2007年度補正予算関係についての反対討論

私は、上程されました議案のうち、16件に賛成し、反対する4件について、その理由を述べ討論いたします。

まず、議案第1号「平成19年度鹿児島県一般会計補正予算」についてであります。反対の理由は、第2表、繰越明許費の教育費、教育総務費に人事管理事務として、1,523万円が計上されていることであります。 
 これは、教員免許管理システムの開発の事業費の本県の負担分で、全額国庫でありますが、今年度から来年度にかけての事業費を確保するものであります。
 この教員免許更新制とは、教員の免許状に10年の有効期間を定め、30時間の講習を終了しなければ免許を更新しないというもので、この管理システムは、そのために教員免許の情報を全国で共有できるようにするものです。
 昨年の参院選挙前の6月、当時の安倍首相が、改悪教育基本法を具体化するとして、この教員免許の更新制を含めた「教育三法」を多くの反対の声を押し切って、強行採決しました。
 今、国民が願っているのは、いじめや学力などの問題をていねいに解決するために、30人以下学級の実施など、国際的にも遅れている教育条件を抜本的に整備することであり、過度の競争教育から子どもたちを解放することです。教職員の力量向上のためには、免許の更新制で、教員を管理・統制することではなく、自発的、自主的な取り組みを奨励し、教職員が子どもや保護者にきちんと向き合えるような環境をつくることです。
 教員免許更新制は、他の専門職にない不安定な身分に教員を置くことになり、教員の目を、子どもでなく、行政の側にむけさせることになります。同時に盛り込まれた「指導が不適切な教員」の人事管理の「厳格化」も同様の圧力となりかねません。
 以上の理由で、本議案には反対であります。 

次に議案第4号「平成19年度件港湾整備事業特別会計補正予算」、議案第12号「土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求める件」について、一括して反対理由を申し述べます。これらには、人工島「マリンポートかごしま」についての事業費の補正が盛り込まれています。
 人工島建設については、わが党は、一貫して反対の立場を貫いておりますが、それは、この事業が、1987年、昭和62年に閣議決定された第四次全国総合開発計画に、海洋開発として沖合人工島構想が事業として盛り込まれたことに端を発し、その後、1991年に鹿児島県総合基本計画の中にウォーターフロントプラン21として具体化されたものです。四全総から考えると、18年前、県としても14年前の構想に基づいて行われているのであります。これらの事業が現在の経済情勢、そして本県の財政状況の中でさらに借金を重ねてまで進めるべきものでしょうか。先に開発ありきの姿勢で、経済効果の試算も全くなされず、形を変えながら「正当化」されてきました。ここまで来たからやめるわけにいかないと、財政難を生んだ元凶のひとつを温存し、さらに財政難を作り出していく。理解できないのは、私だけでしょか。
 議案第12号は、人工島の地元となる鹿児島市の負担額の補正を計上したものですが、鹿児島市議会では、補正予算自体は可決となったものの、この負担額について、3月議会で事業自体への疑問が出され、執行留保となっています。
 以上の理由で、これらの議案に反対するものであります。

最後に議案第14号「訴えの提起について議決を求める件」についてであります。これは、県道の改築工事に係わっての建物等移転補償契約について、6月6日付けで2,661万7千円の契約を締結し、前払い金として同月26日に1,862万7千円を支払っていたものを、半年後に、本来の補償額は、19万5,900円であったとして、前払い金1,862万7,000円の返還を求める訴えを起こすというものであります。
 なぜ、補償金額に135倍もの差が生じたのか、はなはだ理解に苦しみます。県の説明では、そもそも移転対象の建築物は不法占有物件であったが、所有権を認め移転補償の対象とした。そして、それ以外の物件についても、対象として認め、契約を結んだというものでした。
 支払いを受けた当人は、その後、移転対象の一部と関連の施設を撤去し、結果的に家業である漁業を営むことができなくなっています。
 本来の対象は19万5,900円なのに、間違って2,661万7千円とした。間違っていたので払ったお金を返して欲しい。責任ある機関としてこんなことがあってよいものでしょうか。もちろん間違いは正されなければなりませんが、この間違った契約も、県として決済がなされて締結されたものであります。税金で間違った支払いがなされ、そのことで、結果的に支払いを受けた県民にも迷惑が及んでいるわけです。原因の解明がなされ責任が問われるべきであります。
 以上の理由で、本議案には賛成できないことを申し述べ、討論を終わります。

