2005年9月議会

2005/09/22(木)
一般質問(要旨)

先の総選挙は、自民党・公明党が327の議席を獲得しました。

自民党、公明党の得票率は、比例代表で合わせて51%、小選挙区では合わせて49%、国民の半分の支持しか得られていないにもかかわらず、議席の3分の2を占めることになり、1つの選挙区で一人しか当選しない小選挙区制が、民意を切り捨てるものである実態を浮き彫りにしました。

  小泉首相は、「郵政民営化に、国民が答えを出した」と豪語していますが、自民党と公明党と合わせた得票率はやっと5割程度。郵政民営化についての世論は2分されたままです。 

  しかも、小泉首相は選挙中、郵政をめぐって「公務員が減り税金が節約できる」「民営化すれば税収が増える」という嘘とごまかしに終始し、消費税・所得税などの庶民大増税、憲法9条の改定の問題などを隠し続ける態度をとりました。


  改めて、わが党は、郵政民営化に真っ向から反対を貫き、庶民大増税、憲法改悪を許さず、国民のくらし・平和の守り手として「野党としての公約」を実行するために全力をつくすことを表明し、質問にうつります。

○知事の政治姿勢について

 日米両政府は、同盟国の役割の拡大や世界中のどこの戦闘地域にも移動できる軍事力など「地球規模での軍事態勢の見直し」のための、米軍再編と在日米軍問題の日米協議をすすめています。

 その具体化として、小泉内閣は、普天間基地のヘリ部隊全56機を嘉手納基地に、空中給油機全12機を山口県岩国基地に、そして、嘉手納基地の米海軍P3C哨戒機約10機を鹿屋へという分散移転案を軸に、アメリカ側と調整するとされています。

 今、この米軍再編・強化の動きに対して、全国各地で、関係自治体は反対の意志を表明しており、本県の鹿屋市をはじめとする大隅半島の全ての市町もそうですが、神奈川県の松沢知事も「米陸軍司令部の移転案は基地の強化につながるので認められない」。山口県の二井知事は「岩国の機能強化は受け入れられない」。静岡県の鈴木副知事も「米軍移転は受け入れられない」などと、政府と意見交換しています。

 全国知事会でも、「米軍基地の総点検を行い、関係地方公共団体の意向を尊重の上、積極的に整理・縮小、早期返還を促進するとともに、米軍基地機能等の変更については関係地方公共団体と事前に十分協議すること」を昨年7月に要望しています。

 宜野湾市の伊波洋一(いは・よういち)市長は、「市町村が反基地運動の先頭に立たなければならない理由は、米軍基地が住民の人権を大きく侵害することが、我が国政府のもとで許されているからです。」「沖縄もそうですが、厚木基地のNLP(夜間離発着訓練)が住民に大きな被害を与えても、国として何の対処もしないというのは他の国々ではあり得ない、極めて異例なことなのではないでしょうか。」こう述べています。

 このようなさなか、今度は、航空自衛隊下甑島分屯基地に、弾道ミサイル追尾用の新型の警戒管制レーダーが配備されるという計画が防衛庁より、発表されました。

 「ミサイル防衛システム」は、相手のミサイル攻撃を無力化する態勢をつくることで、アメリカの核戦略の優位を絶対的なものとし、報復の心配がなく先制攻撃を可能にしようとする危険きわまりないブッシュ政権の地球規模での支配計画であり、中国、ロシア、ヨーロッパ諸国など大多数の国々は、強く反対しています。

 日本が「ミサイル防衛」に参加することは、地球規模の米核戦略に日本を組み込む事態をまねくと共に、米軍の通信・指揮・情報との一元化はもとより、「わが国の防衛」とは無縁の米本土、グアム、ハワイなどへ向かうミサイルへの共同対処など、憲法を蹂躙した「集団的自衛権の行使」につながることになります。

 喜界島の「象のオリ」の建設に加え、鹿屋市内への米海軍P3C哨戒機の移転、そして、甑島への弾道ミサイル追尾用レーダーの配備など、米軍の世界戦略の枠組みの中に、まさしく、この鹿児島が組み込まれようとしているのです。

  しかしながら、伊藤知事のこれまでの発言は、「レーダーの配置も防衛庁の判断だ」、また昨日の代表質問の答弁でも、「非公式に情報収集はしているが、公式にはなにもないので国の動向を見守る」といった、国まかせで、何もしない、何も言わないという態度ではありませんか。知事として、県民の命と財産を預かる立場で、先に紹介した知事が反対の意志を表明しているように、どうして、反対だと言えないのでしょうか。他のことでは、地方も国に対してものを言うべきだと言われている知事です。県民の命と安全に直接関わるこのようなことこそ、国に対して、機敏に、しっかりとものを言うべきではないでしょうか。いかがですか。

○人工島建設について

現在、1工区の埋め立てが始まり、2工区の在り方にも、結論が出されようとしている現状にあって、ここで改めて、人工島建設の矛盾や問題点を指摘し、知事の姿勢を問い、即刻中止をもとめるものであります。

  知事は、1工区については、すでに着手済みとして、何の議論もなく、進められておりますが、19年度の供用開始にあたって、まだまだ、整備が必要な事業があるはずです。供用開始にあたっての残事業の内容と事業費が後いくら必要かお答えください。

  人工島建設の事業費は、これまで総額180億円、うち、県の負担が113億円、内起債によるものが107億6000万円、実に95.2%が借金によるものです。

  これまで、須賀前知事は、人工島建設中止を求める私の質問に対して、「21世紀の県勢の浮揚発展に必要不可欠」として、71億円の経済効果をあげられておりました。私は、この71億円という数字についても分析し、根拠のない数字であることを指摘してきましたが、異常なまでの、須賀前知事の熱意でした。

  ここにきて、伊藤知事のマニフェストにそって設置された「在り方検討委員会」での中間報告で示された3つの案は、この71億円という経済効果を上げると言われた上物とは、全く違った内容であります。

  これまで、後に交付税措置される有利な起債と言い続け、起債に頼りながら、人工島建設を推進してきましたが、三位一体改革で、交付税そのものが、不透明な現状の中で、借金は生みだしても、経済効果は生みださないこの人工島「マリンポートかごしま」であります。職員の人件費まで削減し、県民にも「非常事態宣言」を出し、あらゆる歳出の見直しと、歳入の確保に努力されている知事として、起債に頼りながら人工島建設をすすめている現状を、本県の財政状況と照らし合わせてどのように認識し、知事としてどのような必要性を感じておられるのでしょうか、お答えください。

  次に、具体的に人工島建設の問題点について、いくつかの角度でおたずねいたします。

  まず、第1点は人工島の埋め立て計画と埋め立て土砂の量との整合性についてであります。

  現在、人工島は、1工区について、桜島の土石流土砂の搬入が行われており、18年12月竣工、19年度の供用開始の予定とされています。1工区分の埋め立てには170万m3の土砂が必要だとされています。

