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私は、日本共産党県議団として、上程されました議案45件の内、23件に賛成し、反対する22件のうちの主なものについてその理由を述べ、討論いたします。
はじめに議案第19号「平成20年度鹿児島県一般会計予算」、第23号「港湾整備事業特別会計予算」、議案第33号「知事等の給与の特例に関する条例制定の件」、議案第36号「鹿児島県手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件」について、一括して反対理由を申し述べます。
反対の理由の第1は、これらの議案が、大企業にやさしく、県民の暮らしに厳しいものとなっている点です。
県政刷新大綱にもとづき、歳入確保として、前回改定後3年を経過している使用料・手数料の値上げや新たな手数料の創設が行われ、県立高校の授業料や入学料の値上げ、職業能力開発校の授業料、入校料、受講料の値上げなど、全体として56件、総額8700万円の増収が見込まれる改定が盛り込まれています。
そして歳出削減として、県職員の給与の大幅削減が盛り込まれました。例年、人事委員会勧告に基づいた給与等の削減は4月に遡って実施されてきましたが、昨年の勧告に基づく期末手当・勤勉手当の引き上げは、遡るどころか実施が先送りにされました。今回の給与の削減は、職員団体との交渉も中断したまま妥結なしに提案されたものです。連続する給与等の削減が、地域経済に与える影響は甚大です。
このように働く人たちの給与の削減や県民の暮らしに係わる使用料・手数料が値上げされるその一方で、来年度予算に、粒子線がん治療研究施設整備支援事業として、総額10億1800万円が計上されています。このうち、国の補助金が5億2400万円。無利子のふるさと融資や県単独の貸し付けが4億9400万円で、その金利は県の負担であります。
今後の分も含めると国の総額24億円の補助金と合わせて、県から5億円の補助金と、利子を県が負担する19億円の無利子融資が行われる予定です。
わが党は、先端医療の研究の必要性を否定するものではありませんが、今、貧困と社会的格差が広がり、国保税を払いたくても払えず、国の号令のもとで保険証が取り上げられ、具合が悪くても病院にかかることができない世帯が県内で5500世帯をこえている現状の中で、そこへの支援策はとられることもなく、高額な医療費を必要とする最先端の医療にだけ、国と県と総額48億円もの事業費が注ぎ込まれることは納得できません。
また、来年度、企業立地促進補助金7億4600万円のうち、京セラ国分工場に6億円が交付される予定となっています。この補助金交付の要件の新規雇用については、「4ヶ月以上の常用雇用」としか定めがありません。私は、一般質問でもこの要件に、一定程度の正規雇用をもりこむべきであると要求いたしました。
国会では、わが党の非正規雇用が増大している現状を告発する質問に対して、福田首相は「中長期的に見た場合、非正規雇用の形というものは決して好ましくない。」と答弁しています。長野県議会では、この3月、国に対し「正規雇用を推進する施策を強化するとともに、就業形態にかかわらず労働に応じた処遇とすること、非正規雇用者の安定した雇用をはかること」を強く求める意見書を全会一致で可決しています。税金から補助金を交付するのであれば、負担可能な大企業には社会的責任を果たさせるために、一定の正規雇用を義務づけるべきであります。
反対の理由の2つめは、大型開発、ムダな事業費の計上がなされている点です。
その1つは、人工島、マリンポートかごしまに2億1000万円の計上。2つめは、島原・天草・長島架橋について、基礎調査に830万円、建設促進事業に230万円の計上です。国会での道路特定財源についての審議の中で、この島原・天草・長島架橋や東京湾口道路など6つの海峡横断道路計画が、地域高規格道路の候補路線として計画されており、この調査業務を、国交省の天下りOBと建設業界幹部が役員を占めている財団法人「海洋架橋・橋梁調査会」が、少なくとも15件、5億円以上の業務を随意契約で受注していることが明らかになりました。この財団は、島原・天草・長島架橋についても、今年度に3900万円で調査を受注しています。先日、わが党の追求によって、国交省はこの財団の解散を決定しました。このようなバブル期につくられた、採算性も必要性もない無謀な計画は即刻中止すべきであります。
