議案に対する反対討論

私は、日本共産党県議団を代表して、ただいま上程されました21件の議案のうち、14件に賛成し、反対する7件の議案の中の主なものと、請願・陳情に関する委員会審査結果に反対する中の主なものについて、その反対理由を述べ、討論いたします。

まず、議案第59号「平成19年度鹿児島県一般会計補正予算(第1号)」についてであります。
 これは、公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備候補地についての立地可能性等調査に基金から3500万円を支出することと、併せて、調査期間が来年度まで及ぶとして来年度分の調査費2500万円を債務負担行為とする内容の補正です。
 反対の理由は、この立地可能性調査に対しての住民の合意形成がなされていないことであります。
 6月11日に、地元住民を始め、関係団体を含む10団体から、調査・建設に反対することを意思表明した陳情書が県および県議会に提出されています。
 伊藤知事は、記者会見の中で「今までの環境行政,特に産廃について我々も色々反省すべき点があったと思うので,それを十分踏まえた上で今後対応していきたい。」と語られ、また、今議会の答弁でも「謙虚に反省し、徹底的に情報公開する。」と述べられています。
 そうであれば、立地可能性調査自体についても、議案提出の前に、十分に地元に説明し、調査の合意をえるべきではないでしょうか。
 知事は、ご自身のマニフェストの進捗状況の報告のなかで、この公共関与の産廃最終処分場の整備について「さらなる取り組みが必要」とされておりますが、その「取り組み」の前提となるべきは、住民の理解と合意であります。マニフェストの遂行のためにこのまま、強引に調査を開始すれば、これまでの産廃行政の轍を踏むことになってしまいます。
 直ちに、調査の計画は凍結し、住民との対話を十分に行うべきであります。
 よって、住民合意がなされていない調査のための予算には、賛成できません。

次に議案第60号「鹿児島県港湾整備事業特別会計補正予算」についてであります。これは、志布志港新若浜地区に、今年度と来年度とで13億6000万円をかけてコンテナクレーン2基を整備するための債務負担行為であります。
 志布志港の整備については、私は、この間その問題点を指摘してきました。新若浜地区の埋め立て事業は、総事業費約359億円。県費だけでも200億円近くが費やされ、その96%以上が起債によるものです。
 志布志港のコンテナ貨物の取り扱い量は、1999年までと比較すると10倍以上に伸びておりますが、ここ数年は横ばい状態。全体の取り扱い貨物量は、ここ5年間をみると、100万トンほどの増加にすぎず、入港船舶数は年々減少しており、毎年、数百万円の経費をかけてポートセールスが行われています。
 本県財政の厳しい要因の一つとして普通建設事業費の増嵩を上げながら、このように依然として、大型の開発が続けられているものです。ハード面の整備は、身の丈にあったものに押さえ、ソフト面の充実に切り替えるべきではないでしょうか。
 新若浜地区の整備計画では、バースの待ち時間短縮や、大型貨物船の入港可能で、コストの削減がうたわれておりますが、志布志港の背後地の畜産業などの振興のために、コスト削減で飼料等の価格の引き下げを目指すのであれば、直接畜産農家への飼料購入の助成など、もっと直接的な支援も可能であります。
 また、この予算で整備するコンテナクレーンの製造メーカーは、先の水門工事をめぐる談合事件で、指名停止となった企業ばかりで、前回の落札企業である三井造船を始め、石川島播磨重工業や川崎重工業、住友重機械工業、三菱重工業、日立造船など、国内の大手重工メーカーであります。
 県財政の厳しい中、本県の企業や産業を直接的に支援する施策を求める立場で、本議案には賛成できません。

次に議案第64号「鹿児島県税条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。
 この中には、身体障害者等が所有する自動車に係わる自動車税、自動車取得税を現行、課税免除としているものを一部課税対象にするという条例改正が盛り込まれています。
 反対の理由は、新たに課税となる対象が、自動車税は2,500cc超、自動車取得税は250万円超という一律の規定となっている点であります。
 もちろん、自動車税は、その排気量に応じた税額となっております。しかし、中には、寝たきりの重度身体障害者を安定した状態で移動させるために、あえて排気量の大きい自動車を購入せざるを得ない事情の方もおられます。ある障害者のご家族は、日頃、看病や介護で苦労も多い中で、自動車税の課税免除に福祉の心を感じていたのに、とても残念だと話をされておりました。
 本県では、昨年度、重度心身障害者の社会参加を促進するための自動車のガソリン代を補助する県単の事業を廃止しました。そして今回は自動車税の課税免除の見直しです。身体障害者等にかかわる自動車二税の課税免除の見直しは、全国でもまだ8県のみであります。
 障害者の実情を十分に配慮した検討をもっと行うべきという立場で、本議案には賛成できないものであります。

