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私は、ただいま上程されました議案のうち、11件に賛成し、反対する5件のうちの主なものと、請願・陳情の委員会審査結果に反対するうちの主なものについて、その理由を述べ討論いたします。
はじめに、議案第87号「土木その他の建設業の市町村負担額について議決を求める件」についてであります。
反対の理由の第1は、そもそも、これらの事業については、県が責任をもって、行うべき事業であるという点です。
第2には、この中に、人工島「マリンポートかごしま」の整備事業にかかわって鹿児島市が負担する7,883万2千円が含まれているという点です。
私は、一般質問でも取り上げましたが、人工島は、71億円の経済効果があり県政の浮揚発展に必要不可欠として強引に始められながら、現在では大きく計画が変更され、その経済効果の検証もなされずに進められております。沖防波堤は国直轄の工事で、総事業費の127億円のうち、地元の負担として県民の負担が36億円。人工島本体では、これまでの総事業費219億円のうち、県費として136億円。そして地元負担として鹿児島市の負担27億2200万円であります。特に鹿児島市民にとっては、市民生活に必要かどうかの検証もなされていない人工島建設に、2重にも3重にも負担が強いられております。
以上の理由から、本議案には賛成できないものです。
次に議案第93号「鹿児島県財産に関する条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。
これは、地方自治法の一部が改正され、行政財産の貸し付け等ができる場合が拡大されたことに伴う条例改正であります。
反対の理由は、行政財産の貸し付け等を拡大し、住民の財産である土地や建物を民間事業者の営利活動に利用させるものであるからです。
行政財産は、庁舎など自治体の本来の事務事業を実施するための財産であり、学校や公園、病院、保育所など、住民の共同利用のための財産です。地方自治体の行政財産は、公用、公共用に使われる財産であることから譲渡や貸し付けなどの私権の設定を原則禁止しているものです。市町村合併に伴い不要となった施設の有効活用などが考えられておりますが、万一の災害の住民の避難場所などについて、日頃からの確保が必要です。行政財産の枠内だとして貸し付けを拡大し、一般の民間事業者の営利活動に利用させる道を開き、自治体の本来の業務からの後退を招くものであり、本議案には賛成できません。
次に議案第96号「鹿児島県立高等学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。
これは、県立の栗野工業高校と牧園高校を統廃合して霧島高校を、中種子高校と南種子高校を統廃合して中種子中央高校を設置するための条例改正であります。
私は、一般質問の中で述べましたが、これらの統廃合に関して、町長である南種子の協議会長からは、抗議文が、また、県下の8市7町の首長が参加する「高校再編市町村長連絡会」からは、「知事の公約を守れ」という要請文が教育長あてに提出されています。
県立高校の地元での社会的文化的な果たす役割や教育の機会均等という観点から見て、地元との合意のない統廃合には賛成できないものであります。
よって、本議案には、賛成できません。
次に専第8号「控訴の提訴の件」についてであります。
これは、鹿児島地方裁判所が県に6万円の賠償を命じた判決に対して、その判決の敗訴部分を不服として控訴するものであります。
判決では、県警の取り調べの中での言葉について、原告を侮辱し、人格を非難するのは明らかに違法としていますが、県はその発言の内容について概ねは認めながらも、反省をうながしたのであって人格を否定してはおらず違法性はないとしています。 現在、今議会に取り調べの可視化を求める陳情が提出されておりますが、本議案に係わる県警の取り調べについても、当時15歳である原告らに対して、密室の中での取り調べが、その年齢にも配慮し、適法におこなわれたかどうか疑問を持つものであります。
県は、判決を真摯に受け止め、控訴は断念すべきであります。よって、本議案に反対するものです。
次に陳情第4005号「県立学校の全教室にクーラーを設置することを求める陳情書」が委員会審査結果では「不採択」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。
この県庁や県議会を始め、多くの大人が働く職場では、夏場は「省エネのため、冷房を28度に」と叫ばれておりますが、子どもたちの学習の場である学校では、設定温度どころか、そのクーラー自体がありません。
県立高校では、みかねたPTAや同窓会でお金を集めて、クーラーの設置がなされているところもありますが、県教委は、「設置は認めるが、設置の費用や維持管理費は自分たちで払え」というのがその姿勢であります。
県教委は「普通教室の空調は現下の厳しい財政状況等から現在のところ整備する計画はない。」としていますが、毎年、2千万円から7千万円ほどの予算で「県立高校空調整備事業」が実施されています。これは、パソコン室にクーラーを設置する予算です。つまり、パソコンが壊れないようにするためにクーラーを設置するお金はあるが、子どもたちがまともな環境で学習するためにクーラーを設置するお金はない、ということです。
