2005年3月議会

一般質問(要旨)
○知事の政治姿勢について
 まず、知事の政治姿勢についてであります。
●戦後60周年と憲法「改正」論議について

 今年は、戦後60周年の年、そして被爆60周年の年でもあります。昨年12月議会において、本県議会は、核兵器など無差別大量破壊兵器を廃絶し、世界恒久平和を希求する「鹿児島県宣言」を全会一致で決議しました。「2度と悲惨な戦争をしない、起こさない」この思いは知事も同様だと思いますがいかがですか。

ところがここにきて、この「2度と戦争をしない。武器を持たない」と定めた憲法を変えようという動きが強まっており、これに対して今、全国各地で日本国憲法を守るという一点でむすびついた「9条の会」が広がっています。ここに、昨年末に高知県で開かれた「高知9条の会」の結成総会での自民党高知県連の元幹事長であった平山公敬さんの発言を紹介し、知事におたずねします。

「今の新しい憲法が制定、公布されたとき、武装した自衛隊員が海外に派兵されることを誰が想像したでしょう。日本は15年戦争によって310万人におよぶうら若き日本人を死傷させ、何の罪もないアジアの友人2000万人以上を殺し、それらの国土を荒廃させたわけです。戦争に負けてやっとその罪の重さに気づき、二度と戦争はしないことを固く誓い、憲法前文と第9条に「戦争の放棄」、「戦力の不保持」「交戦権の否認」を明記して、国民はもとより世界の人々に宣言し、約束したのが今の憲法だと思うのです。」こう述べています。続けて自民党や民主党の改憲の動きに対して強い憤りを持つことを述べ、最後にこう結んでいます。「かつて侵略戦争によりまして、アジアの人々に計り知れない苦難を与えた日本人として、平和憲法を忠実に実践することは、すべての日本人に与えられた崇高な精神であり、使命であると考えております。」「9条を守り、憲法改悪を阻止して平和な日本ができますことを心から祈る次第です。」

 知事にお尋ねします。憲法を守る意志がおありですか。お答えください。

●国民の負担増と小泉内閣の増税路線について

 続きまして、県民の生活実態についての知事の認識についておたずねします。内閣府の「国民経済計算」によりますと、1997年に消費税の5%への引き上げ、特別減税の廃止、医療保険の改悪で合わせて9兆円の負担増が押しつけられた以降、家計所得は年間数兆円規模で減っています。本県におきましても、統計課の資料によりますと、一人あたりの県民所得は2000年に若干持ち直したものの、ここ数年減り続けています。

 こういう中で、労働者にとっては雇用保険料のひきあげ、厚生年金保険料の引き上げ、住民税均等割の妻の非課税措置の廃止、年金生活者にとっては、公的年金等控除の縮小と老年者控除の廃止などの負担増が決まっており、今後さらに65歳以上で所得250万円以下の住民税非課税措置の廃止、所得税・住民税の定率減税の半減・廃止を政府は計画しています。その上、自民党と民主党と競い合うようにして、福祉財源を口実とした消費税の大増税ももくろんでいます。

 国による国民負担増の政治の中で、県内において、国保税の滞納世帯数は年々増加し2003年度は45,000件を超えました。生活保護受給世帯数も保護率も年々増加している、企業の倒産も続いている。これらにみられるように、県民の生活は厳しいものがありますが、知事は、このような県民のくらしの実態についてどのように認識しておられますか。小泉内閣がこれまで、そしてこれから進めようとしている増税路線にたいして、県民の暮らしを守り「力みなぎるかごしま」を創造しようとされる知事としてどのような見解をお持ちかお聞かせください。そして、低所得者ほど負担が重くなり更に生活難に拍車をかけることになる消費の増税には反対すべきと考えますが、いかがですか。

●公立高校統廃合問題について

 次に、公立高校の統廃合の問題について、知事の政治姿勢をお伺いします。 県教育委員会は2月25日、「公立高校の再編整備」として、種子島高校と種子島実業高校を、そして、徳之島高校と徳之島農業高校をそれぞれ統廃合することを決定したと発表しました。

 昨年9月に4校の名前を挙げて以来、半年もおかずに、決定の発表でした。徳之島では、2月19日に住民説明会。種子島では22日に住民説明会。その3日後に決定の発表です。

 教育長は、会見で、地元協議会から特に異論はなかったと言われました。しかし、地元協議会では、「時間をかけて論議してほしい。」「見切り発車はしないでほしい。」と強い要望や、校名や場所、教科などについて協議をと言いながら、回答も待たずに一方的に決めるやり方に怒りの声もありました。西之表市議会からも「協議期間を十分に確保するよう」求める要望書が知事宛に提出されています。

知事は「知事と語ろ会」を開き、「県民と対話・協働しながら」すすめる「開かれた県政」を標榜しておられます。知事、どうして、地元のみなさんの願いにそって、十分な時間をとっての協議ができないのでしょうか。県教委が地元の声を無視してあまりにも性急に強引に進めている現状を知事としてどのように認識しておられますか。もう少し協議の時間をとるべきと、知事として待ったをかけるべきではありませんか。これは、県民に対しての知事の政治姿勢が問われる問題です。ご答弁ください。

●水俣病患者への支援ついて

 最後にもう一つ知事の政治姿勢として、水俣病の問題についておたずねします。

 昨年10月15日に、水俣病関西訴訟の最高裁判決で、チッソとともに国・熊本県が水俣病の発生拡大の防止策を怠ったとする行政責任が確定しました。さっそく熊本県は、11月29日に、「今後の水俣病対策について」という方針を明らかにし、環境大臣に、国としての対応を要求しました。伊藤知事は、認定業務にあたっては、国の判断を待って対応する旨を明らかにされております。認定審査業務は、国から県が請け負った法定受託事務であり、国が、司法と行政の2重の認定基準を容認する姿勢を改めることが先決でありますが、鹿児島県内では、保健手帳と同程度の神経症状がある人で、総合対策医療事業の申請者でその対象とならなかった人や申請しなかった人が合わせて12,150人いるという推定が熊本県から発表されています。今回、患者さんからお話を聞きましたが、当時は、水俣病はうつる病気だと言われたり、結婚に差し障りが出ることや世間体を気にしたりして、申請したくてもできなかったということでした。

私は、学生当時に、水俣病現地調査に参加し、住民の方から、「自分たちは、当たり前に目の前の海の魚や貝をとり、食べてきた。どうして、自分たちがこういう苦しい思いをしなければならないのか。」という悲痛の叫びを聞きました。 

行政責任は国と熊本県にあるわけですが、この鹿児島県下にも、同様に水俣病の被害に苦しんでいらっしゃる人がおられる。知事として、この方たちに対して、どのような思いをおもちでしょうか。そして、熊本県が示している環境調査、健康調査、そして療養費の支給について、国に対して、熊本県と共同してもっと強く実施を迫るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○県民本位の財政再建について
 次に県財政の再建の問題にうつります。

●人工島について

 県は、先ほど「県政刷新大綱案」をまとめられました。

 その中に「本県においては、近年の国の経済対策に呼応し、遅れている社会資本の整備を図るため公共事業等を積極的に推進してきたことなどにより、県債残高が増嵩(ぞうすう)することとなった。」と書かれています。昨年10月に出された「鹿児島県財政の姿」の中でも、本県財政の特徴として「近年、公債費が大幅に増加してきており、義務的経費増加の最大の要因となっている。」と、まるで「公債費」が自然発生的にでも増えているかのような表現です。「有利な起債」として借金を積み重ねてきたのは県民ではありません。県自身ではありませんか。これが、「非常事態宣言」まで出し「県民に協力を求める」という立場での現状認識でしょうか。あまりにも、無責任、人ごとのような表現であります。県政の執行にあたっては県としての全体の財政状況を把握した上で事業を組み、予算を執行することは、当然のことであります。