次に議案第76号「鹿児島県警察本部、部等設置条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。
 これは、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の制定により、刑事部に犯罪による収益の移転防止に関する事務を新たに行わせるための条例改正であります。
 この法律はゲートキーパー法と呼ばれ、犯罪などでのマネーロンダリング対策のために、金融機関等に対して、疑いのある取引について警察への届出義務等を課すものです。
 資金清浄、テロ資金の移動を防止するために、人権保障原則を侵害することのない限度で、世界各国が協力し、国内的法制を整備することは、否定するものではありません。しかし、この法律には、金融、不動産、貴金属商等の事業者に、「あいまいな基準」での「疑わしい取引」の届け出を罰則つきで強要しています。銀行などの膨大な取引情報が捜査機関の監視下におかれ、警察への「密告制度」が作られることは問題です。
 よって、本議案には、賛成できません。

次に議案第81号「平成19年度鹿児島県一般会計補正予算(第2号)」と議案第82号「裁判上の和解について議決を求める件」については、一括して反対理由を申し述べます。
 これは、売却した知事公舎跡地から、公舎の基礎と思われる構造物やコンクリートのがれきなどが出てきたことから、県が被告として損害賠償請求がなされた裁判について、県が一億2000万円を支払うという和解に応じるための予算措置とその和解に議決を求めるものであります。
 反対の理由は、第1に、最終的に、当初の土地の評価額、7,340万円が、実質的に、1,800万円の収入にしかならなかった点であります。3500平方メートルの土地が1,800万円、平米あたりにして、5000円あまりという驚くべき価格であります。
 第2には、県有地であった知事公舎跡地に、いつ誰が問題のものを埋設したのかわからないという県有地の管理の杜撰さや、売却の時点での現況の調査の不十分さなど、本事案の一連の経過について、県民に納得のいく説明がなされていない点であります。
 よって、1億2,000万円もの支出を求める本和解には賛成できません。

次に陳情第1002号「測候所の存続に関する陳情書」が、委員会審査結果では「継続」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。本陳情は、2010年までに「国の行政機関の定員の純減について」という閣議決定に基づき、全国の測候所を原則廃止する方針を気象庁が示している中で、名瀬測候所の気象台への格上げや沖永良部、種子島、屋久島の各測候所の継続と機能の拡充・強化を国に求める陳情であります。
 陳情の趣旨にあるように、これらの測候所は、離島にあり、変わりやすい島の天気に関する情報は、農業・漁業に従事している方がたのみならず、多くの島民にとって関心が高く、特に台風関係の情報は何よりも重要なものとなっています。気象庁は、観測機器等の機能アップで無人化しても、防災気象情報の提供に支障はないとしていますが、霜や雷については機器では観測できません。過去に、枕崎測候所が無人化され、観測所となりました。測候所時代は、地域の農家の人たちは、霜が降りるかどうか、直接測候所に問い合わせをして対策をとることができました。枕崎測候所が無人化になってからは、鹿児島気象台に聞いても南薩方面の霜のことは教えてもらえず、不便になったとなげいておられます。このように、測候所が本県地域の農業・漁業にとっても果たしている役割は大きく、無人化ではなく、機能の充実・強化こそ求められています。
 気象庁は、今年10月1日より、種子島測候所の無人化を決定、公表しており、一刻の猶予もなりません。
 よって、本陳情は、「継続」ではなく、「採択」すべきであります。

