反対討論(要旨)
 私は、上程されました58件の議案のうち、35件に賛成し、反対する23件の議案のうちの主なものについてと、請願・陳情の委員会審査結果について、反対する主なものについて、その理由を述べ、討論いたします。
○議案第1号「平成18年度鹿児島県一般会計補正予算」について

 反対の理由の第1は、商工費、1目工業振興費の中に、鹿児島臨空団地企業立地促進補助金、1億886万8千円の増額補正がある点です。この事業は、61億4800余万円の事業費で、造成した臨空団地を、のり面は10割引き、平面は3割〜5割引きで分譲するというものです。1億円あまりも増額補正となっているのは、11月に進出したユピテル鹿児島に対しての1億1097万9千円の補助が含まれており、割引無しに分譲すれば、2億2170万円の収入になるものです。臨空団地造成にあたっての長期借入金が53億2千万円もある中で、残りの15.9haを当たり前に売っても58億円にしかならないのに、それを5割引きで売るというのです。そして、それでも売れずに、かさむ金利をまた税金で穴埋めする。今回の補正には、そのための臨空団地分譲特別対策事業の152万1千円の増額補正も含まれています。

 第2の理由は、この補正予算の中には、職員給与関係費として、昨年の人事委員会勧告に基づいて、期末・勤勉手当を0.05ヶ月分引き下げた分が含まれている点です。地域経済へのマイナス影響や職員の士気への影響などの点から、賛成できません。

 以上の理由で、議案第1号には、賛成できないものであります。

○議案第20号「平成19年度鹿児島県一般会計予算」について

 議案第20号「平成19年度鹿児島県一般会計予算」についてであります。合わせて、議案第39号、44号、45号、49号にも触れて反対理由を申し述べます。

 知事は、「力みなぎる・かごしま」をめざして、「改革継続・実行予算」として、編成をおこなったとされておりますが、この「改革」が、県民にとってどういう中身であるのか、その検証が必要です。

反対の理由の第1は、企業誘致のための補助金と大型開発の無駄遣いが継続されているという点です。

商工費の中の1目工業振興費の中には、企業立地促進費補助として、2億1307万2千円がありますが、この中に、「株式会社もしもしホットライン」への交付予定として1333万8千円が計上されています。コールセンターへの補助金交付は、3ヵ年にわたって行われることになっていますが、昨年も同額の補助金が交付されており、2年目の交付になります。この会社は、三井物産グループに属し、資本金9億9800万円の大企業であります。しかも、税金から補助をつけておきながら、その要件の雇用については、「4ヶ月以上の常用雇用」としているわけで、県自らが、非正規雇用を推進していることになります。補助金を交付するのなら、正規雇用を義務づけるべきであります。

また、同じく工業振興費の中に、臨空団地分譲特別対策事業費補助として、8906万5千円が計上されています。これは、補正の中でも申し上げましたが、臨空団地の造成費のための借金についてのかさむ金利の穴埋めのための補助であります。18年度は、補正も合わせて4938万9千円であったものが、19年度は、金利の上昇で、倍近くにもふくれあがっています。

また、大型開発の問題としては、土木費2目港湾建設費の中に、港湾整備事業特別会計からの歳出も含め、人工島「マリンポートかごしま」分として19億2,655万円が計上されている点を指摘します。

私の一般質問での「憩い・散策の場」としての人工島の必要性についてお尋ねした答弁で、知事は、国への補助金の返還が求められるという点と、昨年11月の時点であと30億円で24haの土地ができるという点を、事業の継続の理由とされました。

 補助金の返還については、2005年の9月議会でも申し上げましたが、平成15年5月30日づけで九州地方整備局長から鹿児島県知事へ「補助金等予算の適正な執行等について」という国九整港管第98号の通知文書があります。その中で、「公共事業再評価に係る補助金返還について」として、「港湾局所管補助事業においても、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づいた適正な手続きを経て実施された公共事業再評価の結果、事業主体である地方公共団体が補助事業を中断した場合には、補助金等適性化法上の義務違反がない限り、補助金等の返還を求めることがないこと。」とされています。ここでいう補助金等適正化法上の義務違反というのは、補助金を他の用途へ使った場合と、違法な使い方をした場合です。知事は中止すれば、補助金の返還が求められるといわれますが、目的外に違法な使い方をされたのでしょうか。そうでなければ、法に基づいた手続きを踏めば、補助金の返還は、求められないのです。ようするに、知事には、人工島建設を中止する意思がなく、よって、補助金返還は、続けるための言い訳でしかありません。