  当初の計画では、桜島の土石流土砂は、野尻川右岸の仮置き場にある約80万m3と年間30万m3出る予定の土石流土砂、そして野尻川河口に堆積している海中分も浚渫して、埋め立てに使うとされていますが、最近3年間の堆砂量は平均年間4万4000m3で、予定の年間30万m3にはほど遠い量です。


  また、2工区の埋め立てには、更に280万m3の土砂が必要とされており、西之谷ダムの建設残土60万m3や一般の建設残土30万m3も投入するという計画ですが、西之谷ダムは、ようやく用地買収の見通しがたったところで、工事の開始にあったっての付け替え道路の建設にこれから2年から3年かかり、その後、ダム本体の工事にかかり、土砂が搬出できるのは、さらに2〜3年後と思われます。20年から21年に西之谷ダムの土砂を投入するという予定には、とても間に合いません。


   私は毎回、「在り方検討委員会」を傍聴してきましたが、「第3回検討委員会」で、委員の方からの「流出土砂が年8000m3しかなくて、埋め立てられるのだろうか」という質問に対して、港湾課長は、「埋め立て申請をした当時の過去の実績では、毎年30万m3くらいを想定している」。さらに学者の先生がたの「現状では桜島の活動自身は非常に弱まっているが、停滞期であって、いつ火山活動が起こるかわからない」という話も紹介されておりました。現実とはほど遠い過去の数値と、桜島の活動次第という自然まかせ、なりゆき任せの状態で、この事業を責任をもって遂行できるというのでしょうか。

  西之谷ダムと一般建設残土を除いた残りの190万m3をここ3年間の平均で割ると43年もかかるということになってしまいます。

  仮に、直ちに桜島の大爆発があって、一気に過去の実績のような年平均30万m3の土砂が流出るとしても、それでも6年以上もかかるということになります。その間、先に埋めた1工区の土砂は、仕切もないままで、土砂の運搬用の110mの船通し区間はあいたまま。それこそ、台風などの災害が毎年数回起きる鹿児島で、錦江湾の環境汚染につながることが懸念されます。

  県は、「2工区を埋め立てない場合の課題」として、その1番目に、1工区の埋め立て地の波による浸食への対応が必要として、被覆石(ひふくいし)によるのり面保護に約15億円、外周護岸の背後の裏込工補強等に約11億円かかると示されました。

  1工区でやめたとしても、安全性に問題があって対策に費用がかかる。2工区まで埋め立てようとしても、土砂が足りなくて時間がかかりすぎ、その間の1工区の安全性が心配される、1工区1と2工区を同時にうめたてれば、ますます土砂が足らずに、1工区の供用の見通しがたたない。このように、土砂投入に関して、完工までの計画と実際との整合性はありません。このような状況をどのように認識されていますか、お答えください。

  これまで、「在り方検討委員会」では、大変熱心な検討がなされてきました。今回「中間報告」には「1期2工区の埋め立てについては、中止を求める意見が少数あったが、大多数の委員は進めるとの意見であった。」と書かれていますが、実は、「中間報告(素案)」には「進めるべきとの意見」という表現になっており、「『進めるべき』というのはおかしい。『進めざるをえない』という意見が多かった」と訂正してほしいという発言が出て書き換えられたものです。私は、この「中間報告」の表現はまだ不正確であり、人工島建設の是非について、県民への責任を重く感じながら熱心に検討いただいている委員のみなさんに対して、失礼であると思います。

  検討委員会での論議の中で、「進めざるをえない」という結論となった一つの大きな要因が「補助金の返還」の問題でしたので、2点目に、このことにも触れておきたいと思います。

  県は、「1期2工区を埋め立てない場合の課題」の一つとして補助金の返還をあげ、「補助金適正化法の義務違反が生じるおそれがあると国が判断するケースが一般的ではないかと考える。よって国からの補助金返還の要求が想定される。」と説明されました。

  「補助金適正化法」の第17条に、決定の取り消しについて、第18条に、決定が取り消された場合に補助金の返還を命ずることがのべられています。この決定の取り消しに当たるのは「補助金等の他の用途への使用」をした場合とされています。例えば道路建設に使うべき所を福祉関係に使ったなどという場合です。

  人工島建設の是非とは別に考えてみましても、人工島建設の目的のために補助金の申請を行い、国が補助採択し、人工島建設のために使用した補助金の返還が出てくるとすれば、現時点で、人工島の目的以外に補助金を使用しています、ということになるのではないかという問題点もでてきます。

  ましてや、2003年5月23日に国の港湾局長から出された通達には「港湾局所管補助事業においても、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づいた適正な手続きを経て実施された公共事業再評価の結果、事業主体である地方公共団体が補助事業を中断した場合には、補助金等適正化法上の義務違反がない限り、補助金等の返還を求めることがないこと。」と明記されています。これを見れば、県が、法に基づいてきちんと手続きさえすれば、補助金返還を要求されることはない、ということこそ想定されるのではないですか。私は、今年の7月に政府交渉を行った際、国土交通省の担当者に、この件についても確認いたしました。要は、やめる気がないから、その理由に補助金返還をあげているんだという指摘にどう答えられますか。

  何を根拠に、補助金返還が求められると想定されているのか明確に示してください。

  もう1点、人工島在り方検討委員会で、人工島の必要性として強調されたのが、防災拠点としての役割で、ヘリポート、避難場所、避難民受入施設、救援物資格納施設などの整備が盛り込まれています。

 そこで、危機管理局長にお尋ねします。今回台風14号のような災害時、また、地震災害の時、人工島―「マリンポートかごしま」が県民を災害から守る防災拠点となりうるでしょうか。単に、人工島が、暴風雨にさらされ、堤防の決壊や津波、浸水被害が起こらないか、地震による地盤の液状化がおきないかなどの被害を受けるか受けないかではなく、災害時に、県民の避難場所、救援物資の格納場所など、防災拠点としての役割を果たすことが可能と考えられるのか、明確にお答えください。

○台風14号問題について

 まず、台風被害で尊い5名の方の人命が失われました。心からお悔やみを申し上げます。また、住宅の被害を受けられたり、農林漁業の被害を受けられたみなさんにお見舞いを申し上げますとともに、被災者の救済や調査に当たられたり、復旧のために尽力いただいているみなさんのご苦労をねぎらいたいと思います。

  さて、自然現象と、災害とは別であります。自然現象が災害に結びつかない取り組みが求められています。

 今回、垂水市で、5名の方が命を落とされた原因の一つに、避難勧告の在り方に問題があったのではないかという点を指摘いたします。

  私は、党の議員団として、7日と8日の2日間、現地に調査に入りました。そして、5名の方がなくなられた3カ所の被災の現場に行き、ご近所の方たちに当時の暴風雨の状況や市からの避難の呼びかけなどについて伺いました。どの家庭にも防災無線が設置されており、当時どのような放送があったのか尋ねたところ、はっきりとした答えは返ってきませんでした。「何と言っていたかなあ。」「よく聞いていなかった。」「避難できる人は避難してくださいというような事だったかなあ。」という程度のもので、災害発生の危険な状況とはかけ離れた住民の認識でした。また、「避難しろと言われても、車もなくて、雨風の中、とても避難できなかった。」「市内全域に避難勧告が出されて、どこに逃げても同じだと思った。」という声もありました。いかに、行政の側の機敏、かつ的確な情報提供と、避難のための車両を出すなどの具体的な避難手段の提供が必要かということがわかります。