学校保健法には学校環境衛生として「学校においては、換気、採光、照明及び保温を適切に行い、清潔を保つ等環境衛生の維持に努め、必要に応じてその改善を図らなければならない」とあり、文部科学省は、教室の温熱環境の基準について「夏期では30度以下であることが望ましい。また、最も望ましい温度は夏期では25度から28度である。」としています。
本県では、今年は10月になっても、連日真夏日が続き、観測史上最高を更新してきました。子どもたちの健康を守り、学習環境を整えるためにも、保健室や図書室、進路指導室などの特別教室だけでなく、子どもたちが学校での学習や昼食などほとんどの時間を過ごす普通教室へのクーラー設置が急がれています。本陳情は採択すべきであります。
次に陳情第4006号「学級定数に関する陳情書」が委員会審査結果では「不採択」となっておりますが、「採択」すべきであります。
これは、本県で小学校3年生以上にも少人数学級を実現することと、国の制度として30人以下学級を実現すること求める意見書提出を求めたものであります。
文部科学省は、学級編成及び教職員配置についての検討の最終報告に、少人数指導を実施した小中学校へのアンケートで、学級編成人数を引き下げた方が効果的であるとの回答が小中学校ともに8割以上となった結果を報告しています。このように国も、少人数学級について教育上の有効性を認めており、各自治体において、少人数指導などの加配を少人数学級に回すなどの柔軟な対応を認めています。その結果、現在、山形県、福島県、新潟県、長野県、三重県、岡山県など12の府県で、全ての学年を対象にして少人数学級が実現しています。
国の制度として少人数学級の実施を求めることに対して、県は、財政的な負担から国に求めないとしておりますが、世界的に見ても、一クラスの人数は、フィンランドが19.5人、イタリア22.0人、アメリカ23.5人、ドイツ24.1人など欧米諸国は30人以下であるのに対して、日本は38.8人となっています。世界の流れは財政的な負担云々というレベルでないことは明らかです。
教育や子どもたちをめぐる様々なトラブルや課題が社会問題となっておりますが、少人数学級は、今の子どもたちを困難から救い出し、子どもたちの健やかな成長・発達を保障する教育を実現し、さらに、学力保障の観点からも求められている条件整備であります。
本県でも、全ての学年に少人数学級が広がることを強く願い、本陳情は採択すべきであることを主張いたします。
次に陳情第4008号「人間らしく働きたい」「まともな生活がしたい」の青年の願いにこたえる『鹿児島県総合的雇用対策』に充実するよう求める陳情書」が委員会審査結果では「不採択」となっておりますが、「採択」すべきであります。
県は、本県において、新規高卒者の県内求人倍率などにおいて前進が見られ、県の施策が着実に前進しているとしていますが、本当に現実の働く青年の姿を見ているのか疑問をもたざるを得ません。
今、全国で、青年の5人に一人が年収150万円以下で、まじめに働いても生活が成り立たない「ワーキング・プア」が社会の大問題になっています。また、3人に一人が非正規の不安定な雇用のもとにおかれ、青年の失業率も他の世代の2倍近くにのぼります。働く現場では、残業代が支払われない「サービス残業」が横行し、いわゆる「偽装請負」や不当な解雇、有給休暇が取れない、社会保険に加入できないなど、さまざまな違法・脱法が横行しています。
こうした問題の原因は、青年の雇用を減らし、非正規化をすすめてきた大企業と、「構造改革」の名のもとに、規制緩和などでそれを応援してきた政治にあることは明らかであります。
青年が人間らしく働き、将来への希望が持てる社会を作るために、陳情項目にあるような具体的施策を国並びに県が進めることが強く求められています。
県が交付している企業立地促進補助金も、条件としては「4ヶ月以上の常用雇用」としているだけで、正規雇用を義務づけておりません。
また、本県では、学校教育において、職業人としてふさわしい「意欲・態度や能力」を育てるとした「キャリア教育」を実施しており、その中で、企業が求める人材としての「勤労観、職業観」の形成は、熱心に行われておりますが、労働者としての権利については、学ぶ機会がなく、社会に出されているのであります。私が聞いただけでも、休みをとると、1000円給料が引かれるので、「有給休暇というのは、お金を払ってとる休みだと思っていた。」とか、「タイムカードを押し忘れると、1回につき、1000円給料を引かれる。」などの、違法行為が行われていても、それが違法だとは気づかない、仕方がないとして、劣悪な労働条件下での就労を余儀なくされている現状があるのです。若い世代の働き方の問題は、単に、その個人の問題にとどまらず、少子化の進行や、専門分野での技術の継承に支障をきたすなど、日本社会の将来にとって、重要な問題であります。
県は、数字の表だけを見てすませるのではなく、その裏側に隠れている、実態にもしっかりと目をむけるべきであります。
よって、本陳情は採択すべきであります。
次に陳情第5007号「乳幼児医療費無料制度に関する陳情書」が委員会審査結果では「継続」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。
