2006年9月議会一般質問(要旨)
1.知事の政治姿勢について

 私は、日本共産党を代表して、一般質問を行います。

 まず、知事の政治姿勢についてであります。
 昨日、安倍新内閣が誕生しましたが、この5年間にわたる小泉政権のもとで、外交、内政ともにすべての面で日本が深刻な閉塞状態に陥り、国民の苦難は耐え難いものになっています。
 総裁選さ中にマスメディアが行った世論調査では、国民が次の首相に期待した政策は「年金・福祉」48%、「財政再建」17%、「格差是正」10%、で上位を占め、安倍氏が第1に掲げる「憲法」はわずか2%にすぎません。
 総裁選翌日の地元紙にも、県民の声として、「格差社会」の是正や「離島の産業の活性化」や「高齢者対策」を求める声や「障害者への支援」を求める声が紹介されていました。
 しかしながら、安倍氏は、「改革は止めない」と断言しており、小泉改革が引き起こした「弱肉強食」「社会的格差の拡大」「都市と地方の格差拡大」という政治がさらに引き継がれ、ますます拡大することが予想されます。
 知事は、このような弊害を生みだした改革推進の立場に対しては、県民の命と暮らしを守る立場で、毅然と立ち向かい県民の立場で奮闘することが求められると考えますが、知事の見解をお聞かせください。

 もう1点、米軍再編について、おたずねします。
 7月にわが党県議団は、防衛庁に対して、鹿屋の米軍の空中給油機の訓練の運用基地化について、反対の立場での交渉を行いました。そこで、明らかになったのは、「KC130(空中給油機)12機が、2〜3機ずつ鹿屋基地にやってきて、訓練を行う。離着陸訓練、夜間訓練も行う。市街地上空を飛ぶことはありうる」という訓練内容でした。
 つまり、「空飛ぶガソリンスタンド」と言われる空中給油機が、毎日2〜3機ずつ昼夜関係なく、離着陸訓練や給油訓練を行うというもので、危険きわまりない訓練計画です。
知事は、鹿屋の自衛隊基地での米軍の運用について、地元の合意無しに認めるわけにはいかないと反対の立場を表明されておりますが、県民の生命、財産を守る立場で、断固反対を貫いていただきたいと要望します。見解をお聞かせください。