  災害が起こるたびに、「教訓を生かして」と言われますが、これを言葉だけに終わらせないためにも、県としての全市町村への働きかけが重要な役割を果たしていくと思われます。

 今回の災害を教訓とした、災害時の住民の避難の在り方について、県としてどのような課題を認識し、それに対してどのような対策を講じるべきとお考えでしょうか。

  避難の在り方の対策と共に、避難しなくてもすむ、安心・安全なまちづくりを進めることも求められています。

  本県には、災害危険箇所として、山地災害危険箇所が9662カ所、土石流危険渓流が2160カ所、急傾斜地崩壊危険箇所が2707カ所、地すべり危険箇所が85カ所あります。その内、対処されたのが、山地災害は57.7%、土石流危険渓流は25.7%、急傾斜地は32.9%、地すべり危険箇所は22.3%という状況です。例えば、急傾斜地崩壊危険箇所は、ここ3年間の平均で、1年に約20カ所ずつ対処がすんでいます。まだ未処置の箇所が1814カ所ありますから、全箇所終わるのは90年後、地すべり危険箇所は未対処は66カ所で、年間1箇所ずつしか済んでいませんから、これは66年かかることになります。これでは、何年たっても、県民は危険地域と隣り合わせの生活を余儀なくされてしまいます。県として、多くの危険箇所を認識していながら、対策が遅々としてすすまない、このような状況をどのように認識し、今後どう対処されるのかお示しください。

  次に、私は、ここでは、被災された方たちへの支援策ということで、特に、住宅の再建の課題を取り上げたいと思います。

 今回の台風では、住家被害は、13市、30町、2村に及びました。特に、垂水市の38棟の全壊、20棟の半壊をはじめとし、全県で、全壊が46棟、半壊が58棟、一部損壊が1875棟、床上浸水270棟、床下浸水1607棟といったように、本当に甚大な被害が生じました。被災者のみなさんにとって、住まいについての先の見通しをいかに早くもてるかが、被災から立ち直り、日常の生活を取り戻すための大きな鍵を握っています。

  今回の災害にあたっては、災害救助法、ならびに被災者生活再建支援法が適用されることになりました。

  1998年に成立した被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災の被災者が切実に実現を求め、多くの国民が支援をする中でできたもので、それまでの被災者支援が、災害救助など現物給付を原則としていたのに比べ、被災者に支援金を直接給付するという意味で、また個人補償に踏み込んだと言う意味で画期的なものでしたが、支給金額や所得や年齢など厳しい要件があると共に、肝心の被災した住宅本体の修繕や建築費用は支援対象外となっています。

  今回の本県の台風14号の被害でいうと、現行の被災者生活再建支援法は、全壊世帯が10世帯を超えた垂水市だけしか適用されず、それも全壊または、半壊しやむなく解体した世帯が対象で、さらに年収と、年齢の制限があり、果たしてどれだけの世帯が支給対象となるのかわかりません。また、対象となっても、使える経費というのは、仮住まいのための経費や住宅の解体・整地費、住宅建設・購入のための借入金等の利息など、住宅本体の再建には使えません。

  この間の新潟・福井豪雨災害をはじめ、相次いだ台風や集中豪雨、地震災害などでこの支援法への批判が続出し、その結果、鳥取県、福井県、新潟県、京都府、兵庫県、徳島県など9府県自治体による独自の支援策が取り組まれました。

  例えば、徳島県では、昨年の台風10号被害後の9月に、全壊家屋が10世帯に満たなくても住宅再建の支援ができる制度を独自に作りました。これは、当該市町村が「危険のため住めない」と判断した家屋までふくめて支援できる制度で、住宅本体の再建に使えるというものです。所得制限もなく、被災家屋が1戸であっても「全壊」「半壊」に該当すれば、「全壊」で最大225万円まで、「半壊」で112万5千円までを県と市町村が支援するというものです。新潟県では、国の制度に上乗せして支給額を増やしたり、やはり所得制限をなくしたりしています。

  徳島県や新潟県が特別裕福な県であって、このような支援ができているというわけではありません。県財政が大変な中でも、被災者の支援が急務である、特に住宅の再建が、被災者にとっても、被災地域の復興にとっても不可欠であるという認識のもとに取り組まれたものです。

  知事としての英断が求められています。従来の国の被災者への支援策に加えて、県独自に被災者の生活や住宅の再建のために施策を講じるべきだと考えますが、いかがですか。お答えください。

○アスベスト対策について

 県内には石綿暴露に係わる労災認定の事業所や待機汚染防止法に規定する特定粉塵発生施設はないということですが、アスベストが原因と考えられる中皮腫の潜伏期間は20年から30年とも言われています。県として、過去に存在した企業、事業所も含め、労働者の実態や環境被害などについて、調査が必要であると認識されているものについて、件数をお答えください。

  私は、先日出水市に行き、過去に出水市あった造船所で働いていたという数名の方にお話を伺いました。その造船所は、30年ほど前に倒産し、現在は、当時の倉庫らしきものと、船の進水用のレールが数本残っているだけです。

  その造船所では、倒産前の数年は、FRP(グラスファイバー)の船でしたが、それまでは、木船や鋼船の船を造り、アスベストを塗料に混ぜ、刷毛で塗る仕事をしていたそうです。FRPになってからも、木船や鋼船の修理を行い、アスベストが塗られた所を裁断するような仕事をしていたそうです。特に船の狭い船底に潜って、塗料を塗る仕事は大変で、マスクといっても、ガーゼの簡単なもので、においと、そこら中舞っているほこりで息苦しくてたまらなかった、と話されました。夫婦と母親と家族3人で、造船所で働いていたという夫人は、「これまで、ぜんそくだと言われ、救急車で何度か運ばれ、2回も入院をした。明け方になると息苦しくてたまらない」と痰がからんだ声で話し、救急車を呼ぶために119番と大きく書かれた電話の横の張り紙を指さしました。そのお母さんは、もっと長く25年ほど造船所で働いており、CT検査の結果、健康管理手帳をもらっていました。

  また、造船所のすぐ隣が実家で、自分も造船所で働いていたという女性は、「当時、実家の周りにはいつもキラキラとほこりが舞っていた。自身も、咳や痰がひどくぜんそくだということで、薬を飲み続けていた。実家の母親は、突然肺ガンだと言われ、1ヶ月でなくなってしまった。弟たちもぜんそくだ、自分も母のように、ガンで死ぬのではないかととても心配している。」と不安そうに話されました。