また、もうひとつの30億円で土地ができるというのも、詭弁です。国の直轄事業として、桜島の土石流土砂の人工島への搬入が行われておりますが、その土砂の不足ゆえに、範囲を広げて、海底からの土砂の浚渫が行われています。その嵩んだ経費も、国民としての私たちの税金であります。さらに、埋め立て土砂の半分以上を占める県内各地の建設残土の搬入の経費について、人工島の事業費ではないといわれますが、それぞれの公共事業における経費が、人工島までの搬送経費がかさんでくるわけで、県民の税金、その自治体の住民の税金が使われるわけですから、30億円ですまないのは明らかであります。

造成後の、緑地の整備、メンテナンス、上物の建設、上水道、下水道の整備など、これから経費はいくらでもかかるではないですか。まだ、「安い額でできる」といわれるのでしょうか。

反対理由の第2は、県民への負担増のおしつけと、県民の地域的格差と社会的格差の拡大です。

議案第44号、第45号、第49号は、それぞれ、県立職業能力開発校と県立農業大学校と県立高校の授業料の値上げの議案です。受益者負担の部分は引き上げながら、19年度の予算は、前年度比で、それぞれ97%、89%、97%と減額になっています。県民の負担は増やして、予算は減らす。納得のいくものではありません。

また、議案第39号でも軽油引取税の免税軽油使用者証の交付申請にあったての1件500円という手数料を新設されています。軽油引取税は、道路の整備に限定して使われる財源であり、だからこそ、道路の使用に関係しない用途の軽油の引き取りに関して免税の制度が設けられているものであります。

九州各県においては、それぞれの対応がなされており、福岡県や宮崎県では、手数料は徴収しておりません。

事務手数料としての徴収で、法人であろうが、個人であろうが、同額の500円となっておりますが、特に農家においては農業機械の燃料であり、本県の基幹産業である農業の担い手である農家の支援という意味からも手数料は徴収すべきでありません。

また、地域的格差の拡大の問題では、子どもの医療費助成と障害児の児童デイサービスの問題を指摘します。

子どもの医療費助成について、自動償還払いの実施で、一歩前進はいたしました。しかしながら、1973年にこの乳幼児医療費助成制度が始まったときから、対象年齢の医科は5歳まで、歯科は3歳までで、この34年間、対象が広がっていません。始まった当初は、他県と比べて、年齢が高く先進的だと言われていたものが、今では、他県が前進し、本県は遅れをとっています。自己負担額は、当初2000円だったものが、1982年に3000円へと引き上げられ、今では、全国で一番高い自己負担額です。市町村との負担割合も、当初は10分の6を県が負担していたものを、1985年に2分の1へと引き下げました。

県内の自治体では地域的な格差が生じ、助成の対象年齢は高いところは小学校3年生まで、低いところは歯科の3歳まで。自己負担額は、高いところは3000円、安いところは無料、という大きな差です。知事は「フェアな社会の形成」と言われながら、同時に「市町村による違いは」「やむを得ない」と言われます。子どもの医療費の助成でのアンフェアな状態を解消するためには、県の役割は大きいと言えます。特に離島の子ども達の健やかな成長を守る上で、地域間格差をなくすためにも、県の助成において、対象年齢を引き上げ、自己負担額をなくすことが必要です。

障害児の児童デイサービスにおいても、県独自の支援策が講じられることになり、一歩前進ではあります。しかしながら、県の支援策の対象が大変限定されているゆえに、県下の自治体によって、全く無料で療育が受けられる所、また県の支援が受けられる人、全く受けられない人など、大きな差が生じています。乳幼児の早くから、どれだけ受けたかで、その後の成長、発達にも大きく影響を与えるのが、この療育です。

せめて、障害児の療育にあたっては、住んでいるところや所得に関係なく、十分な環境が整えられるようにすべきであります。

反対の理由の第3は、住民サービスが低下する懸念がある点です。「組織機構改革」として1000名を上回る職員数の縮減をめざし、19年度は150名にもおよぶ削減であります。人員は削減した上で、住民サービスの低下を招くな、しかも、給与は一般職員で、2%カット。人員も給料も減らした上で、もっともっとしっかり働けといわれるのでしょうか。ひいては、住民サービスの低下を招くことは必至です。