2.人工島建設問題について

 次に、人工島、「マリンポートかごしま」について、おたずねします。
 私は、人工島問題について、年2回しか許されていない一般質問や予算特別委員会のたび毎に、その問題点を指摘し、即刻中止を求めてまいりました。それは、この問題が、過去から現在、そして未来に及ぶ浪費型の公共事業の典型であるからでもあります。
 ここにきて人工島計画のいくつかの重要な課題が、すでに大きく変更されていることが判明しました。
 7月10日付けで行われた公有水面埋立免許の変更点と事業の現状について、おたずねします。
 第1に、埋立に使う土砂は、桜島の土石流土砂がいくら減って、その分の公共残土がいくら増えたのか。また、これまでの計画では、公共残土は鹿児島市域から運び込むとなっていたのが、どこから運び込むことに変わったのか。その搬入の経費は、どこが負担するのか。
 第2に、1工区と2工区の中仕切り護岸は作らない計画だったのが、どうして、つくることになったのか。その経費はいくらになるのか。
 第3に、1工区の竣工期限について、私は、3月議会の3月9日、予算特別委員会でも、18年12月までは難しいのではないかと2度にわたって質問しましたが、それに対して2度とも、当時の加藤土木部長は、「12月の竣工期限に間に合うように国と十分に調整をはかっていきたい」と答弁されました。それからわずか4ヶ月後の7月10日の変更で、竣工期限がどう変わったのか、また、その理由な何か。
 第4に、人工島は「災害が発生した場合の対応空間として活用する」こととされていますが、海面から護岸までの高さは、どのくらいあるのか。合わせて、与次郎ヶ浜の緑地帯や人工島の背後地になる金属団地の堤防の高さについてもお答えください。
 第5に、これまで、埋め立て地の安全性について、「第3回あり方検討委員会」でも、地震の際、液状化が起こらないのかという質問が出され、それに対して、「埋立土砂の大部分を占める桜島土石流土砂は、埋立の材料としては、液状化を起こしにくい良好な土砂」であると答えられています。しかし、今回の変更で、どうみても公共残土、主にシラスでありますが、その割合がふえていると思われますが、そうなると、地震の際の液状化の恐れが生じるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【2回目】
 人工島の公有水面埋立免許の変更点について答弁いただきました。
 「桜島の土石流の捨て場がないから」と、土石流土砂を廃棄物として「廃棄物海面処分場」を作るという理由で始めながら、桜島がおとなしくなって、土石流が足らなくなり、県内各地から公共残土を持ってきて埋めることに変更されました。また、土石流土砂の搬入費用について、国の直轄事業だから、経費はかからないと言っていたものが、公共残土を運ぶ費用の負担も県の公共事業であれば県の負担が、市町村の公共事業であれば市町村の負担が新たに加わることになります。
 1工区と2工区の中仕切りも、作らない予定だったのが、シラスを埋めるので、水中で流動化するから、中仕切りの護岸をつくる。
 驚くばかりの変更です。
 今回の変更で、桜島の土石流土砂は半分以下、公共残土が半分以上になりました。 シラスの割合が増えたことによって、地震の際の液状化が起きると思います。これまでは、ほとんどが桜島の土石流土砂だから、液状化は起きないと言われていたのですから。
 堤防の高さも、ふ頭の岸壁は別としても、台風のたびごとに越水している与次郎ヶ浜の緑地帯や金属団地の堤防と比較して、0.5メートルから1.5メートルも低くなっています。
 危険きわまりない、そんなところを、災害時の対応のための空間とされ、避難民の受入れをされるといいます。災害に遭った人たちは、財産を失ったばかりでなく、精神的にも著しくダメージを受け、雨が降るたびに、風が吹く度に、また、同じような被害を受けるのではないかという不安にさいなまれるのです。それが、四方八方を海に面した、堤防も低い人工島で、安心して、仮設住宅などに住むことができるのでしょうか。
 知事は、先日の定例記者会見で、人工島は一番の散歩コースになるとも言われておりますが、地震時の安全性の心配をせずに散歩できるのでしょうか、それ以前に、財政が厳しいと言われる中、200億円もかけた散歩コースをどんな気持ちで県民は歩くのでしょうか。
 1工区だけでも搬入土砂が足らずにこれだけ遅れたのですから、2工区の埋立については、見通しがたたないと予想されます。言われるとおりに来年の9月に竣工したとしても、港に着いた観光船の横や、県民が散歩する横を、2工区埋立のための土砂を積んだダンプカーが県内各地から、1本しかない橋梁を通り、埋立工事が行われることになります。
 さらに、ここで、もう一つの問題点を指摘すると、これだけの重大な変更が、いとも簡単に行われているという現状です。公有水面埋立免許の変更の申請が、鹿児島県の代表者である県知事から、鹿児島港港湾管理者である県知事に出され、変更許可が、港湾管理者である県から、申請者である県へ、申請通りに出されているという点です。しかも、これらの変更手続きが、同じ港湾空港課で申請書類が作成され、同じ課で書類審査が行われ、同じ課で計画変更が許可されているのです。
 知事、人工島建設は、すすめれば進めるほど、矛盾が広がり、ムダづかいがふくらむ一方の代物です。
 一刻も早く中止し、その分の予算を障害者の支援にまわしていただきたい。そのことを強く要望し、次の質問に移ります。