 病気になった際にも、症状を和らげる対症療法とともに、もともとの原因にメスをいれる治療がなければ、根治はしません。

 同様に、県財政の立て直しには、この破綻状況を作り出した根本原因にメスを入れなければ、その場しのぎの数字のつじつま合わせに終わってしまうのではないでしょうか。

 ここに示された「県政刷新大綱案」とその年度ごとの具体化である「平成17年度予算案」は、その根本原因にメスをいれたものになっていないことを指摘いたします。

 その一つは、ムダな大型開発が温存されているという点です。

 その顕著な例として人工島建設と志布志港の整備事業をとりあげます。

人工島建設のこれまでの事業費は今年度までで、168億2700万円、内県の負担は106億5800万円。そして、このうち県債が101億4200万円。実に95%が借金に頼りながらの事業です。このような指摘をすると、「後に交付税措置される有利な起債」であると土木部長は答弁されてきましたが、地方交付税そのものが、2002年6月、閣議決定された「骨太の方針・第2弾」で地方交付税の削減が打ち出されているではありませんか。

知事は、9月議会での私の、人工島の必要性という質問に対して、「全体計画を作成した当時からいたしますと、社会経済情勢が大幅に変化し、見直しの時期にきていると考えております。」と答弁されました。その通り、社会経済情勢も変化し、その上、本県の財政状況も「非常事態宣言」を出すほどに悪化しています。どう考えても、1工区云々、2工区云々と言っている場合ではないでしょう。これ以上借金を重ねてすすめるべき事業でしょうか。即刻中止すべきです。

 知事は、2工区の埋め立てについては、「マリンポート在り方検討委員会」で検討していただくとされております。私は、この検討委員会を傍聴いたしましたが、この中で、未だ、71億円の経済効果を用いた説明がなされました。これに対して「6年前の試算では不十分ではないか」「どこからそんなに人がくるのか」という意見が出されておりましたし、また、「現状認識は一致していない。ここで決めていいのだろうか。」「県民に対して、自分が加害者になりたくない」このような率直な意見が出されています。

 知事にお尋ねします。「在り方検討委員会」での論議をどのように受けとめ、委員会でまとめられるであろう提言をどのように活かしていかれるおつもりでしょうか。県民の意見を聞きたいといわれるのなら、直接住民に人工島建設の是非を問う住民投票を実施すべきと考えますがいかがですか。

 志布志港の整備も同様であります。新若浜地区の整備は、これまでの総事業費224億8800万円のうち、県の負担は118億100万円そして、そのうち実に96.6%が起債によるものであることをここに明らかにしておきます。
●談合防止について

 また、歳出削減策としてわが会派が提案し続けているものに、談合の根絶があります。今回、「談合情報処理要領」の見直しがなされた2004年2月20日以降、現在までの約1年分について、県土木部発注の予定価格2500万円以上の1158件の工事について、入札状況を調査いたしました。

その結果を表とグラフにまとめましたのでご覧ください。

落札率が95%以上のものは990件実に85.5%にあたります。この中でも、驚くことに98%以上のものが122件もありました。土木部長はこの結果をどのように思われるでしょうか。見解をお聞かせください。

一般に95%以上の落札率は談合の可能性があると言われています。このうち、予定価格5000万円以上のもの475件について、適正な競争が行われ80%で落札すればいくらとなるか計算しました。すると実際の落札価格より82億4172万円も安くなりました。これは、全体からすれば一部ですから、談合を根絶すれば、大幅な歳出削減になります。

本県の「談合情報処理要領」が改正されてから後、17件について談合情報が寄せられ、事情聴取が行われましたが、結果は全件否定となり、その内、8件について公正入札調査委員会が審査をおこないましたが、結局談合が認められず、全て契約が締結されています。これは、審査自体が、第7条に定めてあるように業者への事情聴取の報告に基づいて行われているからです。そのように、談合の認定に全く実効性のない手法をもって談合防止のための「改善」とすること自体、談合を防止どころか温存しようとしているとしか思えません。本県の県財政再建のためにも、歳出の削減策として本気で談合根絶のために、実効ある策を講じるべきだと考えますが、いかがですか。

●住民の福祉の後退を招く補助金カットについて

 ここで、次に事務事業の縮小・廃止についておたずねいたします。

 保健福祉部の事業見直しの中に、「社会福祉設備資金利子補助事業」を段階的に縮小し、2009年度から廃止するというものがあります。

 社会福祉法人の利子補助金というのは、1968年に創設されました。当時は10分の10の補助であったものが、途中、3分の2の補助に縮小され、2003年からは、全て2分の1の補助になりました。この事業の対象となるのは、社会福祉施設、児童福祉施設、知的障害者援護施設、老人福祉施設、母子福祉施設などで、昨年度の実績で、対象となっていたのが290件、金額で2億2935万円の事業でした。これが、今回の見直しで、段階的に縮小され、2009年度には廃止されることになります。これらの中でも補助が多い特別養護老人ホームのある施設長にお話を伺いました。「介護保険制度の見直しや介護報酬の改定などが行われる中で、事業所は大変厳しい経営を強いられている。国による『職員いじめ』『入所者いじめ』だ。この中で、県のこの補助が無くなるのは、より一層経営を厳しくしていくものだ。」と話されました。

 その一方、「ふるさと融資」という企業への無利子の貸付制度があります。条件として、「公益性、事業採算性及び低収益性」であること、「新たな10人以上の雇用の確保」があることなどが規定されています。現在、繰り上げ償還の分を除くと、9の企業に総額113億900万円が貸し付けられ、今年度まで、総額19億324万2000円の利子を県が負担してきています。平均で年に2億円ほどの負担になります。さきほどの社会福祉法人は290件、2分の1の補助で2億円ほどです。

 「ふるさと融資」の「貸付要綱」には先ほどの条件に違反また義務の履行を怠ったときは償還期限を繰り上げて償還させることがあると規定されていますが、毎年、どのような形でその検証がなされているのか。また、今回の事務事業の見直しで、社会福祉法人は2分の1の利子補給が廃止され、「ふるさと融資」は全額の利子補給が継続されている。大企業にやさしく、福祉に冷たいと感じるのは私だけでしょうか。社会福祉法人の利子補給事業の廃止について、考え直されるおつもりはないかおたずねいたします。

 また、様々な団体の運営費補助について廃止や縮小が出されています。「県難病団体連絡協議会」「原爆被爆者協議会」「県手をつなぐ育成会」などへの運営費補助については、当初、縮小や廃止という方針で交渉がなされましたが、その結果、3年間という限定つきで継続となっています。その理由として「生活弱者等の方々への支援につながる団体であることに配慮し」とありますが、当然のことであります。前の2団体は年間35万円前後の補助金です。こういう団体の補助金まで打ち切ろうとされた。

その反面、補助金廃止の対象とならなかった団体があります。運営費補助の一覧から見ると対象とならなかったところが圧倒的に少ないのですが、その中で、目につくのが同和関係の団体です。部落解放同盟県連合会へ1737万円、全日本同和会県連合会へ1125万円、県部落解放運動連合会へ243万円、いずれも2004年度と同額の予算が組まれています。