以上の理由で、これらの議案に賛成できません。

○議案第50号「県学校職員定数条例の一部を改正する条例制定の件」について

 この定数減は、学級数の減によるものが主な理由となっておりますが、この中には、宮之城農業高校、宮之城高校、阿久根農業高校、阿久根高校、長島高校の廃止、県立保健看護学校の保健学科の廃止による学級減も含まれています。

小中学校の職員定数については、小学校1・2年生において30人学級が導入さておりますが、どの子にもゆきとどいた教育を保障するという意味で、30人学級が順次上の学年にも広がっていくことを要望するものです。また、本県は、過疎や離島地域において、複式学級が多数存在しており、それについての県教委としての対応も求められているところです。県内、どこにいても、等しく教育が受けられるようにすることは県の責務であります。昨年の9月議会でも、南大隅町や川辺町で、複式学級に自治体独自の予算で補助講師を配置していることを紹介いたしましたが、県としても、30人学級の学年の拡大、複式学級への対応、免許外の教科担任の解消など、定数を増やしていくべきであります。

よって、本議案には賛成できません。

○請願第4006号「私立学校への助成金の増額及び30人学級などの少人数学級の実現を求める請願書」について
 この請願書が委員会審査で不採択となっておりますが、採択すべきであることを主張いたします。
 
 これは、保護者の所得格差が広がり、授業料の滞納や経済的理由で退学せざるをえない生徒の増加などの背景の中で、公私間の格差是正のための公費の助成の拡大を求めるものであります。本県の例でも、1年生から2年生へと進級する際に、3ヶ月分の授業料滞納があり、このままでは、退学になるというので、担任が肩代わりをしたという例があります。
 
 高校生1人あたりの私学助成については、本県は、九州で6位、全国で37位に位置しています。よりいっそうの助成が求められており、本請願は採択すべきであります。
○陳情第4043号「県立中種子養護学校の高等部設置について」
 この陳情について、委員会審査では、継続となっておりますが、採択すべきであることを主張いたします。

中種子養護学校中学部や熊毛地区の中学校の特殊学級卒業者で、養護学校の高等部への進学希望者は、中種子養護学校に高等部がないため、鹿児島市や串木野市の養護学校高等部に進学せざるをえません。陳情の趣旨にも述べられているように、「親元で、また慣れ親しんだ地区内で教育を受けさせたい」という保護者の思いは、親として当然、かつ切実な願いであります。

県教委としては、児童生徒の在籍状況や高等部への進学者の人数から、すぐの設置はできないとされておりますが、「公立学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」の第14条に、「8人を標準」とありますが、合わせて「やむを得ない事情」や「教育委員会が生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合についてはこの限りではない。」と定めています。

離島でも僻地でも変わりなく、子どもたちの豊かな教育を保障するためにも、中種子養護学校への高等部設置は必要です。

 よって、本陳情は採択すべきです。

○陳情5051号「医師・看護師不足対策に関する陳情書」について

この陳情は、委員会審査では継続でありましたが、採択すべきであることを主張いたします。

本県では、有人離島が28ありますが、その内医者がいない無医島が半数の14です。無医地区も10市町村16地区に及びます。医師・看護師の確保については、県の努力ももちろんではありますが、医師の養成や看護師の配置基準の改善など、国の緊急の施策が求められております。

先ほどの委員長報告の中で、本県の医師の数は、全国の平均より多くなっており、問題は偏在であるという点が報告されました。厚労省も「医師の数は基本的には足りており、問題は偏在なんだ」という立場です。しかし、これは、根本的に間違っています。「偏在」と言いますが、医師の数はすべての都道府県で、OECD(経済協力開発機構の平均を下回っており、日本に医師の「過剰」地域はありません。

昨年12月の臨時国会で、「安心で行き届いた医療に関する請願」も採択されており、本県の離島・僻地などの特定の地域や小児科や産科などの診療科目での医師不足を解消するためにも、本陳情を採択し、国に意見書を提出すべきであります。

○陳情第5050号「障害者の生活実態に即した障害者自立支援法の運用について」

この陳情に、委員会審査では継続でありますが、採択すべきであることを主張いたします。

 障害者自立支援法は、その成立過程で、一旦廃案となり、その後成立しましたが、施行後、1年を待たずに、大幅な見直しがなされました。いかにこの法律が、多くの問題を含んでいるのか伺えます。

 法の名の通り、障害者が地域で自立して生活していくために、国や自治体がどういう支援をすべきか、障害者やその家族の思いを受け止めて、具体的な検討をすべきです。よって、本陳情は、継続ではなく、採択すべきであります。