3.障害者自立支援法について

 次は、充実させていただきたい福祉や暮らしの問題です。
 まず、障害者自立支援法について質問します。
 今年の4月から始まったこの法によって、新たな負担増に不安や戸惑いを募らせて当事者や家族、予想以上の低劣な報酬単価に頭を抱え込む施設関係者。今怒りの声が大きく上がっています。
 その原因の一つが、利用者の応益負担です。食事や排泄、移動などこうした生命維持に関わる支えすら「益」と捕らえるのが応益負担制度の考え方です。収入は生活保護基準よりも低く、収入は増えないままで負担だけが大幅に増えるのです。
 たとえば、障害者手帳1級の脳性小児麻痺の28歳の女性のAさんは、通所授産施設を利用していますが、障害者自立支援法が始まるまでは、利用料、食費の負担はありませんでした。それが、1割の利用者負担と食費の負担が生じ、法人減免を受けても、月に1万円を超える負担になりました。その他に日常生活用具の車イスを使用されていますが、10月から購入する場合は手動車椅子なら2万円程度、電動なら4〜5万円も負担が生じることになります。
 また、これまで、ある施設では、昼食時には、利用者もスタッフも同じ給食を食べていました。ところが法の施行により、光熱水費も含めての実費負担となったため、昼食時の様子が様変わりし、自宅から弁当を持ってくる人、毎日カップラーメンですませる人が増えました。弁当を作るのは、家族であったり、一人暮らしの人はヘルパーさんです。ヘルパーさんの仕事がその分取られることになってしまいました。また、これまでは、給食で皆が同じモノを食べるから好き嫌いを言わずに何とか食べていたが、弁当となると、偏食になる、と家族も心配しています。
 また、障害児の療育の分野でも、深刻な状況が生じています。障害児にとっては、早期発見、早期療育が欠かせず、どれだけ早期にどれだけ多くの発達保障の手だてが取られたかで、将来の障害の程度が左右されるというものです。しかし、親にとっては、自分の子が障害をもっていると受け止めること自体が困難で、大きな不安やとまどいの中で療育が開始されるのがほとんどです。それが、その児童デイサービスまでも1割負担で標準施設なら1日508円となり、通えば通うほど負担がふえるのでは、障害児を育てている若い世代にとっては、療育の回数を減らすことにもなりかねません。今、県内では、児童デイサービスの無料化を求める署名が取り組まれています。
 大分県では、児童デイサービスの利用料を、県と市町村で2分の1ずつ負担して、未就学児を1日100円に、就学児を1日200円に押さえる「児童デイサービス利用促進事業」を立ち上げました。本県の大口市では、菱刈町、湧水町も含め、利用料の分を1市2町で全額補助して、無料で療育をうけることができるようになっています。
 他にも、東京都や京都府で、独自の負担軽減策がとられています。先ほど紹介した、大分県では、児童デイサービスの他に、「就労継続サポート事業」として、通所授産施設利用者に1日350円の支援金を支給、また、「小規模通所支援事業」として小規模作業所へ、国が廃止した補助金相当分を補助するなどの支援策を講じ、関係者から歓迎されています。
 知事、ここに、障害者の家族からのメッセージがありますので紹介します。
20歳の知的障害者の母親からです。「息子は『ぼくは毎日お仕事に行っています。』と誇らしげに知人に伝えています。工賃の何倍もの利用負担金を支払っている現実を知りません。」また別の母親は「生んだ我が子が、社会の負担にならないよう頑張っても頑張っても、体力、気力、全力尽きる時が来ます。その時には、(つれていこう)といつも考えています。」このような切ない思いをよせています。
 我が国の憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」そして第2項には「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と明記しています。
 生きていくために最低限受ける支援すら「益」として利用料を徴収する。自立のために福祉工場や作業所で懸命に働く、それにも利用料を求める、このような「障害者自立支援法」を憲法25条に照らして、どうお思いでしょうか。また、先ほど紹介した悲痛な声をどのように感じておられるでしょうか、お答えください。
 このような矛盾が広がり、障害者や施設を苦しめる「障害者自立支援法」について、応益負担を撤回と、法制度の抜本的見直しを国にせまるべきであると考えます。大阪府では、実態を調査した上で、10月以降の新体系の試算も行い、厚生労働大臣にたいして、「障害福祉サービスの制度推進に関する緊急要望」をこの7月、提出しています。本県としても、県内の障害者や障害者施設を守る立場で、国に対して、モノをいうべきであると考えますが、いかがですか。
 また、本県としても、利用者の負担軽減策や施設への助成など、何らかの支援策を講じるべきと考えますが、知事のお気持ちをお聞かせください。

【再質問】
 知事に、再質問、いたします。
 障害者自立支援法について、知事は先ほど答弁の中で、「安定的、持続可能な制度で、制度についての周知徹底をはかっていきたい。」と言われました。
 制度が持続可能であっても、制度からはずされる人がうまれるのです。
 負担限度額や、負担軽減策がつくられているといわれましたが、3月までは、負担がゼロだったのが、収入は増えていないのに、負担が増えた人がいるのは、事実なんです。それでも、この法を支持されるのですか。国に対して、モノを言うおつもりはないのか、再答弁願います。