2008年度当初予算関係についての反対討論

 

 私は、日本共産党県議団として、上程されました議案45件の内、23件に賛成し、反対する22件のうちの主なものについてその理由を述べ、討論いたします。

 はじめに議案第19号「平成20年度鹿児島県一般会計予算」、第23号「港湾整備事業特別会計予算」、議案第33号「知事等の給与の特例に関する条例制定の件」、議案第36号「鹿児島県手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件」について、一括して反対理由を申し述べます。
 反対の理由の第1は、これらの議案が、大企業にやさしく、県民の暮らしに厳しいものとなっている点です。
 県政刷新大綱にもとづき、歳入確保として、前回改定後3年を経過している使用料・手数料の値上げや新たな手数料の創設が行われ、県立高校の授業料や入学料の値上げ、職業能力開発校の授業料、入校料、受講料の値上げなど、全体として56件、総額8700万円の増収が見込まれる改定が盛り込まれています。
 そして歳出削減として、県職員の給与の大幅削減が盛り込まれました。例年、人事委員会勧告に基づいた給与等の削減は4月に遡って実施されてきましたが、昨年の勧告に基づく期末手当・勤勉手当の引き上げは、遡るどころか実施が先送りにされました。今回の給与の削減は、職員団体との交渉も中断したまま妥結なしに提案されたものです。連続する給与等の削減が、地域経済に与える影響は甚大です。
 このように働く人たちの給与の削減や県民の暮らしに係わる使用料・手数料が値上げされるその一方で、来年度予算に、粒子線がん治療研究施設整備支援事業として、総額10億1800万円が計上されています。このうち、国の補助金が5億2400万円。無利子のふるさと融資や県単独の貸し付けが4億9400万円で、その金利は県の負担であります。
 今後の分も含めると国の総額24億円の補助金と合わせて、県から5億円の補助金と、利子を県が負担する19億円の無利子融資が行われる予定です。
 わが党は、先端医療の研究の必要性を否定するものではありませんが、今、貧困と社会的格差が広がり、国保税を払いたくても払えず、国の号令のもとで保険証が取り上げられ、具合が悪くても病院にかかることができない世帯が県内で5500世帯をこえている現状の中で、そこへの支援策はとられることもなく、高額な医療費を必要とする最先端の医療にだけ、国と県と総額48億円もの事業費が注ぎ込まれることは納得できません。
 また、来年度、企業立地促進補助金7億4600万円のうち、京セラ国分工場に6億円が交付される予定となっています。この補助金交付の要件の新規雇用については、「4ヶ月以上の常用雇用」としか定めがありません。私は、一般質問でもこの要件に、一定程度の正規雇用をもりこむべきであると要求いたしました。
 国会では、わが党の非正規雇用が増大している現状を告発する質問に対して、福田首相は「中長期的に見た場合、非正規雇用の形というものは決して好ましくない。」と答弁しています。長野県議会では、この3月、国に対し「正規雇用を推進する施策を強化するとともに、就業形態にかかわらず労働に応じた処遇とすること、非正規雇用者の安定した雇用をはかること」を強く求める意見書を全会一致で可決しています。税金から補助金を交付するのであれば、負担可能な大企業には社会的責任を果たさせるために、一定の正規雇用を義務づけるべきであります。
 反対の理由の2つめは、大型開発、ムダな事業費の計上がなされている点です。
 その1つは、人工島、マリンポートかごしまに2億1000万円の計上。2つめは、島原・天草・長島架橋について、基礎調査に830万円、建設促進事業に230万円の計上です。国会での道路特定財源についての審議の中で、この島原・天草・長島架橋や東京湾口道路など6つの海峡横断道路計画が、地域高規格道路の候補路線として計画されており、この調査業務を、国交省の天下りOBと建設業界幹部が役員を占めている財団法人「海洋架橋・橋梁調査会」が、少なくとも15件、5億円以上の業務を随意契約で受注していることが明らかになりました。この財団は、島原・天草・長島架橋についても、今年度に3900万円で調査を受注しています。先日、わが党の追求によって、国交省はこの財団の解散を決定しました。このようなバブル期につくられた、採算性も必要性もない無謀な計画は即刻中止すべきであります。
 3つめは、同和関連の予算計上です。財政が厳しい中で、様々な団体への補助金や事業費補助の削減が行われていまが、県内8カ所の隣保館への補助金は今年度当初予算より増額、部落解放同盟など3つの運動団体への事業費補助は、同額交付となっています。特別措置法も廃止となった中で、これらの同和関連の予算が聖域のごとく、計上されていることは納得できません。
 以上の理由で、これらの議案に反対であります。 