なぜ、難病の患者さんの団体の年間34万円が縮小の対象にあがり、同和関係の運動団体の1000万円以上が対象とならなかったのかお答え頂きたいと思います。

 財政の立て直しのためには県民にとってムダな歳出の削減も大事ですが、それとあわせて、いかに歳入を増やしていくのかが大事です。

 「県政刷新大綱案」を見ると歳入の取り組みとして、県税の減免措置の見直しや使用料・手数料の見直しなど県民の負担増によって歳入を増やしていく方針が示されています。冒頭にも述べたように、小泉内閣の増税路線によって、国民のくらしは追いつめられています。そして、更に、県財政の再建という理由で、県民に負担増がおしつけられようものなら、ますます県民のくらしは立ちゆかなくなってしまいます。

 本当に抜本的に財政を立て直すのであれば、本県の産業を振興し、中小企業を支援し、地域を活性化させることが大事ではないでしょうか。

 特に本県は、農業は基幹産業でありますが、事務事業の見直しで一番多かったのが農政部関係であり、特に農畜産物の価格保障に関する事業が廃止・縮小となっています。本県の農畜産業の家族経営の実態に即した農産物の価格保障と農家の所得保障こそ必要です。知事の本県の農業に対しての認識を疑わざるをえません。「食と農の先進県づくり大綱」をまとめ、農林水産業を守り育てるといわれますが、言われることと実際になされていることと違うように思えてなりません。農政関係の事務事業の見直しについての知事の見解を求めます。
 

●答弁うけて

 土木部長に再質問いたします。先ほどの私の質問に対して、直接お答えになりませんでしたので、おたずねいたします。この数字について、談合があったかもしれないとお思いですか。
●土木部長再答弁を受けて

  ここに、落札価格が99.19%の入札結果表があります。これは、落札額と一番高かった業者の金額の差は110万円でした。この範囲で、16の業者がひしめきあっているのです。考えられますか。

 談合によって生まれた多額の儲けは県民の税金です。談合は違法行為です。土木部長として本気で談合の根絶のために努力されることを強く要望します。

○県民の暮らし・福祉を守る県政について

  財政が厳しい中でも、県民のくらし・福祉を守るべきという立場にたって、いくつかの質問をいたします。

●乳幼児医療費の現物給付で子育て支援について

まず乳幼児医療費の助成制度についてであります。

 全国都道府県での乳幼児医療費助成制度の現物給付となっているのは  31都府県です。本県では「コスト意識」をもつことを理由にして健償還払い方式となっていますが、そもそも医療給付は原則として現物給付です。

乳幼児医療費助成を手続きが面倒な償還払いとしているのは、給付を制限するため、つまり利用を抑制するためのものとしか考えられません。全国で過半数を超える県が、国保のペナルティを課せられながらも、現物給付を実施しているのは、なぜでしょうか。未来の社会を担う子どもたちの健やかな成長を願い、子育て世代を応援し、少子化対策として、社会で取り組むべき課題だという認識の上に立っているからではないでしょうか。反対に「コスト意識」云々を言われる本県は、未来社会を担っていく世代を育てる事は、社会全体ではなく、家庭や個人の課題だといわれるのでしょうか。現物給付についてはその気になれば、助成の方法については、他県の状況を研究し、医師会とも協議し、工夫ができるはずです。見解を求めます。

●介護保険制度の見直しと訪問介護労働者の労働条件改善について

 次に介護ヘルパーの労働条件の改善についておたずねします。

 2000年4月に介護保険制度がスタートし、5年目を迎え、今、国会では制度の見直しについての論議がなされています。政府が示した法案は、際限ない国民への負担増と給付抑制を進めるものとなっています。

 知事は、先日、他会派の代表質問の答弁で、今回の見直しについて「概ね妥当」であると言われました。

しかし、施設利用者の負担増総額は年間3000億円で、施設利用者は74万5千人ですから、単純に見れば一人あたり40万円もの負担増になります。また、在宅の利用者の給付内容も、介護給付費を抑えるため、「介護予防」と「給付の効率化」という名で軽度者のサービス利用を抑制する中身です。このどこが妥当なのでしょうか。社会保障は国民がサービスを受け、生活を支えるためのものであり、受け手の人たちが払うこともできない、サービスも受けられない制度では意味がありません。

 まず、特別養護老人ホームの待機者の人数の把握についておたずねいたします。

 先日、厚労省の調査で、全国45の都道府県で33万人の特養ホームの待機者が居ることが明らかになりました。この45都道府県というのは、本県と広島県だけが調査していないからでした。広島県に尋ねたところ、「措置から介護保険制度になって、待機者というとらえ方をしておらず、平成14年の利用実態調査での推計値4272人という数字は持っていたが、それを答えなかったため。」という回答でした。であれば、全国で本県1県だけが、待機者の実態について調査していないことになります。

このような指摘に対して、保健福祉部長は「高齢者保健福祉計画において、それぞれの市町村の積み上げの数値をもって目標量としている」と言われます。しかし、市町村の担当課に尋ねても、待機者の人数は把握していないのが実情です。県が待機者の実態についての調査を求めていないのだから、市町村も調査しようとしないのでしょう。実態も調査せずに目標値を出して、本当に県民の要求に応えられる福祉行政ができるでしょうか。全国で本県だけおこなっていない特養ホームの待機者の実態調査を直ちに行うべきだと考えますがいかがですか。

もう1点、訪問介護労働者の労働条件の改善について質問いたします。

昨年8月27日に、厚生労働省の老健局から、各都道府県の介護保険担当部長、つまり、本県では保健福祉部長でありますが、その部長宛に「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」という文書がだされました。ここにその写しがあり、8月31日に受け付けたという印がおされています。

 これは、厚生労働省労働基準局から出された通知にもとづくものですが、訪問介護労働者、ここではわかりやすいように、ホームヘルパーという言葉を使いますが、ホームヘルパーは、介護保険制度を支える重要な役割を果たしているにもかかわらず、労働条件が大変劣悪で、たとえば、利用者宅へ行く移動時間の賃金保障がない、利用者宅への交通費の支給がない、利用者がキャンセルしたときの手当の支給がない、報告書記入や提出時間の賃金保障がない、年次有給休暇や生理休暇がない、研修・事例検討会議参加の賃金保障がないなどまだまだあげればきりがありません。このような実態が全国でみられることが改善すべき問題点として認識されたからであります。

 この厚労省の通達には「関係行政機関と連携・協力の上、管内市町村、関係団体及び関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾なきを期するようお願い」と書かれています。ところが本県では、介護国保課長名で、各指定訪問介護事業者へ通知がなされたのは10月26日でありました。それもただ1行「標記のことについて、厚生労働省老健局振興課長から別紙のとおり通知がありました。」とあっただけです。

 おたずねします。厚労省通達とともに届いた労働基準局の通知の内容にあるような訪問介護労働者の労働実態について、保健福祉部長はどのように認識しておられるのか。また、厚労省から通達があってから、訪問介護事業者への通知まで2ヶ月かかっておりますが、それはなぜか。そして、通達にあるように「運用に遺憾なきを期するように」どのような取り組みをなされたのかお答えください。