  この人たちは、今回の一連のアスベストのニュースを見て、自分たちと全く同じ症状だと気づき、アスベストのせいかもしれないと思って相談に来られたのでした。

  また、鹿児島市で、アスベスト肺ガンの疑いという診断を受けた76歳の男性は、「30年ほど前まで、ジーゼルエンジンにアスベストを巻き付ける仕事をしており、当時、だれもがマスクもせず、素手で作業を行い、作業服についた埃を手で払って、お茶を飲んでいた。作業服の洗濯は、職場で、作業服を洗濯する仕事の女性たちがやっていた。」と語ってくれました。

  本県内においては、アスベストの製造の工場や事業所はなくても、建築資材や断熱材として様々な職場で使われており、その作業に携わった多くの労働者が存在します。先に紹介したように、その周辺などの環境による健康被害も当然考えられます。実際にたくさんの相談が、県にも寄せられているではありませんか。

  県として、相談窓口を開いているという受け身的な対応ではなく、アスベスト被害のあらゆる可能性を探って、過去の事も含めて、被害のおそれのある職種の労働者やその職場の近隣の住民の健康被害の実態の調査をすべきであります。いかがですか。

○人工島問題について再質問

 自席から、土木部長と危機管理局長に再答弁を求めます。

 私は、埋め立て土砂について、計画と実際との整合性がないことを指摘し、どうであるのかお尋ねしました。しかし、土木部長は、これについて、答えられませんでした。ということは、整合性がないということを認められたということでしょうか。

 危機管理局長には、人工島が災害時の防災拠点になりうるか、危機管理局長のお考えをおたずねしました。「在り方検討委員会」の考えを聞いたのではありません。

 再答弁をもとめます。

○答弁を受けて

自民党が示した「新憲法案」には、「自衛軍」が明記され、海外での武力行使も認める内容になっています。

  日本の平和と安全のためには、日米軍事同盟を強化し、有事に備えたミサイル防衛システムを強化することではなく、有事とならないための外交と、憲法9条を守る姿勢を示すことこそ求められています。

  県民の安全を脅かす事態に対して、県民の命と財産を守る立場で、知事として国に対しても、毅然と反対の意志を表明されることを強く要望します。

  人工島建設については、述べてきたように、71億円の経済効果を理由に起債に頼りながら強引にすすめてきました。知事の答弁からは、必要性は感じられません。人工島建設は、埋め立て土砂の不足からしても、必要性からしても、安全性からしても、進めればすすめるほど矛盾が大きくなるばかりです。一刻も早い中止こそ、多くの県民の望んでいる道であります。

  知事の意志として、即刻中止されることを強く要望します。

  台風被害対策も、アスベスト被害対策も、住民の命に関わる重大な課題です。

  アスベストに関しては、危険性を認識しながら、企業の利益を優先し、放置してきた国の責任は重大であります。国としての責任を求めるにしても、まずは、被害者の実態の把握が必要であります。

  そのためには、県として、あらゆるアスベスト被害の可能性をさぐり、市町村とも協力して、早急に、具体的に踏み込んだ実態調査を行われることを強く要求いたします。

  台風被害については、災害危険箇所の早急な対策が求められています。県財政が厳しい中ではありますが、住民の命には替えられません。

  垂水市では、8・6水害の被災者の中で、未だに仮設のプレハブに住んでおられる方たちが3世帯いらっしゃいます。住宅の再建は容易ではありません。だからこそ、公的な支援が求められています。

  そのためにも、不用不急の人工島建設を一刻も早く中止し、住民の命と暮らしを守るためにこそ、予算を使うべきではないでしょうか。

○談合防止と入札制度の改善について

  私は、本年3月議会の一般質問で、本県の落札率の高さを指摘し、談合防止のための実行ある施策を求めました。

  談合防止は、言うまでもなく、公明正大な県政を実現する上でも、また、税金の無駄遣いをなくし、県財政の逼迫した現状を打開する上でも重要な県政上の課題であります。

  全国市民オンブズマン連絡会議が発表した2004年度入札調書の分析結果によると、大分県が、一昨年度の落札率96.2%から、昨年度は88.6%と8ポイント近くも下がっています。本県も、98.2%から95.2%と下がってきてはおりますが、95%以上で落札された割合からだされた、談合疑惑度からみると、本県は全国で11位という不名誉な位置にあります。

  私は、この結果を、入札の方法に着目して、分析しました。

  本県の入札・契約の方法というのは、随意契約と指名競争入札、公募型指名競争入札、一般競争入札とがありますが、指名競争入札、公募型指名競争入札というのは、事前に予定価格と指名業者が公表されます。反対に一般競争入札というのは、誰が入札に参加しているのかわからないもので、談合防止には、一般競争入札を増やすことが効果的であると言われています。

  先ほど紹介いたしました、大分県は、2003年度から、一般競争入札を2億円以上とし、2004年度からは、1億円以上に下げました。今回の全国調査で、落札率が最も低く、談合疑惑度も最も低い宮城県は2001年度から、一般競争入札を1000万円以上としました。

  では、本県はどうかというと、一般競争入札は何と10億円以上、公募型指名競争入札が1億円以上10億円未満、指名競争入札が1億円未満となっています。県発注の全公共事業について、公表されている発注見通しの昨年度第1回公表分を集計したところ、検討中91件を除く全3268件のうち、一般競争入札が8件、割合でいうと0.24%、公募型指名競争入札が86件、2.63%、指名競争入札が3170件、97%という結果でした。実に、全県発注の公共工事の99.6%が、事前に指名業者がわかる入札方法で行われているのです。

  ちなみに、談合疑惑度第1位の富山県も、本県と同様に、一般競争入札は、10億円以上でした。

  国土交通省は、橋梁工事における談合事件をふまえ、入札談合の再発防止策を本年7月29日に発表しました。それによると、「競争性向上のための入札方式の改善」として、「客観性・透明性・競争性の高い一般競争方式を、速やかに予定価格の3億円以上の工事まで、平成18年度中には予定価格2億円以上の工事まで拡大する。」としています。また、指名業者の公表にあったっても、「事前に指名業者名が明らかになると入札参加業者間で談合を助長しやすいとの指摘もあることを踏まえ、全入札件数の概ね5割において入札参加者が事後公表となるよう、指名業者の事後公表の試行を拡大し、問題がなければ、速やかに事後公表へ以降する。」としています。

  おたずねします。土木部長は、談合防止にむけたこの国の取り組みをどのように受け止めておられますか。本県でも談合防止の観点から、一般競争入札の割合を増やすために、直ちに対象金額を下げるべき、少なくとも国の基準以下にすべきだと考えますが、いかがですか。

○指定管理者の選定について

今回、全体36の施設に対して、公募を行うもの17施設、公募を行わず指定するもの19施設に分けられ、公募が行われました。私が、6月議会で、指定管理者の導入が適当でないと指摘し、例に示した、「自興園」や「菊花寮」、などは、公募によらず指定するとされています。

  これから、指定管理者を選定されるにあったての懸念される事項についていくつかお尋ねします。

  これから選定委員会で応募してきた複数の中から1つが選定されていくにあたって、当然、選定にあったっての公平性・透明性が求められますが、どのように、公平性・透明性を確保されるのでしょうか。お答えください。