 議案第35号「鹿児島県公益認定等審議会条例制定の件」についてであります。これは、公益法人制度改革関連3法の制定に伴い、従来の所管省庁別の許可制を廃止し、財団法人と社団法人のうち、公益性の高い法人を「公益社団法人・公益財団法人」に認定するための審議会を県に設置するための条例制定の議案です。
 そもそもこれらの法律は、2000年の財団法人KSD汚職事件を機に、現行法人の不祥事の防止と民間非営利活動の促進の観点から検討が開始されたものであります。しかしながら、この法の中には行政改革の喫緊の課題である政官業の癒着を打ち切る対策、天下り規制、談合防止、企業献金禁止などは何一つ盛り込まれませんでした。
 本県でも、これから5年間で「公益社団法人・公益財団法人」に認定する作業が行われますが、この法律で対象とされる法人は県内で言えば350ほどで、もともとNPO・学校・社会福祉・宗教の各法人や労組・農協・消費生協などの組合は対象となっていません。公益法人に認定されない法人は、税制優遇がなくなります。まじめに公益のために活動する民間の非営利法人の活動抑制となる危険性が大きいという問題が生じます。
 よって、本議案に賛成できないものであります。 

次に、議案第39号「保健所運営協議会条例を廃止する条例制定の件」についてであります。これは、現在県内にある13の保健所毎に設置していた保健所運営協議会を廃止し、県内7ブロックの地域振興局ごとに、地域保健医療福祉協議会を設置するというものです。
 そもそも、保健所運営協議会は、1994年の地域保健法の全面改悪によって、法定機関から、任意設置機関に格下げされました。保健所自体も、当時の保健所区域よりも広い「二次医療圏」などに合わせて、広域化して統廃合が進められてきました。
 国は、憲法25条に定められたその責任を放棄し、保健所運営費交付金を全額削除し一般財源化するなど、本来国がおこなうべき保健業務を地方自治体に押しつけ、責任と財政負担まで自治体に転嫁してきました。
 それでも、本県では、これまで県内13の保健所毎に保健所運営協議会を設置してきたのでした。
 保健所は、食の安全、新型インフルエンザやはしかの集団発生などの問題をはじめ、母子保健医療対策や老人の保健活動、障害者の在宅福祉の充実や難病対策、歯科保健対策など、住民の健康と福祉の増進のためにその求められる役割は大きくなるばかりです。
 住民の声を聞くための唯一の機関である保健所運営協議会は、廃止や広域化ではなく、保健所毎の設置と充実こそ求められています。
 以上の理由で、本議案には賛成できません。 

