2005年6月議会

2005/06/06(月)
反対討論

 私は、提出された議案25件のうち、6件について反対し、その主なものと、請願陳情の委員会審査に対して反対する主なものについて、その反対の理由を述べ、討論いたします。

議案第117号〜121号の5件について

一括して、反対の理由を申し上げます。これらは、いずれも市町村合併についての議案であります。

 私は、合併については、一つに、その合併が「住民の利益を守る」という地方自治の本来の任務に照らしてどうなのか、2つ目に、「住民の意思を尊重して決めるべき」という地方自治の本旨に基づいた立場や手続きがあるかどうかというのを、基準として賛否を検討します。

 今議会には、7件の合併議案がだされておりますが、そのうち「いちき串木野市」と「長島町」については、直接合併の是非を問う住民投票が行われ、その意志が反映されての合併と考え、賛成いたします。

  新「出水市」では、野田町で、住民投票が行われ、賛成多数でありましたが、出水市では住民投票もアンケートも行われていません。

  「志布志市」については、枠組みが2転3転し、ようやく昨年4月1日に今回の合併の3町での合併協議会が発足しましたが、翌月の5月10日にはもう新市の名前の公募が始まりました。その後、合併協議会で、様々な項目について検討・調整が行われていますが、最終的に、住民の意思の確認は行われないまま合併が決められました。

 「指宿市」も旧指宿市では住民投票がありましたが、これは旧喜入町と頴娃町も含んだ合併を問うものでした。

 「南さつま市」の加世田市では、住民アンケートも住民投票も行われず、坊津町では、住民投票の直接請求が成立したにもかかわらず、議会がこれを否決し、住民の意思の確認はなされませんでした。

 「奄美市」については、当初から龍郷町が、住民アンケートによる圧倒的な反対多数で、法定協の不参加を決めており、その後、大和村、瀬戸内町で、住民投票による反対多数で法定協から離脱、宇検村も離脱しました。残った名瀬市、住用村、笠利町では、結局住民の意思の確認が行われず、笠利町という飛び地の問題もかかえたまま合併が決められました。

 さらに、今、「奄美市」では新市議会が「在任特例」を採用することになり、5万人足らずの人口で、46人の議員となることに対して、住民からも批判の声が強く上がっています。合併協定調印前に行われた住民説明会では、後に法定協を離脱する宇検村、大和村を加えた5市町村を前提としたもので、そのときの議員定数は定数特例を適用した「33」でした。これが「3市町村」になって、46人に増えることは住民に説明されていませんし、住民の意思の確認も行われておりません。

 このように、先の合併特例法の期限である17年3月末をめざして、「とにかく合併手続きを先行させて、調整は合併後に」として十分な論議や住民の意思の確認がなされないままに決められた合併であります。

 今回の「平成の大合併」で先に合併を行ったところでは、合併前には「負担は軽く、サービスは高く」と言いながら、実際には「負担は重く、サービスは低く」という調整がなされ、こんなはずではなかったという声が住民からでています。住民の負担やサービスが、合併によってどのように変わるのが、具体的に示した上で、住民投票で賛否を問うべきではないでしょうか。

 以上の理由から、これらの議案には賛成できません。

議案第128号「鹿児島県立高等学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例制定の件」について

種子島高校と種子島実業高校を統廃合して、「県立種子島高校」を、また、徳之島高校と徳之島農業高校を統廃合して「県立徳之島高校」新設するという議案であります。

  今回の統廃合の方針の発表があったのが、昨年10月、決定されたのが4ヶ月後の本年2月であります。

  徳之島高校と徳之島農業高校のそれぞれの地元の徳之島町と伊仙町では、新設校の設置場所や、設置学科を巡って激しい議論がありました。それぞれが、自分の町内への設置を要望し、それぞれが進学校としての存続、また農業高校としての存続を求めました。

  西之表市でも、市議会と市の高校振興対策協議会から、地元との十分な協議期間の確保を求める要請書が知事や県教育長あてに出されました。2月に開かれた住民説明会では、保護者や学校関係者や地域住民から、白紙撤回を求める意見や、進め方が一方的で性急すぎるという意見が相次ぎましたが、結局その2日後に「一定の方向で合意いただいた」として、決定が発表されたものです。