【2回目】
 知事は、障害者自立支援法の国会での成立過程のお話をされましたが、通常法律が成立するときは、与党からの大きな拍手が起きるんです。しかし、この障害者自立支援法の成立の時には、全く拍手が起きませんでした。しーんと静まり帰っていたのです。国会議員も、この法律がどんなに問題点を抱えているか、国会の審議の中で、よくわかっていることの表れではないでしょうか。
 私は、今回、障害者のご家族の声を紹介しましたが、ぜひ、県で独自の負担軽減策を講じていただきたい。強く要望いたします。

4.「認定子ども園」について

次に「認定子ども園」の制度についておたずねします。
 この10月1日から「認定子ども園」制度が施行されます。県で制定される条例案の内容に係わって、いくつかおたずねいたします。
 我が国は、こどもの権利条約の批准国として、あらゆる行政機関等は、子どもに関するすべての施策において「子どもの最善の利益」を尊重することが義務づけられています。
 今年の3月にまとめられた「総合施設モデル事業の評価について(最終まとめ)」の「総論」の中でも「『こどもの最善の利益』を第1に考え、次代を担う子どもが人間として心豊かにたくましく生きる力を身につけるための施設であるべきである。」と述べています。
 よって、県が制定する「認定子ども園」に関する条例の基本理念として、「子どもの最善の利益を尊重する」子どもの権利条約の原則を明記するとともに、その立場にたった条例案であるべきだと考えますが、いかがですか。お考えをお聞かせください。
 また、この「認定子ども園」制度で、関係者の間で心配されているのか、施設や職員の配置の基準です。
 例えば、職員資格について、「国の指針」では、幼稚園教諭の資格がなくても、学級担任ができ、保育士資格がなくても、長時間保育を担当できるなどとなっていますし、職員配置も、短時間利用については、従来の保育所の基準よりも1人の職員でより多くの児童をみる基準が示されています。
 施設についても、調理室や屋外遊技場について、必置となっていません。給食調理員や栄養士は、原材料や調味料の選択や調理方法など子どもたちの体質に合わせて非常にきめ細かく、アレルゲンとなる食物除去や対応を行っていますが、給食の外部搬入を認めてしまえば、そうしたきめ細かな対応が制限されることになります。また、一昨日、埼玉県の保育園児が、近隣の公園に行く途中に事故に遭うという痛ましい事件がありましたが、就学前の子どもたちの施設にはそうした心配をすることなく遊べる場所を保障すべきです。
 「認定子ども園」に関する権限と事務は、都道府県の自治事務とされ、都道府県に責任と負担をおわされています。
したがって、直接保育の質に影響を与える施設や職員の配置の基準について県が責任をもって、憲法と子どもの権利条約、教育基本法、児童福祉法の立場にたった基準を設定することが大切であり、「子どもの最善の利益」を第1に考える立場での独自の基準の設定も可能です。条例制定にあたっての施設や職員の基準についての県の基本的な考え方をお示しください。
 また、「認定子ども園」は、従来の幼稚園および保育所の機能だけでなく、子育て支援機能を備えることが必須条件とされています。幼稚園については、これまでも営利法人による設置運営を認めてきませんでしたが、2000年度以降保育事業に参入した営利法人が経営上の理由によって撤退する例が後をたちません。事業の継続性、安全性を確保する上で、営利法人の参入を認めることは望ましくなく、まして、子育て支援事業に営利を求めることは、その機能そのものを誤った方向に導くことになります。したがって、「認定子ども園」の設置運営主体は、市町村及び社会福祉法人、学校法人等に限定し、営利法人による設置運営を認めるべきではないと考えますが、県のお考えをお聞かせください。