議案第43号「鹿児島県国民健康保険調整交付金の交付に関する条例の一部を改正する条例制定の件」と議案第44号「鹿児島県後期高齢者医療財政安定化基金条例制定の件」、議案第64号「鹿児島県立病院事業の設置等に関する条例等の一部を改正する条例制定の件」については、一括して反対理由を申し述べます。
 これらは、後期高齢者医療制度の創設や診療報酬の改定に伴っての条例改正や条例制定の議案であります。4月1日からの後期高齢者医療制度の開始を目前にして、鹿児島でも、地元紙の投稿欄に連日のように、怒りの声が寄せられています。
 「医療保険は国民全体で負担し、誰もが安心して病院にかかれるようにと言うのが国民皆保険制度であったはず。だから一生懸命働いて保険料を負担していきた。だのに75歳になったら自分たちで負担せよとは、詐欺にあったようなもの。」「政府に殺される前にこの政策に反対の声をあげたい。」「これ以上、後期高齢者へのいじめはやめてもらいたい。」
 全国でも、後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める署名は500万人分を超え、地方議会の意見書は530以上の自治体で可決されています。
 保険料が年金から天引きされる。1年以上滞納すると保険証を取り上げられる。75歳以上だけを区別した診療報酬の体系が導入され、「安上がりで手抜き」の医療になる恐れがある。検診制度も行政側の「努力義務」として法律上対象からはずす、など問題点だらけの制度です。この制度導入のねらいは、高齢者にかかる医療費を削減することにあります。厚労省の担当者は「この制度は、医療費が際限なく上がっていく痛みを後期高齢者がみずからの感覚で感じ取っていただくものだ」と語っています。長寿を祝うどころか、長生きすることをつらくするこの制度は、中止・撤回させるしかありません。
 よって、この制度の導入のためのこれらの議案には賛成できません。 

 議案第45号「鹿児島県心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。これは、国の制度に基づいて、心身障害者の保護者が、月額3500円から13300円の掛け金を支払い、保護者が死亡または重度心身障害者になった場合に共済から月額2万円の年金が支給されるという共済制度について、月額の掛け金を現行の最大1.6倍引き上げるというものです。弔慰金と脱退一時金は増額となりますが、月額2万円の年金額は据え置きとなっています。
 障害者自立支援法が制定され、応能負担から応益負担へと大きく仕組みが変えられました。あまりもの過酷な制度の内容に、全国から批判の声が大きくあがり、初年度から手直しがなされましたが、基本的な応益負担の考え方を国は変えようとしません。私は、県議会の中でも、障害者を持つ親御さんの思いを代弁してきましたが、親にとって、最大の心配は自分が亡くなった後、障害を持つ我が子の行く末であります。
 障害者や保護者が将来に不安を抱くことなく生活ができるためには、障害者自立支援法の応益負担の撤回こそ必要です。応益負担をそのままに、保護者に負担増をおしつける本条例の改正には、賛成できません。 

 次に議案第59号「鹿児島県監査委員条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。
 これは、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の施行に伴い、監査委員会の審査の内容に新たな4つの指標での財政状況の審査を盛り込むものであります。
 財政の健全化を示す指標を公表し、議会に報告することは、住民が自治体の財政状況を把握し、住民の監視を強める上でも必要なことです。しかし、自治体財政の健全化はあくまで自治体の判断で自主的に行われるべきものです。
 4つの健全化判断基準の一つでも早期健全化判断基準を超えれば、健全化計画の策定を義務づけるなど財政再建団体になる前の段階から国の関与が強まる仕組みとなっています。また、この4つの基準は総務省の政令にゆだねられており、それぞれの自治体の具体的な状況は勘案されず、全国一律の基準で判断されることになってしまいます。
 本条例の改正は、憲法の定める地方自治の原則に反し、国による自治体への関与を幾重にも強化することにつながるものであり、賛成できないものであります。 

 次に、陳情第4013号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための陳情書」が委員会審査結果で不採択となっていますが、採択すべきであることを主張いたします。
 本陳情の項目は、いずれも、現在の子どもたちや教育をめぐる様々な課題の解決のために、国や県が教育条件の整備として強く求められているものであり、財政上の負担を理由に後回しにすべきではありません。本陳情は、採択し、必要な施策を国や県にもとめるべきであります。 

