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私は、日本共産党県議団として、上程されました議案のうち、20件に賛成し、反対する議案5件のうちの主なものについてと、請願・陳情についての委員会審査結果について反対するもののうちの主なものについて、その理由を述べ討論いたします。
まず、議案第86号「平成18年度鹿児島県歳入歳出決算について認定を求める件」についてであります。
歳出に占める普通建設費の割合は、25.1%、公債費は16.5%であり、過去の普通建設費のための県債の償還が主であることを含むと、実に歳出の4割強が、普通建設費にかかわるものであります。
反対理由の第1は、ムダな大型開発の公共事業が依然としておこなわれている点であります。2006年度、総事業費269億円の人工島建設に26億4300万円。また、総事業費150億円のおがみ山バイパスに7億円が執行されています。
私は、この間、おがみ山バイパス事業について、自然破壊と無駄遣いであるとして、地元で大きな反対運動が起きていることを紹介し、反対してまいりました。今、県としても事業の見直しを含めた検討を行う「奄美のまちづくりの在り方検討委員会」が立ち上げられ、事業の縮小も含めた議論がなされています。
人工島建設に関しては、本年9月末、一部供用が始まりましたが、それをきっかけとして、9月、10月、知事へのたよりに、いくつも意見が寄せられております。「マリンポートは、必要ないですよね、知事」と始まる意見。「あの美しい錦江湾にふさわしくない人工島、一体何のメリットがあって建設されようとしているのか。」と投げかけられた疑問。また、「『鹿児島県の財政赤字を解消し、活力ある鹿児島をつくりたい』『人工島は建設しない』とのマニフェストを信じ、知事へ一票を投じました。」と述べた方はさらに、「まずは赤字削減をお願いします。給与をカットし赤字を削減する効果は、『家庭の食費を切り詰めるようなもの』だと考えます。食費切り詰めをして、贅沢品の購入をしたのでは、家計は破綻します。人工島や箱物建設はまさにそれに等しいと考えます。県職員を含めた県民を守ろうとなされるのであれば、ぜひ一考をお願いします。県の職員には、今回の財政赤字の責任はないと考えます。」と結んでいます。
不要不急の大型開発はやめ、公共事業は、県民が真に必要とするものを精選し、住民の暮らしや福祉に役立つ生活密着型に切り替えるべきであります。
第2には、人権の名を借りた同和関連の事業に多額に支出されている点であります。8箇所の隣保館の運営費に総額5,671万円の補助。また、部落解放同盟鹿児島県連合会へ1,563万円、全日本同和会へ1,012万円、鹿児島県部落解放運動連合会へ218万円の補助が支出されており、他の団体への補助と比較して、異常に高い金額となっています。
第3には、大企業に厚く、弱い立場の人たちへの福祉切り捨てとなっている点です。
企業立地促進補助事業の総額14億2545万円のうち、ソニーセミコンダクタ九州へ10億円の補助金が交付されました。新規に149人の雇用となっておりますが、本県の補助金交付の要件には、4ヶ月以上の常用雇用とだけあり、正規の雇用が義務づけられておりません。
昨年、偽装請負で国によって、派遣会社株式会社コラボレートが行政処分されました。参議院の予算委員会でこの問題が取り上げられ、この会社から偽装請負の疑いがある派遣がなされているとして、本県の2社の名前が明らかになりました。その一つがこのソニーセミコンダクタ九州国分テクノロジーであります。今、特に若い世代で、非正規雇用が増えているのが大きな社会問題となっておりますが、このような偽装請負の疑惑が発生するのも、政府の労働法制の規制緩和ともうけ最優先の企業の在り方にあります。
京都府では、補助金を受けている企業に正社員の雇用を促すよう企業立地・育成条例を三月に改正しました。本県でも、県民の税金を投入する企業立地促進補助金は、県民の安定的な雇用の実現のために使うべきです。
企業立地促進補助金で10億円がソニーの子会社に交付される一方で、2006年度、重度身体障害者自立促進事業が廃止となりました。重度心身障害者の社会参加を促進するとしてガソリン代を助成していたものを打ち切ったのです。年間170万円ほどの事業でした。
日本共産党は、企業誘致そのものに反対するものではありません。問題はその中身であり、莫大な利益をあげ、負担能力を持つ大企業へのばらまきとなるようなケースです。
弱い立場の人の福祉を削りながら、大企業には大盤振る舞いという「逆立ち」政治は自治体のやることではなく、改めるべきであります。
財政が厳しい中で、予算の何を守り、何を削っていくのか、知事の政治姿勢が厳しく問われます。県民の暮らしと福祉を守る立場での予算の執行を強く要望いたします。