●児童相談所の充実と児童福祉士の増員について

続いて、児童相談所の機能の充実についておたずねいたします。

わが党は、県に対して毎年行っている予算要求で、児童相談所について、少なくとも大隅地域、北薩地域に2カ所設置することを要求してきており、今回鹿屋市に大隅児童相談所を設置するための予算が補正と来年度当初予算で組まれていることを歓迎するものであります。しかしながら、機関を設ければ解決する問題ではなく、増えている虐待などの相談に対して、対応できる人の配置がより重要であります。

国においても、厚生労働省は、児童福祉法施行令で定める児童福祉司の配置基準を、現在の「人口10万人〜13万人に一人」から「5万人〜8万人に一人」に引き上げ、各自治体に増員を促すことを決めました。

本県においては、児童福祉司の増員について、どのように取り組んでいかれるのかおたずねいたします。

●県道鹿児島吉田線の渋滞解消について

 次に、県道鹿児島吉田線の渋滞の解消についてであります。

 県道鹿児島吉田線は、九州自動車道の吉田インターに接続しており、鹿児島空港へのリムジンバスが下りだけで1日54本運行しています。何よりも、吉田や吉野台地から市内への通勤・通学の唯一の幹線道路であり、路線バスが同じく下りだけで1日135本走っています。合わせると1日上り下りで400台近くのバスがこの県道を走っていることになります。これだけの交通量にもかかわらず、片道1車線ですから、朝夕の通勤・通学の時間帯はもちろん、日中でも渋滞が続いており、この県道の渋滞問題は、吉野地域住民の長年にわたる懸案事項となっています。

 特に、渋滞の原因となっているのが、養護学校交差点と帯迫交差点の右折車両で、県道全体の拡幅に優先して、この2カ所の交差点の改良が求められています。私は、一昨年の9月議会で県議となって初めての質問で、この件について取り上げました。養護学校交差点については、昨年度から用地取得が始まりましたが、目に見えた進展がなく、住民の間では、いつになったら始まるのだろうかという疑問の声がありましたが、ごく最近になって、移転を知らせる張り紙などが店舗に張られるようになり、いよいよ始まったかと住民の皆さんが喜んでおられるところであります。

しかしながら、この渋滞は、その300m先の帯迫交差点の改良も合わせてすすめなければ、渋滞解消にはなりません。帯迫交差点は、バスだけでも直進がリムジンと路線バスで1日121台、右折は68台通ります。

 そこでおたずねします。養護学校交差点と帯迫交差点について、改善の必要性をどのように認識しておられるのか。そして、現在の進捗状況と今後の見通しについてお答えください。

●答弁を受けて

  ご答弁いただきました。

県道については、県民のくらしにとっては、毎日の通勤・通学や通院や買い物に通る道路が最優先に改善してほしい道路であります。県財政が厳しい時だからこそ、県民の日々のくらしに目線をおいた峻別と重点化を図って頂くことを強く要望します。

 児童福祉士については、厚労省が示した基準によると、本県の人口からすると、最低でも22人、5万人に一人とすると35人にもなります。

 厚労省は、児童福祉司の資格要件も緩和することとしています。この配置基準は強制力は無いとのことでありますが、年々増えている県民からの相談に答えていくためにも早急に児童福祉司の増員を要求いたします。

本県の現在の最大の課題は財政再建であります。

私は、「県政刷新大綱策定委員会」を傍聴いたしましたが、委員のお一人の発言が印象的でした。「県は財政が大変だと言って、非常事態宣言を出して県民に協力してほしいと言われるが、県の施設を見るとどれも豪華で、お金がないと言われても納得できない。」「財政が大変でも、子育て支援など、福祉を充実させてほしい。」こういう意見でした。

 県政の執行にあたっては、県民から信頼を寄せられることがまず第1であります。県が財政破綻の原因とその責任について真摯に反省し、その原因である大型開発にメスを入れることなしに、県民の信頼と協力はかちとれません。

 その信頼の上に立って、県民のくらしと福祉を守る県民本位の財政再建を図るべきであるということを重ねて述べまして、私の質問を終わります。

反対討論(補正予算)(要旨)

●「平成度16年一般会計補正予算案」について

 今回の補正は、事業費の確定や国の補正に対応するものがおもになっておりますが、歳入の中で、財政調整に活用可能な基金からの取り崩しを310億円予定していたものを基金に193億1900万円積み戻して、新たに「地域再生事業債」を58億円起債するというものも含まれています。

 私は、起債の全てが悪であると言っているわけではありません。本県のように財政のきびしい中で、総務省がその対策として示している措置を適切に活用することも必要です。「地域再生事業債」はというのは、地方交付税の代替え的な側面をもっています。しかし、自治体の借金であることに変わりはありませんから、あくまでも、厳しい財政事業のもとで住民に必要な事業を行うための財政努力、つまり、できるだけ一般財源を住民の福祉やくらしに活用するためという視点をしっかりと押さえて対応することが大切です。県民にとって不用不急な事業は行わないのが大前提です。

 ところが、その不用不急の事業、県民のくらしにとって本当に必要かどうか定かでない、反対世論も強く起こっている人工島建設や志布志港新若浜地区の整備事業、名瀬市のおがみ山バイパスや和光バイパスなどは、多額の事業費を費やして行われています。

 そして、その一方で、一般会計の39億7900万余円の減額補正の中に、県民のくらしや福祉にとって必要な事業費の縮小が含まれているのではないかと危惧されます。

 ここでは、2点について、問題点を指摘いたします。

  その一つは、土木部の設計単価調査費の減額であります。2,650余万円が約半分の1,380余万円に減額されております。これは、公共事業の設計単価を定めるための実態調査に要する経費でありますが、今年度は単価の変動が大きく無かったということで、通常年に2回していたものを1回だけにしたための減額となっています。この公共事業の設計単価の問題では、わが党は以前からその問題点を指摘しておりますが、たとえば労務単価について、職種ごとに単価が定められており、1日あたり特殊作業員20,200円、普通作業員が14,700円、軽作業員が10,300円などという単価になっています。しかしながら、実際の労賃は、この半分からよくても7割程度が実態です。この実態調査が現場の実態を本当につかんだものになっているのかはなはだ疑問です。

  これは、資材単価についても同様であります。わが党に寄せられた建設土木会社の現役の現場監督からの告発によると、「2004年4月よりコンクリート2次製品の設計単価が平均17〜18%上がっているが、実勢単価(市場単価)は上がっていない。領収書や請求書の操作が行われている。」として、実勢価格調査の在り方の問題点を指摘しています。

  労務単価にしても、資材単価にしても、この実態調査に基づいて設計単価が決められ、その積算で予定価格が決まり、その元で入札が行われていることを考えれば、県としては、実際の労賃の引き上げのための努力と共に、調査の在り方を抜本的に改善して実態を的確に調査し、設計単価を実態に即したものにしていくことが必要です。そのためにも、この事業は、減額ではなく、必要な予算を確保すべきであります。

 もう1つは、商工観光労働部の職業能力開発校費が総額9,500万円の減額となっている点です。これらは、実施人員が見込みより少なくて、その分の訓練手当支給が減額となったものなどですが、果たして本当にニーズがなかったのかきわめて疑問であります。今、中高年や障害者の雇用情勢の大変な厳しさを考えたとき、これらの事業は大変有効で必要な事業であり、これらの事業を必要としている人たちのために、十分な周知徹底がなされていたのか疑問をもたざるをえません。今こそ、ハローワークとも十分に連携をとり、これらの事業の活用と拡大すべきです。

 以上の理由から、本議案に賛成できないものであります。

議案第4号「県港湾整備事業特別会計補正予算」と第10号「土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求める件」について