 最後に、陳情第5019号「保健師が保健師にしかできない仕事をするための陳情書」が委員会審査結果では継続審査となっていますが、これは採択すべきであることを主張いたします。 これは、保健所の再編整備、県の機構改革の結果、これまで実施されてきた難病患者への訪問件数が大幅に減少したことを理由に陳情がなされたものであります。難病患者やその家族にとって保健師の訪問活動がいかにその支えになっているかは、陳情の趣旨に詳しく述べられています。その中にもあるように、確かに本県の保健師の活動は、予算が少ない中で、保健師の働きによって訪問件数や対応は高い評価を得てきました。それだけに、今年度、機構改革によって減った訪問活動について、「生きていくことが難しくなった」と受け止めておられます。
 委員会審査では、もうしばらく県の取り組みの推移を見守るとして「継続審査」になっておりますが、病状の進行を食い止める手だてのない難病患者とその家族は、24時間365日休む暇もなく闘病と介護の生活を送っています。早急に、保健師の訪問活動の体制を元に戻し、患者と家族を支援する活動が求められています。 よって、本陳情は、継続審査ではなく、直ちに採択すべきであります。 

 以上で、討論を終わります。

監査委員の選任に対する反対討論

 
 日本共産党県議団は、ただいま上程されました、監査委員に自民党県議団の鶴田志郎氏と民主・社民・無所属連合の桐原琢磨氏を選任する人事同意議案について反対し、討論いたします。 

 監査委員の性格と任務については、地方自治法でも明らかなように、その職務権限は、本県の財務に関する事務執行、本県の経営する事業の監査はもとより、みずからが必要と認めれば、本県が補助金、交付金、負担金、損失補償や利子補給、その他財政的援助を与えているものの出納、また、指定管理者など公の施設の管理を行わせている者についても監査ができるなど、非常に広範な内容を含んでおり、憲法と地方自治法に基づいて、住民の命と暮らしを守り、汚職や腐敗を厳しくチェックして、真に住民本位の、公正にして厳正、効率的な財政執行を保障する上で、その果たすべき役割と権限は極めて重大なものがあります。
 今年度の監査委員についても、自民党と民主・社民・無所属連合から選任されておりましたが、たとえば、2006年度決算については、住宅供給公社への114億円あまりの無利子の貸付について、決算状況についての監査委員会の審査意見では、「貸付金が増加率149.73%」と述べているだけで、その問題点は全く指摘されていません。
 また、今年度に行われた5件の住民監査請求のうち、1件は、志布志事件に関して、元署長の退職金の返還を請求するよう求める住民監査請求に対して、監査委員会は請求の棄却を通知しました。また、もう1件、環境の森林整備事業については、当該行為の終わった日から1年を経過したことを理由に却下しましたが、地方自治法では、正当な理由があるときはこの限りではないとされており、住民の立場にたった判断がなされれば、入り口での却下とはならないと考えます。
 伊藤知事就任以来、全ての議案に、日本共産党以外の全ての会派がオール賛成という県議会で、それらの会派から選任される監査委員に、住民の福祉の増進を図るという観点から、厳しくチェックする厳正・公正な監査は期待できないと思わざるをえません。 
 以上の理由から、両氏の選任に同意できないことを述べ、討論を終わります。 