  県教育委員会は、「かごしま活力ある高校づくり計画」として、「適正規模」を1学年4学級から8学級とし、強引な統廃合計画を地域に押しつけています。これは、少子化を理由にした、地方切り捨てではないでしょうか。はじめに統廃合ありきで、地元に県教委の方針を押しつけるのではく、まずは、生徒が減少していく中で、県教委として、地元として存続のための努力を積み重ねることが必要ではないでしょうか。

  このように、地元住民や保護者の意向を無視した形で一方的に進められる「県立高校の再編整備」には、強く反対いたします。以上の理由から、本議案に賛成できないものであります。

請願第2004号「米国産牛肉の拙速な輸入再開に反対する請願」について

「食とみどり、水を守る鹿児島県民の会」より出されたものです。これは、委員会審査結果では、継続審査となっておりますが、採択すべきであります。本請願は、政府が20ヶ月齢以下の牛を全頭検査の対象から除外することを決め、米国産牛肉等の輸入再開を進めようとしていることに対し、米国輸入牛の問題点を指摘し、政府へ、拙速な輸入再開を行わないよう求める意見書を出すことを求めたものであります。これを継続審査としながら、同請願が求めた同趣旨の意見書案が委員会発議されております。この意見書案は、明らかに、本請願の趣旨にもとづき成文されており、この請願がなぜ、採択とならなかったのか、(先ほど委員長に対しておたずねしましたが、納得のいく回答ではありませんでした。)疑問をもたざるを得ません。請願・陳情の提出者に対しても、県民に対しても、納得のいく審査をすべきであります。

  本請願は、継続審査ではなく、採択すべきであることを主張いたします。

陳情第1014号「郵政民営化に反対し、国民本位の郵便局サービスの拡充を求める意見書提出に関する陳情」について

委員会審査では継続審査となっておりますが、採択すべきであります。

  昨日、衆院本会議で、郵政民営化法案が可決され、今後は参院に議論の場がうつりますが、郵政民営化が強行されれば、本陳情の趣旨にあるように、「国民生活の利便向上より採算と効率化を重視した事業運営となり」、特に本県のように、僻地や離島を多く有する地域にとって、多大な影響を与えることは明らかであり、4つの陳情項目は、まさしく、本県の住民の利益に合致した内容であります。県議会として、時期を逸することなく、陳情を採択し、意見書を上げるべきであります。

  よって、本陳情は、継続審査でなく、採択とすべきであります。

陳情1015号「米海軍P3C哨戒機の海上自衛隊鹿屋航空基地移転に反対することを求める意見書」について

これは、委員会審査で継続審査となっておりますが、これは採択すべきであります。

  これは、報道により、海上自衛隊鹿屋航空基地に、米海軍P3C哨戒機約10機を移転するという案が検討されていることについて、県議会として、反対することを求めた陳情であります。

  この移転案が報道されるや否や、地元鹿屋市や周辺市町では、反対の行動が起こり、鹿屋市議会では、先の「空中給油機部隊の移転反対決議」と同様、今回の米海軍P3C哨戒機の移転についても、直ちに反対決議をあげております。そして、大隅半島すべての首長と議会議長が名前を連ねる「大隅総合開発期成会」でも反対決議を上げたのをはじめ、周辺市町村議会でも、次々と反対決議が上げられています。

  「大隅総合開発期成会」の決議にもあるように「沖縄県をはじめ本土の在日米軍の現状を見ると、米軍による事件・事故等が多発」しており、鹿屋航空基地に米軍が駐留することになれば、住民に大きな危険をもたらし、犠牲を強いることにつながります。

  わが党の国会議員団の調査によると、日米安保条約の下で、米軍が日本国内で起こした事件・事故は、件数で20万1,481件、それによる日本人の死者は、1,076人にも上ることが明らかになりました。この数字は、1972年の施設返還前の沖縄の分は含まれておらず、1952年度から昨年2004年度までの集計で、防衛施設庁が把握しているものについてであります。先日も、米軍嘉手納基地所属の米兵による女児わいせつ事件がおき、住民からも抗議の声が強く上がっています。

  過去の「犯罪」「事件」のうち、日米地位協定のもとで、1985年から2004年までに軍事裁判がおこなわれたのはたったの1件で、米軍の犯罪は野放しにされている状況です。