3つめは、同和関連の予算計上です。財政が厳しい中で、様々な団体への補助金や事業費補助の削減が行われていまが、県内8カ所の隣保館への補助金は今年度当初予算より増額、部落解放同盟など3つの運動団体への事業費補助は、同額交付となっています。特別措置法も廃止となった中で、これらの同和関連の予算が聖域のごとく、計上されていることは納得できません。
以上の理由で、これらの議案に反対であります。
議案第35号「鹿児島県公益認定等審議会条例制定の件」についてであります。これは、公益法人制度改革関連3法の制定に伴い、従来の所管省庁別の許可制を廃止し、財団法人と社団法人のうち、公益性の高い法人を「公益社団法人・公益財団法人」に認定するための審議会を県に設置するための条例制定の議案です。
そもそもこれらの法律は、2000年の財団法人KSD汚職事件を機に、現行法人の不祥事の防止と民間非営利活動の促進の観点から検討が開始されたものであります。しかしながら、この法の中には行政改革の喫緊の課題である政官業の癒着を打ち切る対策、天下り規制、談合防止、企業献金禁止などは何一つ盛り込まれませんでした。
本県でも、これから5年間で「公益社団法人・公益財団法人」に認定する作業が行われますが、この法律で対象とされる法人は県内で言えば350ほどで、もともとNPO・学校・社会福祉・宗教の各法人や労組・農協・消費生協などの組合は対象となっていません。公益法人に認定されない法人は、税制優遇がなくなります。まじめに公益のために活動する民間の非営利法人の活動抑制となる危険性が大きいという問題が生じます。
よって、本議案に賛成できないものであります。
次に、議案第39号「保健所運営協議会条例を廃止する条例制定の件」についてであります。これは、現在県内にある13の保健所毎に設置していた保健所運営協議会を廃止し、県内7ブロックの地域振興局ごとに、地域保健医療福祉協議会を設置するというものです。
そもそも、保健所運営協議会は、1994年の地域保健法の全面改悪によって、法定機関から、任意設置機関に格下げされました。保健所自体も、当時の保健所区域よりも広い「二次医療圏」などに合わせて、広域化して統廃合が進められてきました。
国は、憲法25条に定められたその責任を放棄し、保健所運営費交付金を全額削除し一般財源化するなど、本来国がおこなうべき保健業務を地方自治体に押しつけ、責任と財政負担まで自治体に転嫁してきました。
それでも、本県では、これまで県内13の保健所毎に保健所運営協議会を設置してきたのでした。
保健所は、食の安全、新型インフルエンザやはしかの集団発生などの問題をはじめ、母子保健医療対策や老人の保健活動、障害者の在宅福祉の充実や難病対策、歯科保健対策など、住民の健康と福祉の増進のためにその求められる役割は大きくなるばかりです。
住民の声を聞くための唯一の機関である保健所運営協議会は、廃止や広域化ではなく、保健所毎の設置と充実こそ求められています。
以上の理由で、本議案には賛成できません。
議案第43号「鹿児島県国民健康保険調整交付金の交付に関する条例の一部を改正する条例制定の件」と議案第44号「鹿児島県後期高齢者医療財政安定化基金条例制定の件」、議案第64号「鹿児島県立病院事業の設置等に関する条例等の一部を改正する条例制定の件」については、一括して反対理由を申し述べます。
これらは、後期高齢者医療制度の創設や診療報酬の改定に伴っての条例改正や条例制定の議案であります。4月1日からの後期高齢者医療制度の開始を目前にして、鹿児島でも、地元紙の投稿欄に連日のように、怒りの声が寄せられています。
「医療保険は国民全体で負担し、誰もが安心して病院にかかれるようにと言うのが国民皆保険制度であったはず。だから一生懸命働いて保険料を負担していきた。だのに75歳になったら自分たちで負担せよとは、詐欺にあったようなもの。」「政府に殺される前にこの政策に反対の声をあげたい。」「これ以上、後期高齢者へのいじめはやめてもらいたい。」
全国でも、後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める署名は500万人分を超え、地方議会の意見書は530以上の自治体で可決されています。
保険料が年金から天引きされる。1年以上滞納すると保険証を取り上げられる。75歳以上だけを区別した診療報酬の体系が導入され、「安上がりで手抜き」の医療になる恐れがある。検診制度も行政側の「努力義務」として法律上対象からはずす、など問題点だらけの制度です。この制度導入のねらいは、高齢者にかかる医療費を削減することにあります。厚労省の担当者は「この制度は、医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者がみずからの感覚で感じ取っていただくものだ」と語っています。長寿を祝うどころか、長生きすることをつらくするこの制度は、中止・撤回させるしかありません。