副知事の選任と教育委員会委員の任命についての反対討論

 ただいま特別職の人事について、副知事に岡積常治氏、教育委員会委員に原田耕蔵氏が提案されましたが、日本共産党県議団は、両氏の選任並びに任命に反対し、討論いたします。
 副知事は、言うまでもなく、知事を補佐し、県政運営を知事とともに進めていく重要なポストであります。 県議会の議論での、本県の財政悪化の原因と責任を質す発言に対して、知事は、おくれている社会資本の整備等のため、公共事業の積極的な予算計上がなされ、県債残高が積みあがったこと、厳しい行財政改革への取り組みが遅れたことなど、従来の財政運営があまりにも大胆であったことをその要因として上げておられます。
 岡積氏、原田氏は、共に、伊藤知事就任以前から本県の幹部職員として、その知事が言われる「大胆な財政運営」の須賀県政を支えてきた人物であります。その責任については全く問われず、退職後は特別職。このような人事について、県民のみなさんはどう受け止めるでしょうか。
 また、副知事の複数制をとられておりますが、岡積氏が選任されますと、お二人とも、県の幹部職員の出身の副知事となります。副知事のポストは、そのような退職職員の再就職先としてのポストではなく、もっと県民の側にたった自由な立場で発言のできる人材を求めることが必要だと考えます。 
 原田氏の選任は、教育長の岡積氏の後任として、事実上の教育長の選任にあたります。
 今日の子どもたちや教育をめぐっては、いじめ、不登校、ひきこもり、学力低下、少年犯罪など、課題は山積しており、何が子どもたちの最善の利益につながるのか、保護者や地域、教職員や県民が一丸となって協力しながらその解決をはかっていくことが強く求められています。このような中で、教育行政の果たす役割は大きく、とりわけ教育委員の責務は重いものとなっています。
 今必要なのは、教職員が子どもたちや保護者とじっくり向き合う時間的・精神的な真のゆとりを保障するために、全ての学年での30人学級の実現や、複式学級や専門外教科担任の解消のための教員の配置、小中学校を含めた校舎の耐震化、普通教室のクーラー設置などの教育条件の整備です。もともと教育そのものは、効率性・採算性とは相容れないものであり、その取り組みの結果もすぐに表れるとは限らないものであります。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第4条第1港には、教育委員は、「人格が高潔で教育、学術及び文化に関し見識を有する者のうちから、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命する」とあります。
 原田氏は、少なくとも仕事上は1971年の入庁以来、税務、地方行政、広報など総務部や商工観光労働部などの仕事をされており、教育・文化関係の部署に一度もつかれたことのないことは事実であります。さらに、直近の2年間は、総務部長として、本県の悪化した財政の立て直しのために、あらゆる分野での歳出削減に奔走されてきました。
 先ほど申し述べたように、教育が抱える問題が深刻である現在、非効率的で非採算的な教育的取り組みの中にこそ、それらの問題の真の解決の道があるのであり、総務部長としてその役割を果たしてこられた氏が、教育長として本県の教育行政を預かり、その問題の解決を図るという任にふさわしいかどうか疑問を持つものであります。
 以上の理由で、両氏の選任並びに任命に同意でききないことを申し述べ討論を終わります。  

オリンピックの東京招致を支援する決議についての反対討論

 日本共産党県議団は、「2016年オリンピック競技大会並びにパラリンピック競技大会の東京招致を支援する決議案」について、反対し、討論いたします。

 わが党は、世界の人々がスポーツを通じて交流する平和の祭典としてのオリンピックそのものに反対するものではありません。しかし、オリンピックが巨大開発の口実とされたり、環境破壊につながるような計画とセットとされるものであれば、招致に賛成できないものであります。
 オリンピックの東京招致を支援する内容の本決議案は、2月、都議会から協力依頼の訪問を受けて、提案されたものです。
 反対の理由の第1は、そもそも、招致活動への協力を全国の道府県議会にお願いしてまわるというこの訪問活動自体が、都議会の総意でなされたものでは無いという点です。前年に都議会であげられたオリンピック招致決議も、5会派が反対する中で、都議会での全会一致の慣例を踏みにじって強行されたものであります。
 反対理由の2点目は、東京都民を対象にした、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞等の世論調査でも、招致計画の「中止」「再検討」を求める意見が6割を超すなど、住民自身が招致活動を推進することに合意していない点であります。
 3点目は、都議会の合意も、住民の合意も得ていないものに対して、他の議会が、支援する決議をあげること自体が、不適切であるという点です。
 1月に都から出された立候補申請ファイルについての日本共産党都議団の分析によると、インフラ整備だけでも7兆5千億円を超える巨額な事業費がかかる計画となっています。このような事業の招致活動を他の議会が、無責任に「全面的に支援、協力する」と言えるでしょうか。まずは、都議会での議論と住民自身の合意形成が先決であります。

 以上の理由で、本決議案に賛成できません。