  本県議会は、昨年の9月議会において、「日米地位協定の抜本的見直し」を要求する事も含めた「米軍ヘリコプター事故に関する意見書」を全会一致で採択しておりますが、まさしく、これは、米軍による事件・事故を危惧してのことであります。今回の鹿屋への移転問題は、まさしく、その被害を受ける危険に本県の住民がさらされようとしているものであり、県民の付託を受けた県議会としても、機敏な対応が求められています。

  よって、本陳情は継続審査ではなく、採択すべきであります。

陳情第1017号「定率減税の縮小・廃止の中止を求める陳情書」について

委員会審査では不採択となっておりますが、これは、採択すべきであります。

  政府は、所得税と住民税の定率減税の半減を決定しました。所得税は2006年1月実施、住民税は同年6月実施です。さらに2006年度には定率減税の廃止もねらっています。

  定率減税の縮小・廃止は、所得税や住民税を払う全ての世代に負担増をもたらします。定率減税には減税額に上限が設けられているため、負担増の割合は、所得の多い人ほど小さく、中低所得者ほど大きくなります。特に、影響を大きく受けるのは、子育て世代や働き盛りの世代です。

  橋本内閣当時の97年、消費税増税と、医療改悪、特別減税廃止という9兆円の負担増が、回復しかけていた景気にブレーキをかけ、日本経済にいっそうの不況をもたらしました。

  日本商工会議所の山口信夫会頭は「消費税を引き上げ、景気に早すぎるブレーキをかけた橋本内閣の二の舞は避けるべきだ」と定率減税縮小・廃止への懸念を語りました。

  自民党政調会長代理の柳沢氏も「せっかく3%、4%成長していた95年、96年が97年でだめになった。この印象が非常に強い。だから私は、定率減税の削減にもっとも臆病な人間になっている」と発言し、経済同友会の北城代表幹事も「(定率減税縮小・廃止の)対象は中堅サラリーマンであり、今でも年金を含めて大きな負担をしている層に悪い影響がでる」と記者会見で述べています。

  本県の県民や本県の経済に与えるダメージが大であることは明らかです。よって、定率減税の縮小・廃止の中止を求める本陳情は採択すべきであります。

陳情第4004号、5002号、5005号、5007号、5008号、5013号、5014号について

一括して反対の理由を申し述べます。

  これらは、「ジェンダーフリー」の概念を歪曲してとらえ、県民交流センターの書籍やビデオの内容やその事業に規制を加えようというものです。

  陳情5002号の陳情の趣旨に「ジェンダーフリーとは『男らしさ、女らしさ』についての社会的な通念を階級差別と断罪して、その解消を目指すと共に、家族解体や我が国の良き伝統文化を破壊しようとする急進的な改革運動にほかなりません」という表現があるように、ここ3〜4年、全国的に、「ジェンダーフリー」の概念をことさら歪曲してとらえ、自治体の条例づくりをはじめ、男女平等めざすとりくみへの組織的攻撃、いわゆるバックラッシュが強まっています。2年前に出されたこれらの7件の陳情もその一連の動きの中のものであります。

  現在、政府が国連から絶えずその実行状況を問われ、男女共同参画社会基本法や基本計画づくりの土台にもなっているのが、1985年に、日本が批准した「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(女性差別撤廃条約)と95年の第4回世界女性会議の「北京宣言及び北京行動綱領」、そしてそれを土台にした女性2000年会議の「成果文書」の合意内容です。

  北京会議以降、キーワードの一つとなっている「ジェンダーの視点」は、「生物学的にみた男女の性別」(セックス)とは異なり、社会的・文化的につくられた性別」(ジェンダー)という視点で、差別の実態や解決にせまろうというものです。

  内閣府が編集し、この2月に発行された『逐条解説 男女共同参画社会基本法』は、ジェンダーについてわかりやすく解説しています。ジェンダーという言葉が一般には理解されにくいという議論があったため、基本法に言葉は用いていないが、ジェンダーの問題意識が込められていると、各条項を紹介しています。そして、基本法のこの「理念を進める上では、社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)に敏感な視点が必要である。(このため、男女共同参画基本計画では、社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)に敏感な視点の定着等について記載している)」とのべています。

  これらの陳情の趣旨にあるような「男らしさ、女らしさは否定すべきでない」という立場は、まさしく、「性別による固定的な役割分担意識」にもとづくものであり、本県の男女共同参画社会推進の理念に逆行するようなこれらの陳情は不採択とすべきであります。