次に陳情5001号「出産経費助成事業条例等の制定について」第1項が、委員会審査結果では継続となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。
 これは、産婦人科医の常駐しない離島の出産経費の助成のための県の条例制定を求めるものであります。
 本県には、有人離島が28島ありますが、そのうち、常駐する産科医がいる島は5つのみです。産科医のいない島では、いつ始まるかもしれないお産にそなえ、予定日の1ヶ月ほど前から、アパートなどを借りて出産に備えるため、分娩費用以外に多額の出費が生じます。また、出産時だけでなく、10数回必要な妊婦の定期検診にも、交通費や宿泊費もかかります。そのため市町村では、交通費や宿泊費に対して、助成をしています。たとえば、喜界町では、船賃1往復分7,000円を6回まで。三島村では、船賃1往復7,000円と宿泊費1泊6,000円の2泊までの内、2分の1を助成。十島村は、船賃9,600円から19,020円と宿泊費1泊分の全額を助成。薩摩川内市は、船賃の片道の内2,000円を10回分。
 これらの助成は市町村の単独事業で、県の補助はありません。出産に関しては、県も市町村も助成はありません。
 たとえば、島根県では、隠岐諸島の大半の妊婦が島外で出産している事から、隠岐広域連合では現在、妊婦への滞在費など17万円を助成する事業が行われておりますが、島根県は、昨年度の国の補正で盛り込まれた「離島等患者宿泊施設施設設備整備事業」を活用して、松江市にあるホテルを改装して妊婦が出産の1ヶ月前から安価で利用できる生活のための施設を、10月からの供用をめざして整備を始めました。
 本県と同様に多くの離島を有する長崎県では、36週を過ぎた妊婦に対して、交通費は月額1万円を限度に、宿泊費は5泊を限度に、緊急の場合の移送費は10万円を限度に助成をおこなっています。
 国に対して、支援を求めていくことも、もちろん必要ではありますが、国の動向を待つのではなく、本県として、少子化対策、子育て支援の一環として、県内どこででも安心して、妊娠・出産できる仕組みを作っていくことは、重要な課題であり、本陳情は直ちに「採択」すべきであります。

次に陳情5002号「介護サービス情報公表制度に関する陳情書」について、委員会審査結果では、「継続」でありますが、「採択」すべきであることを主張いたします。
 本陳情は、介護保険制度の介護サービス情報公表制度に関して、全国でも、最も高くなっている公表手数料の引き下げや訪問調査機関や調査員にたいしての改善を求めるものであります。陳情者の鹿児島県保険医協会は、県内医師・歯科医師約1,320名の団体で、介護サービス情報公開制度に関して、会員医療機関を対象に行った実態調査に基づいて、陳情なされたものであります。現場からの率直な疑問や意見・要望にもとづく陳情であり、このような声に応えた制度や運用について検証を行い、必要があれば早急な改善が求められています。よって、本陳情は採択すべきであります。

最後に陳情第5003号「産業廃棄物管理型最終処分場に係わる調査・同施設建設に関する陳情書」について、委員会審査結果では「継続」でありますが、「採択」すべきであることを主張いたします。

これは、公共関与の産業廃棄物管理型最終処分場の建設予定候補地として県が決定している地元や関係団体等10団体からの提出されたもので、立地可能性調査や処分場建設について、反対し、議会にその意志を尊重した対応を求めた陳情であります。
 ここに述べられている、調査・建設の反対理由は、地元の住民としては当然の思いであります。ここで大切なのは、このような地元住民の思いに対して、議会としてどう受け止め、何をしていくのか、それが問われているのではないでしょうか。県議会は、住民の思いを受け止め、調査について、県に住民との対話をもとめるべきであります。よって、本陳情は「採択」すべきであることを述べ、討論を終わります。

 

人事案件に対する反対討論

人事案件についての反対討論

 私は、ただいま上程されました、人事同意議案4件のうち、第78号と第79号の2件について反対し、その理由を述べ討論いたします。

これらは、監査委員に西山芳久(にしやまよしひさ)氏を、人事委員会委員に濱潟剛(はまがたつよし)氏を選任する件についてそれぞれ同意を求めるものであります。
 このお二人は、濱潟氏は、20043月まで県幹部職員としてお勤めで、西山氏は、今年の3月まで、県幹部職員として本議会で、答弁席に本県にお座りでありました。
 監査委員は、県の財務に関する事務の執行及び県の経営に関わる事業の管理についての監査をはじめ、一般事務、法定受託事務、さらに、県が補助金、交付金、貸付金などの財政的援助を与えているものなども監査する重要な職務であります。
 また、行政委員会の制度は、自治体の長とは相対的に独立した執行機関として、行政上の決定を慎重かつ公正、中立に行い、かつそれを執行するために設けられたもので、その中でも、人事委員会は、人事行政に関する調査研究、企画立案、勧告等を行い、職員の競争試験及び選考を実施し、並びに職員の勤務条件に関する措置の要求及び職員に対する不利益処分を審査し、これについて必要な措置を講ずる機関です。
 このような役割から考えたときに、長年、県の幹部職員として県政を支えてきたという点からも、また、長やその他現職員からの独立性・中立性を維持するに不十分な面を有すると思われる点から考えても、この2名の選任が適切であるとは思えません。
 これらの理由から、先の2名の選任に同意できないことを表明し、討論といたします。