 これらの中には人工島建設事業費と志布志港新若浜地区の整備事業費が含まれております。

  人工島についての鹿児島市の負担は、今年度の1億7,360余万円を加えるとこれまでで約23億1,700万円にものぼります。内約72%の16億5,800万円は起債によるものです。

 同様に、志布志港の整備事業についても志布志町の負担は今年度新たに2億9,975万円が加わって、総額約23億4,200万円となり、志布志町の財政を大きく圧迫しています。

 一般質問でも申し上げましたが、社会・経済情勢の大きな変化、そして、県財政の非常事態の中で、これらの事業が、県下の自治体やその住民に多大な負担をかけながら推進すべき事業であるのか、はなはだ疑問であります。 

 以上の理由から、本議案に反対するものであります。

●議案第11号から15号までについて

 これらは、いずれも市町村合併についての議案であります。

 毎回申し上げておりますが、わが党は、市町村合併について全面的に否定するものではありません。現在全国に、日本共産党員の首長が3市9町1村におりますが、その中で、兵庫県の南光町や出石町は、現在合併に向けて準備を進めております。南光町では、住民説明会を行い、住民投票を行いました。そして、住民の意思に基づき、合併の準備が進められ、その中で、国保税や介護保険料や保育料などをはじめとする様々な住民サービスや住民負担について、具体的な金額も示され、新しいまちづくりの協議が行われています。

 反対の理由の第1は、本県で、すすめられている市町村合併は、残念ながら、真に住民の意思に基づいたものとなっておらず、合併によって住民サービスや住民負担がどのように変化するのかは検討が先送りになり、住民に明らかにされないままで、進められているという点です。

 今回の議案にある、新しく設置するとされる日置市、霧島市、曽於市、鹿屋市、肝付町の中の20自治体の中で、実際に住民投票でもって住民の意志の確認が行われたのは、溝辺町と隼人町だけでした。輝北町や串良町で行われた住民投票は、実際に今回の議案にある枠組みとは別の枠組みを問うものでした。また、大隅町や吾平町では、住民から直接請求された住民投票条例案を議会が否決しました。

 また、今回の議案の合併は、これまでの合併もそうであったように、その枠組みが2転3転した合併でした。これは、今回の平成の大合併が、もともと、住民の側から必要とした合併ではなく、国と県とが「合併は避けて通れない」として、強引に推進してきたもとで始まったものであることの証でもあります。

 そして、住民サービスについては、たとえば、肝付町で、保育料は18年度統一する、国保税は合併までに調整する、介護保険料は18年度に統一するというように、合併後の自治体での具体的な制度の内容の検討は先送りにされています。他の4市も同様であります。

 本来なら、合併に向けて、十分に協議し、その内容を住民に知らせた上で、その意志を住民投票で確認し、合併を決めるべきではないでしょうか。3月末の現行合併特例法の適用をめざすあまりに、性急に進められている合併であります。

 第2の理由は、これらの合併が、住民の利益に反するおそれがあるという点です。

  ここで、姶良中央地区合併協議会が昨年10月に作成した、財政シュミレーションを紹介いたします。

 1市6町が合併した場合と、それぞれが単独でいった場合との普通建設事業費の比較がありますが、合併後10年間はほぼ現在の事業費が確保できますが、その後は、急激に減少し、現在の2分の1にも満たなくなります。また、合併後20年で、約326億9000万円の赤字となり、基金もマイナス40億円となることが明らかになりました。

 知事は、県下の市町村に、「合併しなければ不利になる」と言って、国と一緒に自治体リストラの応援をされておりますが、合併すればその将来にどんな明るい未来が保障されるのでしょうか。合併後10年間は地方交付税の算定の特例を受けることができますが、やがて、合併した方が地方交付税が大幅に減っていくのは明らかです。もともと平成の大合併は、総務省が「画期的な行政改革手法」としてすすめてきたものであります。

 今、合併が決まったまちでは、合併を前にして、様々な住民サービスの低下が進められています。隼人町では、住民税や固定資産税の納期が4期に、国保税は8期にするという条例改定が決まりました。これは、従来の集合税方式、10期納入方式という1回あたりの税負担が最も少ないという優れた住民サービスを大きく後退させるものです。

 また、財部町、末吉町、大隅町で現在全ての70歳以上のお年寄りに、年1回支給されている敬老祝い金制度が、合併を期に70歳、77歳、80歳、88歳、90歳、99歳以上という節目支給に替えられようとしているということで、反対の署名活動も始まりました。

 以上のように、今回議案としてあがっている合併は、真の住民の意思の確認がなされておらず、また、住民にとって不利益となる可能性が非常に高いという問題点を指摘し、私の反対討論といたします。

反対討論(当初予算)(要旨)
●議案第19号「平成17年度鹿児島県一般会計予算」と第23号「平成17年度県港湾整備事業特別会計予算」

 当初予算の歳入8206億200万円の中には、その13.2%を占める1079億6800万円の新たな県債の発行が含まれています。

 伊藤知事が本県の財政改革のために策定するとされている「県政刷新大綱案」には、公債費が「今後も近年増発した県債の償還が継続することになる」ことから、「今後、新規に発行する県債を抑制することにより」「公債費が増加しないように管理」していくとあります。確かに16年度と比べて、新たな県債は多少減少はしておりますが、それでも年間予算の1割を超える借金を頼りながらの予算編成であることに変わりありません。

 ここで、問われてくるのは、予算の何を削って、何を守っていくのかということであります。 ここで、いくつかの問題点を指摘いたします。

 その一つは、わが党が一貫してムダ使いであると指摘している人工島に、特別会計の分も合わせて、7億9600万円、同様に志布志港整備に36億900万円が計上されている点であります。

 そもそも人工島は、1987年、昭和62年に閣議決定された「第4次全国総合開発計画」に海洋開発として「沖合人工島構想」が事業として盛り込まれたことに端を期し、その後1991年に「鹿児島県総合基本計画」の中に「ウォーターフロントプラン21」として具体化されたものです。4全総から考えると18年前、県としても14年前の構想に基づいて行われているのであります。

 志布志港整備も、先に開発ありきで進められたものであり、これらの事業が、現在の経済情勢、そして本県の財政状況の中で、さらに借金を重ねてまで進めるべきものでしょうか。「ここまで来たからやめるわけにいかない」といって過去の計画にしがみつくのではなく、今、県民のためにやるべきことを見極め、英断を下すべきです。

 更に、もう一つ削減すべきものとして指摘するのが、同和関係の予算であります。私は一般質問でも、多くの団体への補助金が縮小・廃止される中で、同和関係の団体への補助金は昨年度同様計上されていることを指摘いたしましたが、教育費の中の人権教育研修会等出席者旅費が3,300万円計上されており、16年度の1,614万円と比較して2倍以上の予算となっています。これは、九州地区人権同和教育夏期講座が8月に鹿児島市内で行われるため、例年の2倍の予算で人の派遣をするというものであります。この主催は、九州地区県同教連絡協議会であります。民間の研修会に、教員が自分の意志で参加するのは自由であります。しかし、これは、明らかに、県が旅費を支給して派遣しているのです。このような派遣は直ちにやめるべきであります。