陳情第4029号と4032号、ならびに4031号の第1項が、委員会審査で採択、4030号、並びに4031号第2項について

 継続審査となっていることについて、いずれも不採択とすべきであることを主張いたします。

 これは、中学校の教科書採択にかかわる陳情であります。

 陳情4029号と4032号は、提出者は違いますが、全く同様で、一言一句違わない内容で、教科書採択にあたって、教育委員会がまわりの声に左右されることなく、採択することを求めた陳情であります。

  これらの陳情には、教科書の採択権が教育委員会にあり、「外部からの働きかけに左右されることなく」とか、「『学校での研究・意見集約』による絞り込みや順位付けを安易に追認させることなく」とされていますが、「執行部の意見」にもありますように、教科書採択にあたっての教育委員会の権限というのは、あくまでも「採択事務」に関してであります。文部科学省が、教科書採択の権限が教育委員会にあるとして根拠を2つあげています。その第1の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の第23条は、教育委員会が管理執行する「事務」を列挙し、その6に「教科書その他の教材の取扱に関すること」をあげており、あくまでも教科書の取扱に関する事務を執行するに過ぎないということです。もう一つの根拠法は、「教科書の発行に関する臨時措置法」の第7条1項ですが、これは、市町村の教育委員会が採択した教科書の需要数を都道府県教育委員会に報告しなければならないと定めているだけで、まさに採択の「事務」の執行に関する規定であり、採択権限とはなんの関係もありません。

 本来、教科書の採択にあたっては、現場の教師にもっと重要な役割を与えるべきであり、学校ごとの採択にすべきであります。

  この点では、教育基本法とともに、1966年にILOとユネスコが採択した「教員の地位に関する勧告」の61項が次のように述べています。「教育職は専門職としての職務の遂行にあたって学問上の自由を享受すべきである。教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するための格別に資格を認められたものであるから、承認された計画の枠ないで、教育当局の援助を受けて教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の採用などについて不可欠な役割を与えられるべきである。」とあります。

  陳情第4031号にあるように「学校での研究・意見集約」を否定するのではなく、現行法にもとづく、広域採択を行う場合でも、採択にかかわる委員会が現場意見をいっそう反映するような形で機能すべきであり、それを尊重することが、正しい方法であります。

 陳情第4030号においては、「従軍慰安婦」の記事が載っていたものが無くなったことを「正常化」とし、「自由主義の日本が全体主義的な中国、韓国の歴史認識に合わせていては東アジアの歴史教育の正常化が遅れることになる」というように、自らの歴史認識を根拠にして、ここでいう「ある特定の教科書」を擁護する立場を貫いています。

 「従軍慰安婦」や「南京大虐殺」については、日本政府自身も認めており、国際的に常識になっている問題です。とりわけ、「従軍慰安婦」については、1996年に国連人権委員会が採択したクマラスワミ報告が、「慰安婦の事実を学校教育で教える」よう勧告し、これを受けて日本政府も、国連人権小委員会に「歴史教科書に慰安婦を記述している」と報告してきています。それが、今回の検定では「従軍慰安婦」の記述がなくなりました。これは、この間、教科書会社に対して、政府・当時の文部省による政治的圧力によって、「自主規制」という形で、削除されてきたものであり、この事態は、国際公約をも公然と反古にするものです。

  戦後の世界政治や日本社会の大原則は、日本のおこした戦争を不正義の侵略戦争として否定した歴史の上に成り立っています。それを否定したり、揶揄する風潮は、たんに歴史観の違いとして寛容に許すような性格のものではなく、平和と民主主義という今日の世界政治の根本にかかわる大問題です。

 日本国憲法前文は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民にあることを宣言し、この憲法を確定する」と述べています。

 戦後の世界政治と日本国憲法の前提を真っ向から踏みにじる戦争正当化論を公教育に持ち込むことは、日本国憲法のもとでの公教育を破壊することにほかなりません。

  この問題がこういう性格をもっている以上、日本の子どもたちの教育は、日本の国内問題だとして、教科書問題についての関係諸国の要請や発言を、頭から拒否する態度は許されません。日本政府は、これらの国々の見解に真剣に耳を傾けるべきであります。