  また、それぞれの施設の募集要綱を見るとたとえば、「視聴覚障害者情報センター」の選定基準には、視聴覚障害者福祉に関する知識や資格を有しているもの、サービスの向上が図られること、情報センターの機能活用に対応した組織及び人員配置などの運営体制が図られること、などに加え、管理経費の縮減が図られること、となっており、大変無理難題の課題が与えられているように思えてなりません。これらは、他の施設の選定基準も共通しています。人も十分に配置し、サービスを向上させ、その上、経費を縮減しろとなると、後は、パートやアルバイト、派遣労働などの低賃金な労働力に頼るか、労働強化しかないのではないでしょうか。そのような状況を前提とした選定はすべきではありません。労働条件の悪化などの状況が生じないような方策を講じるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

  また、もう1点、現在管理委託されていた法人等が、委託を受けないことによって、職員の解雇などに結びつかないかなどの点が懸念されます。

  たとえば、「アジア・太平洋農村研修センター管理事務所」に勤務の8名のうち、2名は県職員、あとの6名は、現地採用の方たちです。また、「ふれあいプラザなのはな館」では、県から派遣と指宿市から派遣の2名の職員を除いて、常勤職員が6名、非常勤職員が3名で多くが現地採用です。新たな管理者が選定された後、これらの方たちが、解雇となるのではないかと心配されます。

  指定管理者の導入に伴い、現在の管理者から、新たな管理者に移行した場合、県の施策によって新たな失業者を生まないためにも、本人が希望すれば、新たな管理者の下で雇用継続されるような手だてが必要かと思いますが、いかがでしょうか。

○乳幼児医療費助成制度の現物給付について

 3月議会で、私は、助成制度の現物給付を求めました。現物給付を求める4000筆を超える署名が、知事のもとに、赤ちゃんを抱いたお母さん、お父さんたちから届けられています。

 3月議会で、知事は、「33都府県が現物給付を採用しておりまして、その動向を参考にしながら、今後その具体的な方法について研究してまいりたい」と答弁されました。

 そこで、お尋ねします。その後、6ヶ月以上が経過しておりますが、具体的に、どのような研究がなされ、どのような検討がなされているのか、お答えください。

○県道鹿児島吉田線の渋滞解消について

  県道鹿児島吉田線の吉野地域での渋滞解消の問題です。この件につきましては、地域の課題として、これまでも何度となく取り上げております。現状としては、全体の道路拡幅は、鹿児島市の区画整理を待つことになっており、それまで、渋滞の解消策として、養護学校入り口交差点に右折車線を設置するための事業が始まっておりますが、用地取得がまだめどが立たず、実際に右折車線ができるのは、2年先なのか3年さきなのかわかりません。また、その交差点から北へ300メートルほどに帯迫交差点がありますが、その交差点の右折車線設置は、養護学校入り口交差点の改良が終わってから取り掛かることになっています。これでは、この渋滞解消は、10年先なのか20年先なのかわからない状態です。

  この間、吉野の地域のみなさんが「住みよい吉野をつくる会」を立ち上げ、県道の渋滞解消のために2つの交差点の改良を早急にすすめてほしいという署名に取り組まれ、短期間に1000筆を超える署名が県に届けられました。この署名はどこでも大歓迎をされると同時に、「なぜ、こんな運動をしないと進まないのか。」「土地の買収に応じているのに、一向に事がすすまない。どうなっているのか。」という声も寄せられました。このように、この渋滞解消は、住民の切実な願いです。

  私は、3月議会でもこの問題をとりあげましたが、再度おたずねいたします。養護学校入り口交差点と帯迫交差点の右折車線設置が早急にできるように取り組んでいただきたい。いかがでしょうか。

○答弁をうけて

 談合防止の取り組みは単純であります。国の例でも、他の自治体の例でも明らかであります。早急に一般競争入札の割合を広げるべきであります。また、指名業者の事前公表についても、改めるべきであります。

  談合によって、業者が上乗せして得た利益は、県民の税金であります。1日も早い、実効ある改善を求めます。

  指定管理者の選定については、これから、選定がおこなわれていきますが、人も配置しろ、サービスは向上させろ、経費は縮減しろ、県は、これをどうやれば同時に満たすことができるというのでしょうか。

  この間政府は、企業のリストラを応援し、企業再生法で、リストラすれば減税するという仕組みをつくってきました。その結果、パートやアルバイト、派遣労働などの不安定な雇用が激増しました。

  この指定管理者制度も国が定めたものですが、その運用にあったっては自治体の条例で定めることになっています。

  本県が、指定管理者制度を導入することで、不安定な雇用を生みだすことにならないような手だてを講じるべきであります。そういう観点も含めた選定作業を要望いたします。

  乳幼児医療費の現物給付については、具体的に調査をいただいているという答弁で、今後の調査に期待したいと思います。

  子育てにお金がかかる、これは、子育て世代、また子育てを終えた世代の共通の実感であります。

  特に医療費の問題は、子どもの命と健康にかかわります。「せめて、子どもが具合が悪くなったとき、財布の中身を心配せずに、病院に駆け込めるようにしてほしい」これは、切実な願いです。

  知事は、「子どもは未来からの授かりもの」「社会で育てていく物」と表現されております。その通りだと思います。

  自己負担の在り方を研究すれば現物給付は可能であります。1日も早い実施を願っております。

  
  今回の質問は、特に、平和の問題や自然災害、アスベスト被害など、命と安全にかかわる問題について、取り上げました。

  自治体が、限られた予算の中で、何を優先しどのような施策を講じるのかで、そこに暮らす住民の暮らし向きは変わってきます。自治体の役割は、まずは、住民の安全を守ることであり、福祉の向上であります。

  国の政治の、地方切り捨てと、増税などの国民への負担押しつけの方向がさらに強まりを見せてくるだろうと思われる中にあって、住民の暮らしを守るための地方政治の果たす役割が大きく求められています。

  知事には、県民の命と暮らしを守る立場を貫き、県民の一人ひとりの暮らしに力がみなぎっていく県政の実現を強く願って、私の一般質問を終わります。

2005年10月5日
反対討論(要旨)
 反対する議案の主なものと、請願・陳情の委員会審査結果に反対する主なものについて、その理由を述べ、討論いたします。
議案第133号「平成17年度鹿児島県一般会計補正予算」について

この補正予算に含まれているいくつかの予算について、その問題点を指摘いたします。

  第1に、総務費の市町村振興費、市町村連絡調整費の中に、市町村行財政連絡調整費として、261万6000円の補正が組まれています。これは、今議会に提案されている議案第141号「鹿児島県市町村合併推進審議会条例」にもとづき、「市町村合併推進審議会」を設置し「自主的な市町村合併の推進に関する構想」を策定するための経費とされています。議案141号に対しても合わせて反対の理由を申し述べます。

  この条例案の根拠法とされている「市町村の合併の特例等に関する法律」の第60条に「市町村合併推進審議会」を置く旨がうたわれていますが、これは同59条に「必要が認められる市町村を対象として」とあり、あくまでも都道府県の判断によるものであり、設置が義務づけられているのものではありません。

