツル類等からも同じ型のウイルスが検出されているところであり,昨日時点で,ツル類18羽,カモ類4羽,カモ類の糞便などから,合計24件の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されております。 なお,県内の他の地域におきましては,現在のところ確認されておりません。 1-2高病原性鳥インフルエンザ防疫対策事業予算の使途について 答弁者(農政部長) 先月18日に,高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された出水市においては,ねぐら周辺に消毒ポイントを設置し消石灰を散布しており,うち一部では噴霧器による車両の消毒を行っているほか,散水車による周辺道路の消毒などを実施しております。 出水市では,これらの消毒ポイントの設置・運営等に要する消毒薬や防護服,作業委託等の経費として,来年3月までに約4千万円の経費を見込んでいるところです。 また,県においては,ウイルスが確認されたツル等の回収地点から半径3キロ圏内を監視区域に設定し,緊急消毒のための消石灰を各養鶏農場に配布しているところです。 今回の追加提案では,出水市の防疫対策に必要な経費について,国の消費・安全対策交付金を活用して,その2分の1を支援するとともに,今後の監視区域の拡大も見込んだ上で,養鶏農場や県内の22の食鳥処理施設などに配布するための消石灰の購入に要する経費を計上したところです。 1-3石灰消毒の効果について 答弁者(農政部長) 農林水産省の資料によりますと,「消石灰の鳥インフルエンザに対する消毒効果」の確認試験で,「消石灰は,強アルカリ性の効果により,鳥インフルエンザウイルスの感染性を消失させる効果がある。」とされております。 また,消石灰は,野鳥やネズミなどの野生動物に対しては,皮膚に炎症を引き起こすなどの忌避効果や,養鶏農場内に撒くことによって,ネズミなどの侵入を確認できる効果もあるとされております。 1-4家庭で鶏等を飼育している方々への指導について 答弁者(農政部長) 養鶏農家以外の,家庭で鶏などを飼育している方々へは,市町村を通じ,県が作成した啓発チラシの配布や地域の防災無線等により,飼育小屋への金網や防鳥ネットを張り野鳥と接触させないことや,飼育小屋の周辺に消石灰を散布することなど,飼養管理の徹底を指導しているところです。 併せて,万一,飼育している鶏等に異常があった場合には,直ちに市町村や家畜保健衛生所に通報するよう周知を図っているところです。 なお,出水市においては,啓発・指導と併せ,独自に愛玩鳥の飼養者に消毒薬を配布していると聞いております。 1-5県における鳥インフルエンザに対する平時の防疫対策について 答弁者(農政部長) 県では,渡り鳥が飛来するシーズンである10月から翌年5月までを「飼養衛生管理基準の遵守強化期間」に設定するとともに,シーズン頭初に,養鶏関係者等を召集した防疫対策会議を開催し,防疫対策の徹底を図っているところです。 また,11月中旬までに家畜伝染病予防法に基づく農場への立入検査を実施し,さらに毎年,8月下旬には,初動防疫体制を確認するために,実際に鶏を用いた防疫演習を実施しております。 その他,毎月29日を県内一斉消毒の日として定め,衛生意識の高揚を図るとともに,メールマガジンによる国内外の最新の疾病発生情報の提供なども行っております。 今後とも,養鶏農家をはじめ,市町村や関係機関・団体と一体となって,平時から十分な防疫対策を講じてまいります。 【再質問】 野鳥から家きんへの感染を防ぐために、大変ご苦労、ご努力されていることがよくわかりました。 今回の補正予算の活用が十分な効果を発揮することを願うのはもちろんですが、補正予算の対象となっていない、養鶏を業としない、庭先で鶏などをかっておられる個人の方たちに危機感を感じてもらい、指導された防疫を徹底するには、より細かな手間や時間が必要かと思います。直接対応されている出水市と十分に協議をされて、今後、必要であれば対象を広げて、予算を執行していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 答弁者(部長) 今回の補正予算案については,農林水産省の消費・安全対策交付金というものを活用しております。 そのために,養鶏農家及び食鳥処理施設などを対象とした防疫対策に必要な予算を計上させて頂いたところです。 養鶏農家以外の,家庭で鶏を飼養している方々についての対応につきましては,先ほど申し上げたとおり,出水市においては,啓発と併せまして,消毒薬の配布も勧められておられると聞いております。 出水布のほうで配布しておられる消毒薬の配布費用が国の交付金の対象になるかどうかにつきましては,今後,国との協議が必要だというふうに考えております。 いずれに致しましても,出水市をはじめ市町村とも今後とも連携を図りながら,その防疫対策に努めてまいりたいと考えております。 【まとめ】 家きんへの感染を防ぐため、引き続き、必要なこと、できることは、全部やっていただくことを要望し終わります。 |