 ドイツでは、ナチス・ドイツの行った犯罪的な戦争を徹底的に批判し、次の世代に引き継ぐ努力を積み重ねることで、ヨーロッパで信頼ある地位を占めるにいたっています。

 日本はかつてアジアを侵略した国です。アジアの国々はその侵略により深刻な被害を受けました。アジアの若者は、その時代に自国民がどんな辛苦をなめたのかを知っています。日本の若者が加害の事実を知らないだけでなく、「そんな被害はなかったんだ。日本の戦争はアジア解放の役に立った」と言えばどうなるでしょうか。

 21世紀を生きる子どもたちは、将来アジアと世界の人々との交流のなかで生き、働く世代です。その子どもにとって、侵略の歴史の真実を知り、その反省の上にある日本国憲法に誇りを持つことがどんなに大切なことか、計りしれません。

  日本でも、ドイツのように、過去の侵略戦争の犯罪の真実を次の世代の子どもたちに引き継ぐ努力をすべきであります。

 今、日本と中国、韓国の3国の研究者が共同編集した歴史教材『未来をひらく歴史』が3国で同時期に発刊されました。「東アジアに平和な未来を開くには、歴史認識の共有が前提となる」として、東アジア近代史教材を3国共同で出版することになったものです。この企画は「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書が問題となった2002年3月にはじまったものです。各国に歴史家らの委員会を設置し、分野ごとに分担して執筆。計10回の国際会議も開き、編集作業では、各国の歴史認識の違いを乗り越える膨大な議論が交わされたといいます。その中で、日本の大陸侵略の実態や、中国、朝鮮の人々が支配に抵抗した事実も記述されています。

 このように、過去の歴史の真実を受け止め、そこから教訓を学んでこそ、21世紀に世界の中で、日本が信頼される地位を築くことができるのではないでしょうか。

  歴史の真実を否定する立場に立つ、これらの陳情は不採択とすべきであることを主張いたします。

情第5009号、5010号、5028号について

一括して、反対理由を申し述べます。

  これらは、乳幼児医療費助成制度について、国の制度とするよう意見書を提出することを求めるものや、助成対象年齢の歯科を医科なみに引き上げること、助成を現物給付とすることを求める陳情であり、委員会審査では継続となっておりますが、採択すべきであります。

 特に、陳情第5009号については、この乳幼児医療費助成制度を国の制度とすることで、国内どこに住んでいても同じ条件で助成がうけられることになり、本県独自の助成に関わる予算を削減することができます。国による制度創設を求める意見書を採択しているのは、全国で41都道府県にものぼり、九州・沖縄で採択していないのは、本県のみであります。本県の子どもたちの健やかな成長と保護者の負担軽減を考えたとき、どうしてこの陳情が採択できないのか、はなはだ疑問であります。採択すべきであります。

 現物給付についても、面倒な手続きなしに、病院の窓口で助成を受けたいというのは、多くの県民の願いであります。先月には「乳幼児医療費の病院窓口無料で子育てを応援する会」から、現物給付を求める要望書が、4,076筆の署名とともに知事に手渡されております。

 これらの陳情は採択すべきであります。

5027号「介護保険制度の見直しに対する意見書提出に関する陳情書」について

 委員会審査で不採択となっておりますが、これは採択すべきであります。

 これは、介護保険制度の見直しについて国や県による保険財政への支援や低所得者対策などについて意見書提出を求めた陳情であります。不採択の理由として、介護保険の改正が国会ですでに可決したことをあげていますが、今回の見直しは、基本的に本陳情者の危惧を解決するのもではなく、より一層不安を強めるものになっています。

 具体的には、施設利用者に新たにホテルコストを徴収するという負担増が盛り込まれ、例えば、今鹿児島市内の特養ホームに入所している85歳、要介護度4の方は、現在の月額50,430円の負担が、居住費、食事代というホテルコストが徴収されることにより、125,030円と、一挙に1ヶ月74,600円も負担が増えることになります。

 また、介護保険料の徴収対象を現在の40歳以上から最大20歳まで引き下げることを厚労省は検討し、2006年度末までに結論を出す方針です。まさしく、本陳情が危惧している展開であります。

 よって、安心して利用できる介護保険制度にするために、本陳情は採択すべきであります。

陳情5036号「社会保障制度の抜本的改革を求める陳情書」について

 これは、1項が採択、2〜5項が不採択となっておりますが、この第1項は不採択とすべきことを主張いたします。

 この陳情は、「3党合意の趣旨を尊重」し、特に第1項で「国民年金をはじめ各種年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しを行い、早急に実施すること」を求めています。