5.30人学級の学年拡大と複式学級への教員加配について

次に、教育の条件整備、特に、教職員の配置についての質問です。
 わが党は、どの子にもゆきとどいた教育をめざして、全ての学年での30人学級をめざして、全国で、教職員、保護者と共に、運動をすすめており、本県低学年で、30人学級が実施されていることについては、歓迎するものであります。
 知事は、低学年での30人学級の実施について、「義務教育の入門期であり、基本的な生活習慣や学習習慣の定着をはかるため、きめ細やかな指導の充実が必要」であるとされています。
 私は、小学校の教員の経験がありますが、中学年になれば、「きめ細やかな指導」が必要でなくなるのかというと、そうではなく、中学年は「ギャングエイジ」とも言われ、自我が芽生えてきて、友達とぶつかることも多くなる時期です。高学年は、思春期の入り口であり、精神的にも大変揺れる時期であります。
 30人学級の効果としては、先駆け的な山形県の「さんさんプラン」でも、「教育効果が上がった」「友達が増えた」「不登校児が減った」などの様々な成果が報告されています。
 本県では、国の加配を一部利用しての30人学級の実施が行われていますが、まだまだ、工夫の余地があるのではないでしょうか。国が認めている加配は、今年度、指導方法工夫改善に635人、児童生徒支援99人、研究指定に43人などが配置されています。新たな財政的負担が生じない形で、30人学級を他の学年まで拡大することは可能であると考えます。ぜひ、今後学年の拡大を図っていただきたい。いかがでしょうか。
 また、本県は、離島や過疎地を多く有し、複式学級が小中学校合わせて、566学級と多数ありますが、川辺町や南大隅町などでは、独自に教職員を配置し、複式学級でも、ひとりひとりに行き届いた授業を目指しての取り組みが行われているところであります。 川辺町では、平成14年度から取り組んでおり、複式学級をもつ4つの小学校に、3名の補助教員を配置しています。たとえば、理科の授業で2学年の実験準備は大変だということから、補助教員が入り、学年毎での授業をしています。また、国語や算数の授業の時に、補助教員が入って、学年毎の授業を行うなど、工夫をした取組がなされています。南大隅町でも、複式学級がある9つの小学校に3名の補助教員が配置されており、どちらの町でも、「2つの学年をわたる時間を考えると子どもたちに十分な時間をかけられる」と歓迎されています。どちらの町も財政の厳しい中で、精一杯の努力をしているのです。
 本県でも、変則複式については国の基準より緩和した形で、複式学級の設置がなされていますが、の基準を緩和した学級の設置で、複式学級の解消をめざしたり、複式学級でも、授業によっては単学年での授業が可能になる形の教職員の配置を検討していただきたい。僻地に育っていても、離島に育っていても、行き届いた教育が受けられる手だてを講じていだきたい。いかがでしょう。

6.米ノ津川の災害対策について

次に、米ノ津川の災害で生じた問題について質問します。
 これまで米ノ津川およびその周辺の公共工事について、広瀬川内水面漁協との関連で様々な問題が起きていることが本県議会でも、同僚議員から2度にわたって取り上げられてきました。不当な要求や圧力に屈服し、公正であるべき行政がゆがめられるようなことは絶対にあってはならないことであります。
 今回の豪雨で、米ノ津川の沖田大井手の頭首工のゲートの上に土砂や石などが堆積しているが24日に判明し、出水平野土地改良区は25日に県耕地事務所、出水市農林水産課に土砂や石等の除去を依頼しました。しかし、結局土砂の除去が行われたのは31日になってからで、この間ゲートが上げられずに、田圃に水が入れられないため、米が大ピンチにさらされたわけであります。
 なぜすぐに土砂の撤去がおこなわれなかったのか、私は、直接耕地事務所に出向き、事情をききました。その中で明らかになったのは、土木事務所の許可が出ていたにもかかわらず「関係者の理解」すなわち内水面漁協の同意が得られないことを理由に撤去が遅れたということです。しかも、同僚議員の訴えもあって、28日には知事から「応急工事」の指示が出て、本庁の関係課からそれが耕地事務所に伝えられていたにもかかわらす、そのことを土地改良区に知らせず、土地改良区では責任をとった形で理事長、副理事長が辞任に追い込まれるという事態までおきたのでした。
 なぜ、知事の指示に従わなかったのか。耕地事務所長は、「もし今度のことで漁協の同意を得ないままに土砂を撤去するならば、内水面漁協の組合長の機嫌を損ね、来年3月に予定されている水利権更新がうまくいかなくなることを恐れた」ということを認めています。
 この内水面漁協の組合長は、これまで同僚議員の質問でも触れられていたように、自分の意に添わない者には、大声で怒鳴る、机を叩く、暴言を吐く、という恫喝まがいのことを、日頃から行っており、最近でも、別件でそのような行為を受けた出水市職員が退職をしたという問題が、出水市の9月議会でも取り上げられております。
 しかしながら、たとえ、どのような相手であったとしても、行政が、このような圧力に屈し、今回のように、行政としてなすべき事がなされないということは絶対にあってはならないことであると思います。 
 そもそも、水利権の問題については、河川法にもとづいて河川管理者がその是非を判断できるようになっています。また、河川工事と漁業権との関係について、法的には、何の定めもありません。もっとも『行政実例』では「漁業権を侵害するおそれのある工事等を行うに当たっては」「あらかじめ、漁業権者の同意を得なければならない」と示されているのも事実でありますが、1950年、当時の水産庁経済課が発行した「漁業制度の改革」には、「たとえば、漁場水面の低質をなす土砂等の採取、水質の汚濁、漁場への魚類が来遊する妨害となるような工作物の設定、水路掘削などはある程度漁業に影響をおよぼすがそれだけをもってただちに漁業権侵害を主張すべきではなく、やむを得ざるものはある程度容認するのか至当である」と述べられています。
 まして、今回の土砂や石などの除去は、到底漁業権の侵害にあたるとは思えない工事であり、早期に災害復旧する必要性からも、即時「同意」がなされるか、仮に「同意」がなかったとしても、河川管理者の責任で、応急工事が可能であったはずです。
 行政が不当な圧力に屈することなく公正な姿勢を貫くことが何より求められていると考えますが、知事の見解をお聞かせください。
 広瀬川内水面漁協は、これまでも協力金という名目で、建設業者などに金を要求し、今や一般家庭の浄化槽の設置工事にまで協力金を取っているそうです。昨年度の決算ではこの協力金が359万円にものぼり、漁協収入の2割を超えている状況です。
 おたずねします。他の内水面漁協でも同様の協力金を課しているところがあるのですか。また、このような協力金を業者に請求する法的な根拠を示してください。
 また、この協力金の存在については、指導・監査を行う県として知らないはずはありません。知っていて何も指導していないとすれば黙認してきたということであります。今後、米ノ津川の河川改修の工事が実施されると思いますが、工事の施工業者に対してこのような協力金の請求などの押しつけがないよう、県として厳しく指導すべきではないかと考えますが、いかがですか。