  今日の新聞報道でも、構想策定を予定しているのは全国で23道府県という、半数にとどまっています。

  そもそも、今回の「平成の大合併」は、総務省はこれまでも「市町村合併は行政改革の最たるもの」と言い、過去に総務省の交付税課長が「市町村合併すれば安上がりになる」と発言してきたように、国の財政難のツケを地方に押しつけ、国の財政支出を大幅に減らすことが目的です。

  本県では、国の合併特例法という合併誘導策に加えて、財政難の中、県独自に20億円の基金まで積んで、合併特例交付金というアメと、合併しなければ地方交付税が減らされるというムチとで、本年3月までという期限を切って、強引に推し進められたものです。合併した自治体によっては、その後、敬老祝い金がなくなったり、国保税の引き上げが予定されたり、これまであった福祉の制度がなくなったりなど、こんなはずではなかったという住民の声が寄せられています。

  「自主的な合併」だといいながら、補正予算でこのような協議会をつくり、住民の望まない合併をこれ以上押しつけるのではなく、合併を選択せず、小さくても自立をめざす自治体へこそ、財政的な支援をすべきではないでしょうか。よって、本議案ならびに、それに基づく補正予算の執行には賛成できないものであります。


  第2に、農林水産業費の農業費、農業振興費の中に農村振興対策費として376万6000円の補正が組まれています。これは、遊休農地再活用を図るための簡易な土地条件整備に対して助成するというもので、具体的には、加世田市が、農業特区として、借り上げた農地を株式会社にリースするにあったって、排水の整備や客土を行う面積が、2.4haから4haに増えたことによる補正であります。

  いま、農地の荒廃や耕作放棄が大きな問題になっていますが、これを口実として、政府は、農業「構造改革特区」として、株式会社の農業経営への参入を認めています。

  農地法は、第1条の「農地は耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて」で始まり、第3条では「所得農地の耕作に常時従事する者のみが農地を取得する権利を有する」としており、「農地改革」の成果を維持し、地主制度の復活と大資本家による農地取得を阻止することを目的に、農地の所有権を農民(家族経営)だけに限定してきました。これを「農業特区」として、株式会社に農地をリースするということは、農地制度そのものを解体し、将来は、株式会社に農地の取得を認めること、それは土地ころがしや企業農業に道を開くことにつながります。もともと「特区」の構想は、経団連の奥田会長ら「有識者」が経済諮問会議で言い出したものであります。

  そもそも日本の農業の困難は、政府が進めてきた農産物の輸入の自由化や価格支持政策の廃止などによって、農業そのものが引き合わなくされ、地域による農家の共同が壊されてきたことにあります。

  農村振興費というのであれば、企業の農業参入のための支援ではなく、きびしい情勢の中でも元気に農業に取り組んでいる兼業農家や高齢者、女性などの家族経営の中小農家を大事にし、そこへの財政的支援こそ行うべきであります。

  第3に、民生費の生活保護費、扶助費の中に生活保護費補助金事業として、60万9000円の補正が組まれています。これは、社会保障生計調査に要する経費でありますが、この調査の目的は「生活保護制度の在り方等を議論する上での基礎資料を得ること」とされており、その調査自体が、個人のプライバシーにかかわる内容であります。また、この調査の結果が、社会保障審議会福祉部会生活保護制度の在り方に関する専門部会で報告され、その結果、生活保護の基準の引き下げや、老齢加算の縮小・廃止の実施や母子加算の縮小の検討などが行われてきました。憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められ、生活保護法第1条に、「国はその権利を保障する義務がある」とされていますが、まさしく生活保護制度は、この条文にそぐわない制度に改悪されてきています。よって、この生活保障生計調査に要する経費は賛成できないものであります。


  第4に、債務負担行為として、平成18年度支出として限度額を5億9000万円が組まれています。これは、大和ダム管理設備工事に要する経費であります。

  大和ダムは、大島郡大和村の2級河川大和川、大和川水系三田川の上流にダムを建設し、大和浜地区などの水不足の解消と災害防止ということで、治水・利水のための多目的ダムとして建設がすすめられているものであります。

  この間わが党は、大和ダムの建設について反対の立場をとってまいりました。その理由の第1は、治水対策も利水対策も基本的にはすでに行われており、78億円もの多額の費用を費やすダムの建設は行う必要がないこと。第2に、山や川の自然を破壊することにつながり、アマミノクロウサギなどの貴重な野生生物のすみかを壊すことになること。第3に、ダムを建設することによってかえって危険度が増し、将来の堆積土砂の問題、ダムの老朽化の問題など、次世代に負の遺産を残すことになることなどを上げてきました。

  ダム本体の工事もほぼ終了し、18年度の供用開始にむけて、ダムの管理のための設備を整えるという段階でありますが、わが党は、住民の反対運動も起きたムダな大型開発はやめて、住民のくらし・福祉を守る予算こそ確保すべきでありという立場で、大和ダム建設に係わる事業に反対するものであります。

  以上の理由で、これらの事業費を含む議案第133号には賛成できないものであります。

○議案第135号「鹿児島県職員手当支給条例の一部を改正する条例制定の件」について

本議案は、県政刷新大綱に基づき、職員数の縮減を図りつつ、職員の新陳代謝を促進するという目的で、定年前に40歳以上で退職する者に対して、退職手当を加算して支給するというものであります。

  反対の理由の第1は、職員の賃金・労働条件にかかわる事案については、当然、職員組合との協議をすべきでありますが、本件については、そのような協議もなされず、一方的に示されたものであるということです。

  ILOが2度にわたって勧告で繰り返し指摘していることでありますが、憲法28条がすべての勤労者に保障している労働基本権が、公務員には保障されておりません。賃金・労働条件に直接関わるものについて、労働基本権にもとづく労使協議、労使合意によって進められるべきものであります。

  第2の理由は、これ以上の職員数の縮減が、勤労環境の悪化と過重労働を招くものであるということです。

  今議会の一般質問で明らかになりましたが、県職員の内、療養休暇の取得や休職をしている職員が、過去5年間で年平均170人おり、このうち、心の病は平均42人ということでした。これらの原因は様々であると思われますが、仕事の過重負担、過重労働が原因であり、職場環境を含めた改善が求められている場合に、その改善よりも、早期退職が優先しておこなわれる事態が予想されます。

  そもそも、これは、人件費の削減策として行われているものであり、現在の、本県の財政状況の悪化の主な原因は、人件費の増大に原因があるのではなく、県自身が「財政改革プログラム」作成にあったって、分析しているように、県債に頼りながら、普通建設費を増大させてきたことにあります。これ以上の人件費の削減は、更に過重労働を招き、勤労環境の悪化と住民サービスの低下を招きます。

  以上の理由により、本議案には賛成できません。

○議案第138号「土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求める件」について

これは地方財政法第27条や道路法第52条などにもとづき、土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求めるという議案です。

  反対理由の第1は、地方財政法第27条には、「当該建設事業による受益の限度において、当該市町村に対し、当該建設事業に要する経費の一部を負担させることができる」とあり、市町村の負担について、義務づけられてはおりません。県が行うべき事業については、市町村に過重な負担を強いるべきではありません。