 政府は、昨年の6月5日に年金改正を強行しました。これによって、掛け金は毎年引き上げられ、受け取る年金額は減り続けるという最悪の年金制度に変えられてしまいました。この陳情の趣旨にある「3党合意」とは、この法改正の前月の5月6日に、自民党と公明党と民主党が取り交わした合意でありますが、これは、到底国民の願いに応えるものとは言えません。その内容は、@この大改悪の法案をまともな審議もなしに11日の衆院本会議で採決することA「社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付のあり方を含め、一体的な見直し」を行うこととして、消費税増税への道を開くもののなっていることB当時大問題となっていた国会議員の年金加入状況・保険料納入状況の公表措置について一切触れないまま法案を通すというものとなっております。

  わが党は、年金制度間の格差をなくし、国民から見て公平な制度をめざすべきだと考えます。そのために、一番具体的で、現実的な方法は、最低保障年金制度を創設して、国民年金と厚生年金の低い部分の底上げをはかり、全体として格差を縮小していくことです。こうしてこそ、誰もが「生存権」を保障される年金制度への道が開けます。

  第1項にあるように、現状の枠組みのもとで、国民年金と厚生年金、共済年金の保険料や給付水準の統一を「一元化」の名で行えば、保険料の大幅な引き上げか、もしくは給付水準の引き下げになるだけで、むしろ、年金制度を全体として貧しくする方向で制度を一本化することになりかねません。このような問題をもつ年金一元化を含む社会保障制度全般の一体的見直しを早急に実施することを求める第1項は、不採択を主張するものであります。

2005/06/06(月)
提案理由の説明
「米海軍P3C哨戒機部隊を海上自衛隊鹿屋航空基地へ移転することに反対する意見書」について

政府は、先に検討していた米軍空中給油機部隊の自衛隊鹿屋基地への移設計画を断念し、嘉手納基地の米海軍P3C哨戒機約10機を同じ鹿屋基地に移転する案を検討すると報道されました。

  先の反対討論でも述べたように、沖縄県では、米軍による「犯罪」「事故」が頻発し、これ以上基地との共存はできないと米軍基地撤去を求める声が強まっています。

  今回の鹿屋基地への移転案は、そのような背景のもとで、「沖縄県民の負担軽減」を理由に基地態勢の一定の再編を米軍基地の国内たらい回しによって解決しようというねらいの下に浮上したものであります。

  今回、鹿屋市及び鹿屋市議会が、2つの移転案に対して直ちにそれぞれ反対の表明及び決議等を行い、関係省庁等に申し入れを行ったことや、大隅半島の全ての自治体の首長と議長が名前を連ねる大隅総合開発期成会で反対の決議が上げられたことなどは、事の重大さと住民の不安と怒りの表れであります。

  よって、県議会として、県民の命と暮らしを守る立場で、米海軍P3C哨戒機部隊の海上自衛隊鹿屋航空基地への移転に断固反対するための意見書を提出すべきであります。

「小泉首相による靖国神社参拝の中止を求める意見書」について

 今、小泉首相の靖国神社参拝をめぐって、中国や韓国をはじめとするアジア諸国から強い批判の声が上がっており、我が国の外交はゆきづまっております。

 この問題は、21世紀に、日本がアジアの一員として生きていけるかどうか、日本の将来がかかった大きな問題であります。

 ここで問題になっている靖国神社は、日本の戦争を「自存自衛」の戦争、欧米の支配から「アジアを解放」するための「正しい戦争だった」として、戦争行為そのものをほめたたえること、そして戦争賛美の戦争観を広く国民に宣伝することを「使命」としています。

 政府が1995年に、日本の「植民地支配と侵略」を反省する見解を村山談話として明らかにしましたが、これに対しても、靖国神社は、「そもそも大東亜戦争に参加した者で、侵略のために戦った者は一人もいなかった」「台湾と朝鮮は植民地ではなく日本領であった」「嘘(うそ)とあやまりに満ちた村山談話」このように、靖国神社の宮司が顧問となってつくられた写真集に書かれています。

 靖国神社はこの立場で、A級戦犯を「ぬれぎぬを着せられた」人たちと美化し、「神様」としてまつっています。空襲や広島・長崎の原爆、沖縄戦の犠牲になった国民はまつられていません。