 反対に、「住民の福祉の向上」のために行うべき事業で削減されているものを指摘いたします。その一つが保健所費の中の離島移動保健所事業であります。これは、保健所を容易に利用できない離島地区住民の健康の保持と増進を図るために要する経費であり、現在、三島村と十島村での定期健康診査や健康相談が行われてきました。これが、16年度249万円計上されていたものが17年度は96万円に削減されています。これは、これまで、この定期健康診査に県が支援していたのを、事務事業の見直しの中で、本来市町村がやるべき事業であるということで、この分の予算計上を打ち切ったものであります。三島村も十島村も、このままでは、健康診査ができないとして、17年度は県に機材と人の派遣をお願いして了承されたとほっとしている状況ですが、将来的にも村単独での実施は難しいと言われており、県は、このような予算こそ守るべきであります。

 もう一つ指摘するのが、「木の机で学ぼう普及事業」であります。先ほどの委員長報告にもありましたが、これは平成9年度から始まった事業であり、次代を担う児童・生徒を対象に、地域の木材にふれあう機会を設け、地域の森林・林業・環境の重要性や県産材利用への理解や関心を深めるとともに「木のよさ」の普及啓発を図る目的で、小中学校に学童机・椅子を整備するとしています。これまで、8年間で、28市町村で実施され、総数13,893セットが整備されています。補助率も最大50%近くあったものが、15年度は25.7%、16年度は15.4%の補助率と大幅に引き下げられました。それ自体も問題でありますが、それでも人気が高く、年々伸びている事業でした。それが、17年度に事業自体が廃止となっています。私は、この事業については昨年の3月議会の一般質問でもとりあげましたが、例えば川辺町では、この事業で町内産のヒノキを使って木の机を作り、1年生に贈り、児童はその同じ机を6年生の卒業まで使い、卒業時には机の天板を記念としてプレゼントされるというものです。川辺町では、13年度からこの事業を導入しており、中学校は全部整備されましたが、小学校はあと2学年分を残しています。17年度は町単独で引きつづき事業費が計上されているところです。また、加治木町では、15年度からの導入で、同じく新1年生を対象としており、今、小学校では2学年分、中学校は16年度からの導入でまだ、1学年分しか整備されていません。

 県は、本事業の廃止の理由に、本事業の「木製机の導入の呼び水としての役割を果たせた」ことと合わせて、「本来小中学校の備品の整備は市町村の役割」とういことをあげられておりますが、この事業が果たしてきた本県産材の振興や児童・生徒の情操教育という観点から考えたとき、このような事業こそ、県として力を入れて進めるべき事業ではないでしょうか。この事業は廃止ではなく、復活すべき事を主張し、本議案の反対の理由といたします。

●議案第31号、第34号、第42号、第43号について

これらはいずれも「国民保護法」にもとづき、改正並びに制定される条例であります。

  県は、「国民保護協議会」を設置し、「国民保護計画」策定にあたっての答申を得たいとしています。

  そもそも、2004年12月に発表された基本指針「要旨」は、本土決戦・本土空襲・核攻撃を想定し、全住民の県外への避難を含めた国民保護計画を作成し、ただちに実働訓練を行えとしていますが、同時期に発表された「新防衛計画大綱」では、防衛庁・自衛隊自身が「この国への本格的武力攻撃があり得ない」として、これらに対応した正面装備は縮小されることになっています。可能性がないから着上陸攻撃や航空攻撃に対する配備は縮小するが、国民の避難計画や避難訓練だけは地方自治体に強化させる、このような理不尽な要求を政府は地方自治体におしつけているのであります。

  県は第34号で「危機管理局」を設置し、自衛隊OB1名を含める職員36名を配置し危機事象発生に対応するとしています。

  ここで言う「危機事象」とはどういうことをさしているのでしょうか。

  国民保護法には戦争と自然災害を同一視する思考が貫かれておりますが、自然災害と戦争とでは「危機」の性格に違いがあります。自然災害は、基本的に一過性のものであり、「敵が占領地域を拡大して攻撃する」とか「避難先に爆撃が加えられる」などということはありえません。「敵」にあたるものは、意志をもたない自然であって、被害救援に一元化して考えればよいのです。また、「情報」の取り扱いについても大きな違いがあります。自然災害では、情報の迅速な公開と正確な伝達が求められ、住民の理解と相互の信頼が応急対処を支えます。しかし。「作戦の秘密」「軍機」にかかわる戦争では、情報の完全な公開など考えられず、「防諜」のための相互監視こそが要求されます。さらに、地方自治体の役割も自然災害では、自治体に第1次的な役割が期待され、政府機関はバックアップするのが使命となるのに比べ、戦争や「大規模テロ」などの有事では、住民保護の分野では地方自治体の積極的な役割が期待されますが、もう一方の侵害排除、つまり作戦では、政府の専管事項に属していて地方自治体の自主性やイニシアチブなど入り込む余地はありません。

  以上のように、戦争と災害では応急対策も大きく違ったものであり、全く本質的に異なった事態を「被害の結果が似ているから」という理由で重ね合わせようとするのは、危機管理の本質からはずれた誤りであります。と同時に、戦争を引き起こす政府を免罪することになります。
  国民保護協議会を設置しないことに対して、国が関与する道筋は、武力攻事態法・国民保護法には規定されていません。

  軍事化しない自然災害対策の充実で突発の事態に備えるという道もあるのです。昨年のあいつぐ台風や新潟県中部地震やスマトラ島沖地震と津波の被害、そして先日の福岡県西方沖地震など、世界とこの国が深刻な自然災害と向かい合っているいま、有事法制に組み込まれようとしている全ての地方自治体に問われているのは、「真にそなえるべきは、戦争なのかそれとも自然災害なのか」「戦争の道か平和の道か」ということではないでしょうか。

  有事法制・国民保護法制のもとでも、県は県民とともに非戦・平和の道筋を追及し、真に県民の安全を守るべき方向を模索すべきであると言う理由で、これらの議案に反対するものであります。

●議案第64号、第67号、第86号について

 これらは、いずれも県の公の施設を「指定管理者」に管理を行わせるための条例改正です。この3件の他にも、同様の指定管理者導入の議案が22件ありますが、一括して反対の理由を申し述べます。

  地方自治法第1条にあるように、地方公共団体は「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」ことが求められています。この「住民の福祉の増進」などの役割を果たすために、地方公共団体は各種の「公の施設」を設置して広く住民の利用に供するとともに、設置主体である地方公共団体がその管理を直接行うことが原則とされています。

  その例外として、従来は、受託主体の公共性を指標とし、公共団体、公共的団体および政令で定める出資法人に限り「管理委託」することが許されていました。

  今回の地方自治法の改正によって、「法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するもの」つまり「指定管理者」に「管理を行わせる」ことが規制緩和されました。この緩和の一つは従来できなかった株式会社や営利法人、NPO法人、また法人格を有しない民間団体まで対象が認められたことです。そしてもう一つに緩和は、単なる業務の委託ではなくて、施設全体の維持・管理や行政処分など、たとえば利用料金の設定から収受まで、これまで自治体が行ってきた業務まで任せることです。

  この「指定管理者制度」の問題点は、一つに、「公の施設」の管理を営利企業に任せてしまえば、営利追求のために利用料金が上がったり、サービスが低下したりする危険性があるという点です。2つ目に、これまで「公の施設」の受託先であった公共団体や出資法人の解散・整理等とそれに伴う職員等のリストラの問題が出てくるおそれがあります。3つ目には、利用料金を定め、自ら収受でき、また職員の賃金・労働条件や契約形態を事業者に有利に定めることにより、多大な利益を得ても、それを住民や利用者に還元する必要がないということです。つまり、指定管理者制度は「公の施設」を収益事業の対象とするものであります。