7.被災者支援について

 次に、被災者の支援についておたずねします。 
 今回の県北部豪雨災害では、3市3町で災害救助法が適用され、生活再建支援法は、今回の災害での県下すべての市町村に適用されました。
 被災者の支援において、その鍵を握るのが、被災住宅の認定です。国においてその認定基準を設けていますが、浸水による被害では、被害の実態にそぐわないため、新潟や福井の豪雨災害以来続いている一連の豪雨、台風等の災害による家屋の浸水被害の状況等をふまえ200410月に、内閣府から「浸水等による住宅被害の認定について」という通知が出されました。それには、「特に床上浸水等の被害に係わる被害認定」の留意点が「被災者生活支援法」の積極的な活用のためということで細かく述べられているのでした。
 私は、災害直後の724日に内閣府に出向き、今回の災害について、7月上旬の垂水市などの大隅半島の自治体での被害も含めた激甚指定を求めるとともに、今回の被害が、浸水による被害であることから、被災住宅の認定にあったってはこの内閣府の通知を生かした、弾力的な運用が可能になるような手立てを求めました。その際、内閣府は、現地での被災住宅認定についての講習会を行うことを約束し、実際に、728日、さつま町において、その講習会が行われ、3市3町から、担当者が参加しました。
 その後、被災住宅の認定が大きく前進し、たとえばさつま町においては、当初全壊15戸、半壊1戸であったものが、8月7日には、全壊214戸、半壊367戸となり、被災者生活支援法や災害救助法の応急修理の対象者が大きく増えたのでした。
 しかしながら、この時点でも、認定の前進がなかったのが、出水市と湧水町でした。従来の認定基準に基づく認定作業しか行われておらず、床上浸水以上の住宅に占める全・半壊の割合は、さつま町が81%、薩摩川内市が77%であるのに比べ、出水市も湧水町もわずか1%でした。わが党は出水市長に直接、内閣府の「通知」を示し、「弾力的な認定」を求めるとともに、8月17日の参議院災害対策特別委員会の現地視察の折、わが党の仁比そうへい参議院議員が出水市や湧水町で認定が進まない状況についても指摘を行いました。その結果、8月19日から、出水市において、認定のやり直しが行われ、8月25日にはそれまでの全壊1戸、半壊2戸から全壊3戸、半壊358戸へと前進したのでした。
 このような経過から、自治体によって違いが大きく生じていることが分かります。それぞれの自治体で、被災者生活支援法の適用自体が初めての経験で、この被災住宅認定の「弾力的運用」についてとまどいが生じるのも仕方のないことかと思います。それだけに、県の果たすべき役割は大きいといえるのではないでしょうか。
 そこで、おたずねします。今回の被災住宅の認定にあたって、内閣府の通知を徹底させるために、もっと積極的な取組を行うべきであると考えますがいかがでしょうか。 
 もう一つは、災害救助法についてであります。特にその中でも、被災住宅の応急修理は、大変面倒な手続きが必要で、災害現場の実態にそぐわないものになっています。
 県の「被災住宅応急修理実施要領」によると、まず、市町村が修理業者の指定を行い、被災者は市町村窓口に応急修理の申し込みを行う。被災者または指定業者は見積書を市町村に提出し、市町村長はその内容を確認し指定業者に応急修理依頼書を交付する。工事完了後は、工事完了報告書にもとづき市町村が審査を行い、審査結果通知書を交付し、指定業者は、費用の請求を市町村に行い、市町村長が費用を支払うというしくみです。
 被害が甚大な場合として、若干の簡素化はありますが、とうてい実情に合うものではありません。
 被災者は早く修理して、自宅に帰りたい。市町村は、ゴミの処理などに手がとられて、応急修理の制度について、住民に説明する間もない。そういう中で、被災者が自分で業者に修理を発注したり、応急修理の制度を知らされず仮設住宅に入ったりして、応急修理の対象者からはずされるという事態が生じました。また、応急修理の対象物についても被災者に十分に知らされておらず、混乱を招きました。
 ほどの、被災住宅の認定と同様に、様々な制度について被災者に知らせていくためには、まずは直接支援にあたる市町村の制度への理解が不可欠です。そして、被災者へ知らせるための案内の文書を作るなど、県は、人的な支援、物的な支援をもっと強めるべきではないでしょうか。そして、今回の災害を教訓に、県の被災住宅応急修理の実施要領も見直し、手続きをもっと簡素化すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