 そもそも「侵略戦争への反省」は戦後の世界と日本の原点であり、靖国神社の立場は、この原点を根本からくつがえすものであります。

 小泉首相の靖国神社参拝は、首相がどのような気持ちで参拝しようと、靖国神社の侵略戦争正当化の立場に政府のお墨付きを与えることになり、首相自身がのべた「侵略戦争への反省」とは両立しないものであり、アジア諸国から批判のこえが上がるのは当然であります。

 小泉首相が、靖国神社への参拝を中止し、「植民地支配と侵略」への反省を行動でしめしてこそ、日本外交がいま陥っているゆきづまりを打開することができます。

 以上の理由で、小泉首相による靖国神社参拝の中止を求める意見書を提案いたします。

 以上で提案理由の説明を終わります。

2005/06/06(月)

意見書についての反対討論

「社会保障制度の抜本的改革を求める意見書案」について

我が国の年金制度は、昨年6月に行われた年金法の改悪によって、毎年、掛け金が引き上げられ、給付は減り続けるという年金制度になりました。これは、この意見書案にあるような「改革」に値するものではなく、上限のない保険料の引き上げと給付の削減は、憲法25条にある「国民の生存権」を保障する政府の責任を放棄したものであります。

  わが党は、年金制度の一元化に反対するものではありません。年金制度間の格差をなくし、国民から見て公平な制度をめざすべきだと考えます。そのために、一番具体的で、現実的な方法は、最低保障年金制度を創設して、国民年金と厚生年金の低い部分の底上げをはかり、全体として格差を縮小していくことであります。

  本意見書案には「各種年金の一元化問題を含む社会保障制度の一体的見直しを早急に実施されるよう」とありますが、実際に、現状の枠組みのもとで、国民年金と、厚生年金・共済年金の保険料や給付水準の統一を「一元化」の名で行えば、国民年金を被用者年金に合わせれば、事業主負担のない国民年金の保険料は数倍に跳ね上がり、年金に加入できない人たちが更に増大することは必至です。逆に、被用者年金を国民年金に合わせれば、被用者年金の給付水準を大幅に引き下げるとともに、財界が要求しているように、被用者年金への事業主負担を無くしてしまう入り口になりかねません。日本経団連が一昨年1月に発表した「奥田ビジョン」では年金などの社会保険料の事業主負担をなくす方向を打ち出しています。

 このような問題をもつ年金一元化問題を含む社会保障制度の一体的見直しを早急に実施することを求める事には賛成できません。よって、本意見書案に反対するものです。

「米海軍哨戒機等の海上自衛隊鹿屋航空基地への移転反対に関する意見書案」について

次に、であります。わが会派は、標題にあるような移転には同様に反対の立場をとるものであります。

  しかしながら、本意見書案には、日米安保条約容認の姿勢が伺えます。

  アメリカのブッシュ政権は、米軍再編をすすめており、今回の問題はその中での在日米軍基地の再編計画の一環であります。

  そのねらいは、第1にアジア・太平洋、中東への戦略の最前線基地として強化してきた在日米軍基地を引きつづき維持し、拡大・強化しようということ。第2に「沖縄県民の負担の軽減」を理由に、基地態勢の一定の再編を、米軍基地の国内たらいまわしによって解決しようとしていること。第3に、自衛隊基地の米軍基地化と米軍と自衛隊の一体化であります。

  意見書案にある「日米安全保障会議の戦略目標」とは、本年2月に、ワシントンで開かれた「日米安全保障協議委員会(2プラス2)」で、共同発表された、今後の日米同盟と米軍再編の基本理念となる「共通の戦略目標」であり、その内容は、日米同盟の「死活的に重要な役割」を確認し、アジア・太平洋地域の様々な事態に共同対処するために、日米安保体制を地球規模に拡大することをうたっているものであります。

  ここで町村外務大臣は、日本全国の75%の米軍専用基地が存在する沖縄について触れ、「在日米軍の抑止力の維持」と「沖縄の負担軽減も重要」と述べたものですが、この「抑止力の維持」という立場は、在日米軍の存在の原因となっている日米安保条約容認の立場であり、そもそも今回の移転問題の根本的な原因になっているものであります。

  戦争のない平和なアジアの実現のためには、日本と日本国民を危険な道に引きずり込む根源である日米安保条約の廃棄、米軍基地の撤去こそ必要であります。よって、本意見書案に反対いたします。