  たとえば議案の64号にある川内自興園は、知的障害者の授産施設であります。17年度予算で、1億9500万円の管理運営費が計上されています。ここは、現在「県社会福祉事業団」が管理を委託されており、知的障害をもつ50名の入所者に対して、嘱託医も含めて23名の職員で、農産園芸をはじめとして企業から委託された製品の製造などの授産支援や、自立への生活をめざしての生活支援などが行われています。私は、障害児通所施設の指導員として、同様の知的障害者授産施設での実習の経験がありますが、このような施設の職員に求められているのは、知的障害をもつ利用者への理解と共感であり、それは、一般の企業に求められる効率性や高収益性とはかけ離れたものであります。これは直接利用者に係わる生活指導員や作業指導員だけでなく、事務員や栄養士や調理員も含めて施設の職員全体で、利用者に係わる中で真の支援ができるものであります。どう考えても、営利追求が目的の民間企業にこの役割が果たせるとは思えません。

  議案67号は、母子生活支援施設「菊花寮」を「指定管理者」に管理させるというものでありますが、ここも、現在「県社会福祉事業団」が管理を委託されており、配偶者の無い女性やこれに準ずる事情のある女性が20歳までの児童を養育している世帯で生活上いろいろな問題のため児童の養育が十分にできない場合、その母親と子どもが入居できる施設であります。17年度予算で、委託料が年間2811万円であります。現在入居定員20世帯に対して19世帯が入居しておりますが、その内15世帯はDV被害によるものであります。それゆえに母子の安全面での配慮が必要となるものであります。本来2年ほどで退所すべきところが、問題が解決できずに長くかかっている状況や、外部の保育所に空きがなく、園内で保育されている状況などを考えたときに、この施設も民間企業に管理を託せるものであるかはなはだ疑問であります。

  もう一つの例として、第86号の「森の研修館かごしま」を取り上げます。ここは、現在「県林業労働力確保支援センター」が管理を委託されており、新規参入者の就業促進や林業事業体の雇用管理の改善・合理化など林業労働力の育成確保策と林業従事者の技術研修等が取り組まれております。17年度予算で2491万円の運営管理費が計上されています。ここでは林業作業士認定のための研修や「鹿児島きこり塾」も開催されており、林業担い手の育成と林業振興のためにまさしく県自身が運営・管理すべき施設であります。現在、本県の林業を取り巻く情勢は厳しいものがありますが、森林の果たしている役割の重要性を鑑み、17年度から「森林環境税」も導入されることになっています。この施設も民間企業に管理させることがふさわしいのか疑問をもつものであります。

  このような指定管理者制度の導入などの「自治体の市場化・民営化」は自治体の在り方そのものを大きく変容させるものです。特に、自治体の福祉、教育、保育、医療、農林漁業など住民の生活や地域経済に深く関係する分野の「公共サービス」に強い競争力を有する株式会社・営利企業がビジネスチャンスを求めて参入してくれば、その運営のもとで提供されることになる「公共サービス」は貧富の格差に応じたサービスを選択することを余儀なくされ、本来住民が平等に享受すべき福祉、人権の内容・価値に貧富の格差に応じた階層化が進んでいくことになります。
  以上、自治体は真に地域住民のための自治体としてその役割をはたすべきであるという立場で、これらの議案に反対するものであります。

●議案第80号「県立農業大学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例制定の件」について

 これは、新たに17年度から入学検定料を2,200円、18年度からは、入学料を5,550円、授業料を年額57,600円徴収するというものです。これによって17年度は約398,000円、18年度は約850万円の増収が見込まれるというものです。これは、県政刷新大綱案の歳入確保の取り組みの中で「受益者負担の適正化」を図るとして徴収されようとしているものであります。

  この農業大学校を、様々な進路のための施設や機関の中の単なる一つとして捉え、「受益者負担」とするのではなく、本県が、農業を基幹産業としていることや、農業の後継者育成という点から考えて、給食や寮の経費などの実費を除いて、授業料など無料として、農業振興のための農業者を育成していくという施策が必要なのではないでしょうか。

  よって、本議案に賛成できないものであります。

●議案第36号、第97号について

  これらは、県立短期大学と県立高校の入学検定料を引き上げるというものです。県立短大で約65,000円、県立高校で約140万円の増収となるものです。県立短大は、15年度は入学料の引き上げ、16年度は授業料の引き上げ、そして今回は入学検定料の引き上げと、毎年毎年、負担の引き上げが行われています。県立高校も、毎年、授業料が100円ずつ引き上げられています。地方交付税の算定基準である基準財政需要額の基準額が3年に1回見直されるのを、本県では1度に引き上げずに3年間かけて1年に100円ずつ引き上げていることからみても、県の施策として、これらを値上げせずに据え置くことは可能であると考えられます。

  長引く不況の中で、本県の県民所得は減少傾向の中にあります。知事は、今議会の施政方針演説でも、主要施策として、「ふるさとを担う人づくり」を掲げておられます。その中に示されている様々な具体的施策と合わせて、教育費の父母負担の軽減を図ることが、知事が言われる「はぐくむ・かごしま」への県民の信頼につながるのではないでしょうか。教育にかける県の姿勢を示す意味でもこれらは値上げすべきではありません。
  
  以上の理由で、これらに議案に反対するものであります。

●議案98号「県学校職員定数条例の一部を改正する条例制定の件」について

  これは、県立高等学校の職員定数を現行より68名減、県立の盲学校、聾学校及び養護学校を59名増、市町村立の小学校及び中学校を180名減とするものであります。
  
  県立高等学校の定数減は、学級数の減によるものが主な理由となっておりますが、この中には、県立笠沙高校の募集停止、宮之城農業高校と宮之城高校の統廃合、阿久根農業高校、阿久根高校、長島高校の統廃合による学級減も含まれています。

  今、県教委が進めている県立高校の「再編整備」は、「かごしま活力ある高校づくり計画」と名付けながら、少子化を理由とした一方的な統廃合の押しつけで、地元住民や、生徒、保護者の活力を失わせるものになっています。当時、地元住民から笠沙高校の存続を求める陳情書が議会に出されたり、宮之城高校PTA会長からも存続を要望する文書が教育長あてに出されたり、「高校再編関係市町村長かごしま県連絡会」準備会から、「地元との協議や地域の理解・納得なしに一方的に決定しないこと」という共同声明文も出されたりしています。新たに発表された、種子島高校と種子島実業高校、徳之島高校と徳之島農業高校の統廃合についても、住民の理解を得ているとは言えず、このような県教委の一方的な押しつけによる統廃合の結果による定数削減について、賛成できません。

  また、小中学校の職員定数については、17年度小学校1年生において30人学級が導入され、そのことについては歓迎するものであります。どの子にもゆきとどいた教育を保障するという意味で、この30人学級が小学校低学年にとどまらず、順次上の学年にも広がっていくことを要望するものです。また、本県は、過疎や離島地域において、複式学級が多数存在しており、それについての県教委としての対応も求められているところです。県内、どこにいても、等しく教育が受けられるようにすることは県の責務であります。先日の地元紙の報道で、笠沙町や末吉町、川辺町や隼人町、屋久町などで、複式学級に自治体独自の予算で補助講師を配置していることが紹介されておりました。県としても、30人学級と合わせて、複式学級への対応など、定数を増やしていくべきであります。
  