  第2には、この中には、重要港湾改修事業として、人工島建設に関わり、鹿児島市に、3,720万円の負担を求めるものと、志布志港整備として、志布志町に1億3760万円の負担を求めるものが含まれている点です。

  人工島については、今年度の事業費として11億7600万円、事業内容として、廃棄物埋め立て後案、岸壁、橋梁、道路等が予定され、現在、1工区について、埋め立て土砂の投入がなされております。私は、一般質問でも明らかにいたしましたが、埋め立て土砂の投入計画と実際の投入量との整合性がないと言う点、24haの土地利用という点で、防災拠点としては安全性に疑問があるという点で、多額の借金を重ね、地元自治体に多大な負担を押しつけてまですすめる必要性も、計画の妥当性もない事業であることは明らかであります。

  志布志港の整備につきましても、この間私は、この事業の問題点を指摘してきましたが、この埋め立て事業が、先に開発ありきで進められてきており、コンテナ貨物の取扱量が増えてきているといっても、そのために、毎年多額の費用をかけてポートセールスを行っております。貨物量との関係で、新たなふ頭が必要であるというのなら、最小限の規模にすべきであります。また、地元の志布志町では、これまで、23億円をこえる地元負担をしておりますが、期待した雇用は、予定の1割にも満たない200人弱で、負担だけが押しつけられている状態です。

  人工島と同様に、多額の借金を重ね、地元自治体に多大な負担を押しつけてまで進める事業でないことは明らかです。

  以上の理由から、本議案には賛成できないものであります。

○請願第4003号「希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障するための請願書」について
  委員会審査では「不採択」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。

  本請願は、本県が、「高校再編整備計画」のもとに県立高校の統廃合を性急に実施し、その一方で学区外入学の「一定枠」を5%から10%に拡大するなどの状況の中で、学校間の格差拡大や受験競争の激化を招く恐れのあることを心配し、希望する全ての子どもたちに豊かな高校教育を保障することを願って出されたものであります。

  県教委は、県立高校の統廃合について、例えば、種子島学区、徳之島学区において、種子島高校と種子島実業高校を統廃合して、「県立種子島高校」を、また、徳之島高校と徳之島農業高校を統廃合して「県立徳之島高校」を新設しました。これらの方針が発表されたのが昨年10月、決定されたのは、わずか4ヶ月後の本年2月であります。

  先の6月議会でこれらの議案についての反対討論で述べたように、「もう少し時間をとって検討させてほしい」という地元住民や保護者の意向を無視した形で、強引に進められました。

  新たに発表された「栗野工業高校」と「牧園高校」の統廃合計画に対し、「栗野工業高校再編対策協議会」が設立されましたが、これは、これまでの統廃合にいたるまでの経緯を危惧しての動きではないでしょうか。

  地域によって、子どもたちが地元の高校に行かず、生徒が減っているという現象の根底には、この間、県教委がすすめてきた学区の拡大や「一定枠」の拡大によって、高校の序列化がすすめられてきたことが大きな原因であると思われます。統廃合をする前に、今こそ、地方の高校の存続のために、地元と一緒になって、創意・工夫をすることが先決であります。

  また、本請願事項にあるように、教育基本法第3条に定められた教育の機会均等を保障し、「障害」のある子も無い子も、経済的に厳しい状況にある子もそうでない子も、希望し、門をたたいたすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障することが、まさしく、知事が掲げる「日本一教育県」と言えるのではないでしょうか。

  よって、本請願は、採択すべきであることを主張いたします。
○陳情第4028号「ILO第175号条約及びILO第111号条約の早期批准を求める陳情書」について
  委員会審査では「不採択」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。

  本陳情は、わが国でのパート労働者が、低賃金や自らが望まない中での期限つきの契約など、給与や労働条件などで、きわめて不当な扱いを受けているという現状の中で、その改善のために、ILO第175号条約と111号条約の早期批准を求めるものであります。

  わが国では、パート労働者は、夏期・年末年始休暇や慶弔休暇、生理休暇、福利厚生、交通費の支給まで、正規労働者と差別されています。

  EU(欧州連合)が1997年12月に採択した「EUパート指令」では「パートタイム労働であることを唯一の理由として比較可能な労働者より不利な扱いをされないものとする」となっており、ヨーロッパ諸国では一般的にフルタイムでもパートタイムでも同一労働・同一賃金の原則が貫かれています。フランス、ドイツ、イギリスは法律や規則で「均等待遇」を定め、実現に向かって前進しています。

  わが国においては、パート労働者への適正な労働条件の確保、能力開発、福祉の増進をはかることを目的としたパートタイム労働法が1993年に制定され、その具体的内容は労働指針に定められています。しかし指針は努力義務規定であるために、制定から10年を経ても改善は進んでいません。「均等待遇」をパートタイム労働法に明記させ、違反には罰則を加える事が必要です。


  パート労働者のおかれている現状の改善のために、「均等待遇」を貫くILO175号条約と、雇用と職業における差別の撤廃を定めたILO111号条約を早期に批准し、国内法を整備することが求められています。

  
よって、本陳情は、採択すべきであることを申し述べ、以上で反対討論を終わります。

意見書案の提案理由の説明

○「障害者自立支援法案に反対する意見書」について

  今国会で、「障害者自立支援法案」が再提出されようとしています。同法案は、障害者への福祉サービスの利用について、「応能負担」から「定率(応益)負担」に変え、公費負担医療制度も改悪するというものであります。

  障害者が生きていくための介助を「個人の利益」「応益」だとして、定率の負担を求めるのは、障害者の生存権を奪うものであります。定率負担は、サービスを受ければ受けるほど自己負担が増えていく仕組みであり、障害が重く、より多くの支援・サービスが必要な障害者ほど負担が増えることになります。

  障害者の多くは、収入が障害基礎年金のみで、住民税非課税世帯がほとんどであり、無年金の人も少なくありません。


  このような、障害者の自立を妨げ、生きる権利を奪うことになる「障害者自立支援法案」を断じて認めるわけにはいきません。よって、本意見書案を提案するものであります。

○「所得税・住民税の定率減税廃止に反対する意見書」について

  この定率減税は、所得税から20%、住民税から15%を控除するというものですが、1999年に「著しく停滞した経済活動の回復に資する」として、所得税の最高税率を50%から37%への引き下げや法人税率の引き下げと共に景気対策の一環として導入されました。

  谷垣財務大臣は「景気回復が底堅いものになってきている」と、定率減税廃止の条件が整ったとの認識を示していますが、国税庁の調査でも、民間給与は7年連続して減少していることが明らかになり、「景気の回復基調」が給与には反映されていない実態が裏付けられました。この定率減税の廃止は、庶民に総額3兆円を超える負担を重くのしかけ、景気回復の芽をつみ取るものであることは明らかであります。