次に議案第100号「平成18年度鹿児島県病院事業特別会計決算について認定を求める件」についてであります。
反対の理由の一つは、2006年度、県立病院の助産料が値上げになった点であります。06年度は、鹿屋医療センターでは140件の分娩、県立大島病院では624件もの分娩がありました。9月議会において、議会より、「離島医療の充実のために」という提言をいたしましたが、離島での出産においては、定期検診のための交通費や出産を控え待機をするための費用など、通常よりも負担が重くなっています。少子化対策、子育て支援のためにも、助産料は値上げでなく引き下げをすべきという立場で、本議案には賛成できないものであります。
次に議案第117号「契約の締結について議決を求める件」についてであります。 これは、志布志港にコンテナクレーンを整備する事業について、一般競争入札で、12億8835万円で、三井造船株式会社が落札したことにもとづき、契約を締結するものであります。
そもそも、本事業については、本年3月議会に、三井造船との契約の締結議案が提案されました。一旦、委員会審査で可決とした後、国の水門事業をめぐる談合問題で、国土交通省が、落札した三井造船を含めて指名停止を行ったことから、翌日、再度、委員会で、質疑が交わされました。そこで、「適法かつ適正に執行しており、何ら問題ないと考えている」という答弁がなされた後、一転して、三井造船との仮契約を解除したとして、議案の撤回がなされたものであります。国の事業に係わる官製談合とはいえ、本県のこのような不正に対しての認識が問われる経過でありました。
本議案は、その後、本事業の入札に係わって契約を締結するというものですが、この経過についても、紆余曲折がありました。前述の指名停止期間が過ぎた後、改めて、2回目となる入札が行われました。これに2社が応札しましたが、先の官製談合に係わって、2社とも国による営業停止処分を受けたことから、辞退をすることとなり、あらためて、11月に、3回目となる入札が行われたものです。これには落札した三井造船1社のみの応札でありました。
反対の理由の第1は、後に議案撤回となった1回目の入札も応札したのは三井造船1社のみ、今回議案が出された3回目の応札も三井造船の1社のみであり、全く適正な競争が行われなかったと言う点です。
第2には、落札額についての疑問であります。落札率を比較すると、1回目は96.72%でありましたが、3回目には99.95%でありました。1回目より、3回目が落札額は3885万円増額となっております。その理由について、先ほど委員長報告の中で、鉄鋼などの資材の高騰が増額となったこと、また県が公表している予定価格についてほぼ同額であったという説明がなされたとありましたが、県が公表している予定価格自体は3回目の方が280万円少ない金額となっております。県の予定価格の積算に不備があるのか、応札した三井造船が、競争がないために高値をつけたのか、12億8000万円という高額な事業費を投入するにあたって、大変不明瞭な入札であると思わざるをえません。よって、本議案には反対であります。
次に陳情第2005号「米価の安定を求める陳情書」が委員会審査結果で「不採択」になっておりますが、これは「採択」すべきであることを主張いたします。
今年も下げ止まらない米価の下落に農家から「これでは、米作りは続けられない」との悲鳴が上がっています。
農水省がまとめた2006年産の米生産費調査によれば、一俵あたりの米生産にかかる費用は1万6820円。一方、米価格形成センターが発表した06年産の入札価格は1万4826円。流通経費などを差し引けば、農家は一俵出荷するたびに5千円近く赤字が発生するという異常事態です。06年度、稲作労賃は時給256円にしかなりません。
このような米価暴落に対して、全国の農民、消費者、農協などが、対策を求める声をあげ、その結果、農水省は米緊急対策を発表しました。これについて、一定は評価をするものでありますが、同時に重大な問題も含んでおります。
第1に、米価下落の最大の要因であり、破綻が明瞭な「米改革」路線に固執し、本来、国の責任である米の受給調整を農協組織など生産者団体に押しつけている点です。
第2には、産地作り交付金の若干の積み増しを打ち出しているものの、転作条件の整備・拡充が不十分なまま、生産調整の厳格な実施を打ち出し、未実施者への強力な対応や生産調整目標を達成しない都道府県や地域に対して「他の補助金等の採択や配分について考慮する」とし、強権的な減反政策を打ち出しています。
第3に、流通が不透明で、米価に影響を与えている輸入米の主食用販売を野放しにし、170万トン異常にも積み上がっているミニマムアクセス米の在庫一掃に背を向けています。