  以上の理由で、本議案に賛成できないものであります。

●陳情4026号についての委員会審査結果について

  最後に、陳情4026号についての委員会審査結果について反対の理由を申し上げます。これは、「すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめるための陳情書」で、委員会審査では不採択でありますが、採択すべきであります。

 陳情事項にある9つの項目は、どれも、子どもたちの健やかな成長と、ひとり一人を大切にした教育を行う上で、欠かすことのできないもので、教育現場の教職員や保護者、そして子どもたち自身の願いがこめられたものであります。もちろんこれらの中には、財政的にそれ相応の支出が見込まれるものもありますが、知事が言われるように「子どもは未来からの預かりもの」であり、教育はその未来の社会の担い手を育てていくという重要な事業であります。

 子どもたち一人ひとりを大切にした教育を実現するために、本陳情は採択すべきであります。

 
 以上、議案並びに、陳情の委員会審査結果についての反対理由を申し上げました。県の財政が厳しく、様々な予算が縮減されていく中だからこそ、県民の目線にたった県民本位の予算編成であるべき事を重ねて申し上げ、私の討論といたします。

監査委員についての反対討論(要旨)

 ただいま上程されました、監査委員に自民党の市ヶ谷誠氏と公明党の成尾信春氏を選任する人事同意議案について、わが党は反対し、討論いたします。

 地方自治法には、監査の役割として、その執行が、地方自治法第2条の第14項及び第15項の規定の趣旨にのっとってなされているかどうかに特に意を用いなければならないとされており、それは地方公共団体の努力義務としての住民の福祉の増進と能率性という2点であります。

 私は、この2年間、委員会や本会議での審議の様子を見てまいりました。自民党県議団は、審議の過程ではそれなりの意見は述べながらも、最終的には知事の提案する議案に対して、最大会派として議案提案権を持ちながらも、ただの1度も修正提案も行わず、住民の福祉増進に反すると思われる議案にも全て賛成の立場をとってきています。この状況を考えたとき、監査委員として求められている「住民の福祉の増進を図る」という観点からみた厳正・公正な監査は期待できないと思われます。

 公明党県議団については、過去、本県議会では、全ての議案にオール賛成という立場ではありませんでした。しかしながら、本県の財政にも大きな影響を与えている三位一体改革をはじめとして、年金制度の改悪、憲法改悪や消費税増税の動きなど、国によって国民の負担増の政策が進められている中で、公明党は、与党として小泉内閣を支えている役割を果たしております。

  また、本県においても、以前は反対されていた使用料・手数料などの値上げの議案も含めて、現在ほとんどの議案に賛成であり、事実上県政与党といってもよい役割を果たしており、自民党と同様に、「住民の福祉の増進を図る」という観点からみた厳正・公正な監査は期待できないと思わざるをえません。

 以上の理由で、両氏の監査委員の選任に、賛成できないことを申し述べ討論といたします。

出納長の選任についての反対討論(要旨)

 ただいま上程されました、出納長に仮屋基美(かりやもとみ)氏を選任する人事同意議案につきまして、わが党は反対し、討論いたします。

 出納長制度は、出納の執行を都道府県知事から職務上、独立した機関の責任の下に一元的に行わせようとするものであり、地方自治法第170条には、出納長は会計事務をつかさどるとして、現金、小切手、有価証券、物品などの出納及び保管を行い、その記録管理や支出負担行為に関する確認、決算の調整に当たる旨が明記されています。

 具体的には「鹿児島県会計規則」の第12条に「予算に関連する条例、規則、訓令、告示、公告、通達または要綱その他の内規の制定または改廃」について、部長は出納長に合議しなければならないこと。また、第62条に、支出負担行為の事前審査として、出納長が「予算の目的に反しないか」「契約の締結方法等は適法であるか」などの審査をすること。第122条に、出納長は物品の出納命令の「適否を審査」すること。また出納長は「会計検査」を行うこととなどの職務が明記されております。さらに、地方自治法第232条の4には、出納長は普通公共団体の長の支出命令があったとしても「当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係わる債務が確定していることを確認した上でなければ支出をすることができない」という支出拒否の権限も有していることが明記されており、出納長は、単に現金や物品の出し入れの事務的責任者としての役割ではなく、内部牽制的な役割と責任を負っているのであります。

 このような出納長の果たすべき役割を考えたときに、仮屋氏が、その任にふさわしいか疑問であります。


  現在、本県の財政は危機的状況にあり、縮減した予算編成の下で、住民サービスの低下や、住民への負担増が懸念される状況でありますが、この根本的原因である普通建設費を増加させ、県債残高を増大させていく課程において、仮屋氏は、これまで、県幹部職員として、自民党県政を支えて来られており、その責任の一端を担っていることは明らかであります。特に2000年から2002年にかけての土木部次長時代は、人工島について人工島建設反対の世論が高まった時期でありますが、県は、県民の声に耳を傾けることなく、工事を続行し、現在にいたっております。
  
  以上のように、県幹部として勤められてきた経歴を鑑みたとき、知事から独立した機関としての出納長の役割を求める上で、氏の出納長の選任には同意できないのであります。以上で討論を終わります。

消費税増税に反対する意見書の提案理由について(要旨)

  発議者として、消費税に反対する意見書の提案理由を申し述べます。

 自民党、公明党、民主党の3党は、3月9日、国会内で幹事長・国対委員長会談を開き、消費税増税を前提とした社会保障全般の見直し協議を早期に開始することで合意しました。

  そもそも消費税は、人々が生きるための衣・食・住の全てのものにかかる税金であり、所得の多い富める人も、少ない年金や失業などでぎりぎりの生活に追われている人も同じ税率であることから、所得の少ない人ほど負担が重くなる「逆進性」の強い不公平な税制であります。消費税は、子どもも、寝たきりのお年寄りも生きている限りとられる過酷な税金です。

 本来、税金というのは、社会保障を明記した憲法に基づいて、生活費には課税しない、税金は所得の多い人から重く、少ない人は軽くという「応能負担」、税制は直接税を中心に、総合累進税率という租税民主主義の原則に基づいて課税されるべきであります。

 1989年4月の消費税導入の際、政府は「高齢化社会の福祉のため」と大宣伝をしてきましたが、この15年間に健康保険本人の医療費の負担は1割から3割に引き上げられ、老齢年金の支給開始年齢も60歳から65歳に遅らされ、また、介護保険制度の創設で、保険料の負担に加え利用料負担など、社会保障は後退の一途をたどってあり、消費税が福祉のために使われてこなかったことは明白であります。

  この15年間に消費税の税収は136兆円ですが、同時期に大企業などの法人3税は131兆円の税収減となっており、まさに、消費税の分がそっくり法人税の穴埋めにされたことになります。

 自民党、公明党、民主党の3党は、年金制度維持のためには消費税増税は避けられないとしていますが、国民の財産である年金積立金は195兆円あり、毎年5兆円ずつ取り崩してもおよそ40年分使えます。政府は、この財産を国民が知らない間に、グリーンピアなどリゾート施設をはじめムダな公共事業や株式投資などにつぎ込んで莫大な赤字を作り、その責任をとらないどころか逆に「年金があぶないから、消費税増税はさけられない」と開き直ることは許されません。

 今、年金制度を守り維持していくために必要なことは、消費税の増税ではなく、基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げる国会決議を直ちに実施し、国民が安心できる年金制度を確立することであります。

 以上の理由から、国民に新たな苦難の道を強い、ひいては地域経済を冷え込ませてしまうことになる消費税の増税に反対する意見書を提出するものであります。