8.企業立地と雇用問題について

 次に、企業立地促進と雇用問題についてであります。知事は、今年度「3つの挑戦」として、「産業おこしへの挑戦」ということで、産業立地課を設置し、企業誘致アドバイザーや企業誘致専門員、企業誘致サポーターを設置しています。
 昭和60年以来、企業立地促進補助金が交付され、県内にさまざまな企業が立地し、新規雇用の確保に貢献してきたのも事実です。企業立地の補助金の要件にある「新規雇用者」というのは、「4ヶ月以上の常用雇用者」という規定しかありません。それが、正規の雇用であるのか、非正規であるのか、4ヶ月を過ぎれば解雇しても、補助金の交付に影響はないということになります。新規雇用者の確保という目的で、多額の税金を投入しておこなわれる事業であれば、雇用の中身についても、正規雇用を位置づけるべきではないでしょうか。改善を求めます。見解をお聞かせください。

【2回目】
 企業立地について、今議会の補正予算には、鹿児島臨空団地企業立地促進補助事業として、土地購入費3600余万円の補助が計上されています。県内には他に分譲可能な工業団地が余っているにもかかわらず、莫大な事業費をかけて、工業団地を造成し、それが売れないがために、かさむ利子分を分譲価格の値上げを押さえるためと言う理由で県民の税金から4700万円を穴埋めし、今度は、売るために、土地購入費を3割もまけてやる。今回は、新規雇用の条件も全くない補助です。新しい産業おこしも必要ですが、今ある中小零細企業で、必至に経営を頑張っている企業への、今ある雇用を守るための財政的支援が必要ではないでしょうか。