  よって、国民生活を破壊する所得税・住民税の定率減税廃止について、反対する意見書案を提案するものであります。

○「郵政民営化に反対する意見書」について

  本県議会は、これまで過疎地域の郵便局の切り捨てや地域住民のサービス低下につながる郵政民営化に反対し、意見書を提出してきました。また、県民と共に、郵政民営化反対の集会やデモ行進を行ってきました。

  先の衆議院選挙で、郵政民営化推進の自民党・公明党が議席の3分の2をしめたことで、小泉首相は「郵政民営化が信任された」と言っていますが、得票でみれば、与党の得票は比例で51%、選挙区で49%であり、世論は二分されたままであります。
  
  参議院の付帯決議で、地方の郵便局の存続が担保されたとして、賛成へ回る動きがありますが、政府の民営化案では、現在全国にある2万4,700局のうち、過疎地にある7000局程度しか設置を義務づけておらず、しかも郵便貯金と簡易保険の金融サービスは義務づけられていません。民営化後は、経営判断に委ねられ、郵便局の全国ネットワークとすべての国民への基礎的金融サービスが切り捨てられるのは明らかであります。


  よって、過疎地域の郵便局の切り捨てや地域住民サービスの低下につながる郵政民営化に反対し、本意見書案を提案するものであります。

意見書についての反対討論

○「道路特定財源の堅持を求める意見書」について

  道路特定財源としては、ガソリンにかけられる揮発油税や地方道路税、軽油にかけられる軽油取引税、LPガスにかけられる石油ガス税、また、自動車購入の際には自動車取得税、その後は車検のたびにかけられる自動車重量税があります。

  揮発油税は、政府の財源対策の一環として作られた1949年当初は、酒税やたばこ税などと同じ間接税の一つで使い道を特定しない一般財源でしたが、1953年に、のちに首相となった田中角栄議員も提案者に加わった「道路整備費の財源等に関する臨時措置法」が成立し、翌年から始まる道路整備5ヵ年計画で、道路特定財源とされました。そして、揮発油税は「臨時措置法」が廃止された58年以降も、別の特例法により「道路整備費の財源」に充てられ、このあと、あらたな道路目的の税が次々と作られてきました。

  このようにして道路特定財源はふくらみ続け、1970年度には0.8兆円であったのが、現在はその7倍以上にふくらみ、国と地方を合わせた道路特定財源は2005年度予算で5兆7000億円。道路整備の予算は、特定財源と一般財源を合わせると毎年10兆円を超え、国土面積が日本の25倍のアメリカに並ぶほどになっています。

  現在、国道・都道府県道の舗装率は96%に達しています。日本の面積あたりの道路密度も1平方キロあたり3キロを超え、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの2〜3倍で、道路整備を急ぐ緊急性は薄れてきています。また、今の車社会は交通事故、排ガスによる大気汚染をはじめ社会的負担をもたらしており、車に関する税金だからといって、道路整備だけに特定する理由も薄れています。それでも、入ってくる税金をひたすら道路づくりに投入しつづけてきたのが道路特定財源です。

  わが党は、20年以上も前から、揮発油税などを普通の税金と同じく、使途を限定しない一般財源とすることを主張してきましたが、早急に、道路特定財源は廃止して、社会保障や教育、生活密着型の公共事業にも使えるようにすべきであります。

  本意見書案には、「当県の高速交通網は未だ多くの未整備区間が残されており、1日も早い全線の供用を図るため、これまで以上の予算を安定的に確保する必要がある」とありますが、住民の暮らしや地域産業の発展にとって、どうしても必要な道路整備は、財源に関係なく、国とも協議し、予算を確保して進めることは当然であります。

  必要な道路整備と「道路特定財源の堅持」とは別問題であり、切り離して考えるべきであります。

  道路整備だけが、「道路特定財源を堅持」し、聖域として進められるべきではなく、道路特定財源を一般財源化し、住民の暮らしや福祉の向上と合わせて検討されるべきであります。

  以上の理由から、道路特定財源の堅持を求める本意見書案には賛成できないものであります。

議員派遣についての反対討論

○「平成17年度鹿児島県議会議員海外行政研修視察」と「香港ポートセールスミッション」について
  今回の海外視察は、ニュージーランドへ6日間、11名の議員の派遣となっており、734万円の経費となっています。

  毎回述べておりますが、わが党は、公費による海外視察そのものを否定するわけではありません。私は、議員として、できるだけ現場に赴き、自分の目で見て、耳で聞き、心で感じることをモットーとしております。県政との関係で、どうしても現地に赴くことが必要だと思われる場合には、国内、海外を問わず視察の必要性が生じると思われます。


  しかしながら、小泉内閣になって4年半、医療費や介護保険の負担増、年金制度の改悪など、本来国民の暮らしを守るべき社会保障制度が次々と後退していく中で、現実に県民の暮らし向きは、ますます厳しさを増しています。


  また、本県の財政状況も、知事が県民に「非常事態宣言」を出し、様々な事業や施策に関わる予算が縮小されており、職員の給与も、過去5年間の人事院のマイナス勧告に加え、昨年度から2%の削減が行われております。


  このような県財政の厳しい状況を認識しているからこそ、県議会としても、議員報酬について、これまでの5%削減に加え、期間を2年間延長し、7%削減としているのであります。


  このような財政状況と県民の暮らし向きの厳しさの中で、今回の海外視察が議員派遣として必要であるのか疑問を持たざるをえません。私は、視察終了後の報告書も全て目を通し、派遣された議員のみなさんが、熱心に視察されている様子も承知しているところでありますが、議員として、「国際化の中で、広い視野にたった見解が求められ」ており、どうしても海外視察が必要だというのであれば、一人あたり、月に30万円の政務調査費は4年間で、合計1440万円の支給額となります。現在行われているような任期中の4年に1回の海外視察であれば、その中から負担することも十分に可能ではないでしょうか。


  合わせて、宮崎県議会が、先の台風14号により甚大な被害を受けた事を考慮し、例年この時期に実施している海外視察を実施されないことをご紹介いたしておきます。



  「香港ポートセールスミッション」は、「志布志港ポートセールス推進協議会」が香港・上海に行くにあたって、議長と議員1名が参加し、その議員1名を議会として派遣するというものであります。


  「志布志港ポートセールス推進協議会」では1昨年までは、毎年、上海や台湾へポートセールスを行い、本議会から毎年3名から4名の議員を派遣してきました。 また、県は、この協議会へ負担金として昨年度は300万円、本年度は178万円支出しています。

  志布志港では、若浜地区においてコンテナ貨物の需要が増大しているとして、さらに新若浜地区にこれまで225億円もの事業費を費やしてコンテナターミナルの整備が行われてきました。


  開発のために多額の税金を投入し、そのつじつまを合わせるために、また多額の税金をつかってポートセールスを行わなければならない、これが志布志港の現状ではないでしょうか。


  県政は、地場産業の振興を図り、県民の暮らしを守るためにあるべきで、県議会は、それをチェックすべき立場であります。その観点で、志布志港の現状を見たときに、本議員派遣の議案には賛成できないものであります。


  以上、議員派遣についての反対討論といたします。