本県議会では、今回、超党派で、「離島医療の充実について」という提言をとりまとめました。この提言の根底にあるのは、多くの有人離島を有する本県において、地理的な特性が、県民の命や健康にかかわる格差に結びついてはならないという思いであります。
乳幼児の命と健康を守る立場においても、同様であります。現在、乳幼児医療費助成制度においては、少子化対策、子育て支援という立場で、県下の自治体において、対象年齢の引き上げや自己負担限度額の引き下げが独自に行われていますが、残念ながら、離島などの自治体では、独自の上乗せができず、同じ鹿児島県に生まれ育ちながら、受けられる助成に大きな差が生じています。現物給付についても、全国33の都府県が実施しており、全国の流れであります。本県での1日も早い現物給付の実施を求め、本陳情は採択すべきであることを主張いたします。
次に陳情第5008号「障害者自立支援法の見直しについて」が委員会審査結果では「継続」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。
本陳情の趣旨にもあるように、障害者自立支援法は施行以来、障害者の生活を苦しめ、施設の経営を圧迫してきました。環境生活厚生委員会においては、行政視察の度ごとに、障害者の福祉施設を訪問し、その現状や利用者、施設の経営者の声をうかがってきました。
この法の根本問題は、障害者が生きていくための、食事や排泄や外出までも「益」だとし、負担金を徴収する「応益負担」の考え方にあります。
一昨日、鹿児島市内で開催された「障害者自立支援法の即時見直しを求める緊急フォーラム」では、障害者の方たちが、「当たり前に生きていく権利を認めて欲しい」と訴えていました。国も、県も、そして議会も、この障害者の声をしっかりと受け止めるべきであります。そして、憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」−生存権を守るための施策を講じるべきであります。
本陳情は、直ちに採択すべきであることを主張いたします。
次に「生活保護の母子加算廃止に反対し、老齢加算の復活を求める国への意見書提出を求める陳情書」が委員会審査結果で「不採択」となっておりますが、これは「採択」すべきであります。
国は、特別需要として、母子加算は「配偶者が欠けた状態にある者が児童を養育しなければならないことに対応して、通常以上に労作に伴う増加エネルギーの補填、社会的参加に伴う被服費、片親がいないことにより精神的負担をもつ児童の健全な育成を図るための費用などが余分に必要となる。」また、老齢加算は、「老齢者は咀嚼力が弱いために、他の年齢層に比し、消化吸収がよく良質な食品を必要とするとともに、肉体的条件から暖房費、被服費、保健衛生費等に特別な配慮を必要とし、また、近隣、知人、親戚等への訪問や墓参などの社会的飛鳥が他の年齢層に比し余分に必要となる。」として、長年にわたり認めてきたものであります。
それを、厚労省の「生活保護制度の在り方に関する専門委員会」では、母子加算については「平均所得の母子世帯の消費水準と比較しても高く、加算は妥当であるとは言えない」として、老齢加算については「60代の消費支出と比べ、70代は少なく、加算する必要性が認められない」として削減、廃止を決めました。この比較されている一般所得者の中には生活保護基準以下の所得であっても生活保護が受けられずに暮らしている世帯が多数存在するのです。これらの加算の削減、廃止は憲法25条に定められた生存権を踏みにじるものであります。よって、本陳情は採択すべきであります。
最後に陳情第5010号「児童扶養手当の削減に反対する陳情書」が委員会審査結果では「継続」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。 これまで、「児童扶養手当法」に基づき、児童の心身の健やかな成長に寄与することとして支給されてきた児童扶養手当は、多くの母子家庭の暮らしを支えてきました。ところが、政府は、受給開始から5年を超える場合は2008年4月以降、それまでの支給額を最大で半額まで削減するとしています。
厚労省の調査でも、母子家庭の所得は、全世帯の平均所得と比べ約4割しかなく、約8割の世帯が「生活が苦しい」と感じています。政府は、削減の理由に「自立のための就労支援に」転換するとしていますが、母子世帯の83%はすでに就労しています。しかしその約半数は臨時やパートであるのが現状です。「自立支援」というならば、より収入の高い就業を可能とするための資格取得や技能訓練のための経済的支援や国の援助額の引き上げこそ必要です。
与党において、国民の批判の高まりから、負担増や給付削減を一部凍結する動きがありますが、母子家庭の経済環境が改善しているとし、それを低所得世帯のみに限る方向を打ち出しました。多少の改善はしていても、全世帯の平均所得を100とした場合の母子世帯の所得は37.8にとどまっており、児童扶養手当の削減は、ただでさえ困難な母子家庭のくらしをますます追い詰めることになるのは明らかであり、削減はきっぱりと中止すべきであります。
最後に、来議会の委員会審査においては、本陳情が「採択」となり、本陳情の趣旨での意見書が採択されることを強く期待し、私の討論を終わります。
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