よって、この制度の導入のためのこれらの議案には賛成できません。
議案第45号「鹿児島県心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。これは、国の制度に基づいて、心身障害者の保護者が、月額3500円から13300円の掛け金を支払い、保護者が死亡または重度心身障害者になった場合に共済から月額2万円の年金が支給されるという共済制度について、月額の掛け金を現行の最大1.6倍引き上げるというものです。弔慰金と脱退一時金は増額となりますが、月額2万円の年金額は据え置きとなっています。
障害者自立支援法が制定され、応能負担から応益負担へと大きく仕組みが変えられました。あまりもの過酷な制度の内容に、全国から批判の声が大きくあがり、初年度から手直しがなされましたが、基本的な応益負担の考え方を国は変えようとしません。私は、県議会の中でも、障害者を持つ親御さんの思いを代弁してきましたが、親にとって、最大の心配は自分が亡くなった後、障害を持つ我が子の行く末であります。
障害者や保護者が将来に不安を抱くことなく生活ができるためには、障害者自立支援法の応益負担の撤回こそ必要です。応益負担をそのままに、保護者に負担増をおしつける本条例の改正には、賛成できません。
次に議案第59号「鹿児島県監査委員条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。
これは、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の施行に伴い、監査委員会の審査の内容に新たな4つの指標での財政状況の審査を盛り込むものであります。
財政の健全化を示す指標を公表し、議会に報告することは、住民が自治体の財政状況を把握し、住民の監視を強める上でも必要なことです。しかし、自治体財政の健全化はあくまで自治体の判断で自主的に行われるべきものです。
4つの健全化判断基準の一つでも早期健全化判断基準を超えれば、健全化計画の策定を義務づけるなど財政再建団体になる前の段階から国の関与が強まる仕組みとなっています。また、この4つの基準は総務省の政令にゆだねられており、それぞれの自治体の具体的な状況は勘案されず、全国一律の基準で判断されることになってしまいます。
本条例の改正は、憲法の定める地方自治の原則に反し、国による自治体への関与を幾重にも強化することにつながるものであり、賛成できないものであります。
次に、陳情第4013号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための陳情書」が委員会審査結果で不採択となっていますが、採択すべきであることを主張いたします。
本陳情の項目は、いずれも、現在の子どもたちや教育をめぐる様々な課題の解決のために、国や県が教育条件の整備として強く求められているものであり、財政上の負担を理由に後回しにすべきではありません。本陳情は、採択し、必要な施策を国や県にもとめるべきであります。
最後に、陳情第5019号「保健師が保健師にしかできない仕事をするための陳情書」が委員会審査結果では継続審査となっていますが、これは採択すべきであることを主張いたします。 これは、保健所の再編整備、県の機構改革の結果、これまで実施されてきた難病患者への訪問件数が大幅に減少したことを理由に陳情がなされたものであります。難病患者やその家族にとって保健師の訪問活動がいかにその支えになっているかは、陳情の趣旨に詳しく述べられています。その中にもあるように、確かに本県の保健師の活動は、予算が少ない中で、保健師の働きによって訪問件数や対応は高い評価を得てきました。それだけに、今年度、機構改革によって減った訪問活動について、「生きていくことが難しくなった」と受け止めておられます。
委員会審査では、もうしばらく県の取り組みの推移を見守るとして「継続審査」になっておりますが、病状の進行を食い止める手だてのない難病患者とその家族は、24時間365日休む暇もなく闘病と介護の生活を送っています。早急に、保健師の訪問活動の体制を元に戻し、患者と家族を支援する活動が求められています。 よって、本陳情は、継続審査ではなく、直ちに採択すべきであります。
以上で、討論を終わります。
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