本陳情は、採択とし、農家が日本人の主食である米を安心して作り続けられるよう、再生産を保障できる水準の米価実現のための施策を国に求めるべきであります。
次に、陳情第4011号「政府に教育改革を求める意見書提出に関する陳情」に関して、委員会審査結果では「採択」となっておりますが、「不採択」すべきであることを主張いたします。
本陳情は、改悪教育基本法に基づいて、学校評価の実施や公表、家庭の責任を強調する具体施策を政府に求める内容であります。
そもそも、昨年12月に行われた教育基本法の改悪は、圧倒的多数の国民の「慎重に審議を尽くしてほしい」という声を無視して、政府与党が強行採決したものです。当時、政府が「国民の理解を得ている」と言って、唯一持ち出した「教育改革」タウンミーティングは「やらせ」「さくら」の世論偽装であり、改悪にひとかけらの根拠もないことを示しました。
陳情の理由にある「教育再生会議」について、これは、安倍前内閣の特異な価値観押しつけの諮問機関として設置され、その委員に教育研究者を加えず、会議はマスコミ非公開という他の審議会では考えられない運営が行われてきました。安倍首相が突然の辞任をした後は、会議は開かれず、中央教育審議会の議論の中でも、安倍「教育再生」路線は事実上破綻しています。
要望項目にあるような、国の専門機関による学校の評価や公表を求めることの大きな問題点は、「国の責任で」到達目標を決め、「国の責任」で評価することにあります。上からの学校評価は教員の自律性を奪います。「いじめ半減」の数値目標が、いじめ隠しをもたらしたように教育現場の荒廃を招きます。
また、もう一つの要望項目にある「親学」というのは、日本会議がそのルーツで提唱してきたものです。日本会議は、夫婦別姓や女性の再婚禁止期間短縮など民法改正の動きに対し「家族の絆や一夫一婦制を崩壊させる」として猛烈に反対してきました。「親学」として教育再生会議で「母乳で育てる」「子守歌を歌う」などの提言を出そうとして、問題にもなりました。
もちろん子どもの教育にあったっては、家庭での教育は第一義的に大事なものであります。しかしながら、今多くの家庭が「貧困と格差」で、傷ついている状況にあり、それへの公的な支援こそ求められています。「親としての責任」を押しつけるだけでは問題の解決になりません。
以上の理由で、本陳情は、不採択とすべきであります。
最後に陳情第5010号「児童扶養手当の削減に反対する陳情書」について、委員会審査結果では、不採択となっておりますが、採択すべきであることを主張いたします。
収入の低い母子家庭に支給されている児童扶養手当について、与党は、来年4月からの削減を実質的に「凍結」したと伝えられています。
今回の与党合意では、母子の障害や病気など「就業が困難な事情がないにもかかわらず就業意欲が見られない者」についてのみ、児童扶養手当の支給額を半減するとしており、ほぼ全ての人が継続して受給できるとしていますが、支給額の基準とする「就業意欲」を何でもってはかるのか、「凍結」の期限をどうするのかという問題が残されています 日本の母子家庭の母親は8割以上が働いており、しかも臨時・パートなど非正規で働く母親が増加し、2カ所以上、深夜も働く母親も少なくありません。年収は児童扶養手当や生活保護費を入れても平均213万円、一般世帯の収入の38%にすぎません。今回の「凍結」は、母子家庭の現状を考えれば、手当の大幅削減は道理がないということを示したものであると言えます。5年前に改正された児童扶養手当法の第13条第2項には、「手当受給開始から5年たち、末子が8歳以上に達した人については最大2分の1まで手当を削減する」と明確に定めており、与党は法律そのものの改定を行おうとはしていません。
フェアな社会の実現、格差の解消のためには、母子家庭の命綱である児童扶養手当の削減は「凍結」ではなく削減そのものを中止・撤回させることが求められています。よって、本陳情は、採択し、国において、児童扶養手当の削減条項を削除し、削減を撤回するよう強く要望すべきであります。
以上、反対理由を述べてまいりました。
このように、日本共産党県議団は、提出された議案に対し、一つひとつ精査し、賛成できるものについては賛成し、反対のものについては、本会議の討論の場でその理由を明らかにしております。議会は、それぞれの立場や見解の相違があるからこそ、議論し討論し合うところであります。
私は、これからも、県民の付託を受けた議員として、議会の場で、その代弁者としての役割をはたしていくために全力を尽くして奮闘することを申し上げ、討論を終わります。
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