9.成果主義賃金の問題点について

次に、成果主義賃金についてその問題点を指摘し、質問します。
 本県では、「勤務成績評定要綱」を定め、勤務を評定し、それが昇給や勤勉手当の支給に反映されることになっています。現時点では、一部「運用されていない」という形になっているところですが、私は、この勤務評定を賃金に反映させる成果主義賃金に反対する立場で質問を行います。
 「勤務成績評定要綱」には、その目的として「職員の勤務の実績を正しく評価することによって、適切な処遇を行い、士気の高揚を図るとともに、職員1人ひとりが高い能力と資質を備え、正しい価値判断のもとに創造性を発揮し、それが県全体として最も高い効率を上げ得るようにするため」と述べられています。
 ところで、経済産業省が調査を委託していた「人材マネジメントに関する研究会」が1年かけて検討した報告書をまとめました。
 報告書は「現在の成果主義は導入の契機がコスト削減にあった」とし、人件費の抑制では「効果を上げた」ものの、社員のモラルアップや業績向上に関しては「思うような効果は上がっていない」と厳しい評価をくだしています。「チーム内のメンバーでさえもライバルと見なして仕事」をしなければならず、「個人間の競争意識は高まるものの、意欲がたかまらない」と指摘。管理職同士も「個人間競争」に追われ、「優秀な部下の疲弊、他の多くの部下に対する育成面での軽視」につながっている、「社員個々人がストレッチ(ワンランク上の仕事への挑戦等)を避けようとする事態」、と分析しました。
 このように、企業の利益を追求する立場の「研究会」でさえ、成果主義賃金の欠陥を指摘せざるを得ないのです。
 まして、本県の職員は公務労働者であり、成果主義賃金の導入は、労働者自身の状態悪化に加え、公共性をもった仕事自身がなりたたなくなってしまいます。たとえば神奈川では、「保育所の民営化や福祉の切り捨てなど、市民生活に直結する分野のリストラを推進すればするほど高い評価になる仕掛けになっている」といいます。また、本県でも、県民のからの相談や問い合わせに答える業務では、直接の担当者がいなくても、協働して、住民の話を聞き、対処するということが行われていると聞きます。これは、職場にチームワークが存在し、住民本位の立場にたった姿勢があってこそ可能であります。成果主義賃金が適用され、先に述べたような弊害が生じれば、その悪影響は住民にも及ぶことになります。住民の福祉の向上のために働くべき職員が、上司からのいい評価を得るために仕事をすることになってしまいます。
 そこでおたずねします。この経済産業省の研究会の報告書に照らし合わせると本県の「勤務成績評定要綱」の目的がことごとく否定されておりますが、どのような感想をおもちですか。また、県職員は公務労働者ゆえに、このような成果主義賃金の弊害が住民にも悪影響を及ぼすことが予想されますが、そのことについて、どう思われますか。お答えください。

10.国の農業経営安定対策と本県の農業の実態について

 農水省が発表した集落営農実態調査によると品目横断的対策への加入予定は3割にも満たず、6割が未定という状況です。
 本県の加入状況は、先日の代表質問で、認定農業者で200戸、集落営農で14という数字をしめされましたが、これは、本県の対象農家全体でみると農家戸数と耕地面積でいうと何%になるものか、お示しください。
 国が示した要件には、あてはまらない農家が多いと言うのが、本県の実情ではないでしょうか。県は担い手への農地の集積や集落営農への取組などを行われているようですが、そもそも集落営農と言っても、農家からの要望で進められているのではなく、国の制度にあわせるために進められており、経営の一元化や法人化、中心となるリーダーの問題など、様々なハードルがあり、同じ地域で、国の制度に乗るところ、乗らない所が出てくるなど、地域の分断にもつながります。国の経営安定対策では、本県農家にとっては、希望が見えません。
 国の制度に合わせて、農家規模で差別し、地域を分断するのではなく、本県の農業・農村・農家の実情に合わせた施策を講じるべきであります。それが、知事がマニフェストに掲げられた農業生産高2割増にもつながっていくと考えますが、県としてのお考えをお聞かせください。

11.おわりに

 以上、私は、人工島など浪費型の公共事業をやめて、県民の暮らしや福祉、産業を守れという立場での質問を行いました。
 国の政治が、アメリカや財界のいいなりに、軍事費を増やし、規制緩和で外資系企業の参入や公的な分野への民間企業の参入を許す、そして、大企業には減税の大判振る舞いで、国民へは庶民増税と福祉切り捨てを押しつける。そのような状態だからこそ、国のいうままに施策をすすめるのではなく、県が、県民を守る防波堤の役割を果たし、国に対してもしっかりとモノを言い、福祉でも教育でも、農林漁業でも、県独自の施策が求められているのです。
 ぜひ、知事が、障害者や農民や零細中小業者や災害の被災者などの痛みに心を寄せ、その支援のために力をつくされることを強く要望し、私の質問を終わります。