2004年12月議会
| 自衛隊のイラクからの速やかな撤退を求める意見書 |
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政府は、自衛隊のイラクへの派遣を1年延長することを決定した。しかしながら、世論調査でも「派遣に反対」が6割を超え、小泉首相の派遣延長の説明に対して、「納得できない」と回答する人が7割強、などという結果が報道されている。これは自衛隊をイラクへ派遣し続ける根拠がことごとく崩れているからである。 第1に、イラク戦争の「大義」とされた大量破壊兵器の問題で、この口実が虚偽であったことが10月の米調査団報告で明らかになった。第2に、米軍による無差別攻撃により6000人もの一般住民が犠牲となったと伝えられるファルージャの掃討作戦は、国際人道法に違反するものであり、小泉首相のいう「人道復興支援」とは相いれないものである。第3には、自衛隊のいるサマワでは、この数ヶ月間で8回の迫撃砲・ロケット砲が撃ち込まれ、サマワで治安維持活動にあたっていたオランダ軍にも死傷者が出て来年3月にも撤退するなど、「サマワは非戦闘地域である」としてきた政府の説明が根底から成り立たなくなっている。 イラク問題の真の解決のためには、他国が軍事力で解決策を押しつけるのではなく、イラクの主権と安全を回復するための国連を中心とする国際的努力や平和外交が求められている。日本は、自衛隊を撤退させ、正義と人道の国際協調の道を歩むべきである。 よって、根拠のない自衛隊派遣は即刻中止し、速やかにイラクから撤退することを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 |
| 「自衛隊のイラクからの速やかな撤退を求める意見書」提案理由の説明 |
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私は、発議者を代表して、提案理由の説明を行います。 政府は、自衛隊のイラクへの派兵を1年間延長しました。しかしながら、各種の世論調査でも、「派遣に反対」が6割を超え、小泉首相の派遣延長の説明に「納得できない」と回答する人が7割を超えています。 これは「サマワは非戦闘地域である」「派遣は人道復興支援である」という派遣の根拠がことごとく崩れているからであります。
まず、第1には、イラク戦争の「大義」とされた大量破壊兵器の問題で、この口実がウソであったことが10月の米調査団報告で明らかになりました。
第2には、今、イラクのファルージャでは、米軍による無差別攻撃が、昨年5月の戦闘終結宣言以来、名前のついた作戦行動として118回も行われており、6000人もの住民が犠牲になったと伝えられてます。 ファルージャを脱出し、バクダッドに住み、今月2日にファルージャに入ろうとした主婦のナワル・ジャーセムさんが、ファルージャの状況についてマスコミに語っています。「検問所では米軍が、情報が漏れることをおそれて住民が町に帰ることも、市内から外に出ることも許しません。通りには、いまだに多数の死体が放置されたままで、なぜ、遺体の搬送を許可しないのかと聞いたら、『体に爆発物がついている可能性がある』と答えました。脱出しようと検問所付近に集まった女性や子ども様子は悲惨きわまるもので、衣服はぼろぼろで、空腹やのどの渇きから言葉を発することもできない状況です。ファルージャ住民が渇きから汚水を飲み、死に至っている一方で、米兵はミネラルウォーターを当然のように飲んでおり、住民の間では下痢が蔓延していますが、その薬もほとんど無い状態です。」こう語っています。 このファルージャの無差別攻撃は、「民間人・住民への攻撃の禁止」「軍事目標と民間人・民用物を区別しない無差別攻撃の禁止」「文民病院はいかなる場合も攻撃してはならない」「文化財および礼拝所に対する敵対行為の禁止」という国際人道法(ジュネーブ条約)に明らかに違反するもので、小泉首相のいう「人道復興支援」とは相いれないものです。 しかし、小泉首相は、このファルージャ総攻撃にたいし、「成功させなければならない」と発言しました。
第3に、サマワは「非戦闘地域である」という説明が成り立たなくなっていることです。 5日にサマワを視察した大野防衛庁長官は、防弾チョッキを着、軽装甲機動車で視察に出ました。視察場所は、サマワ市の中心部から7キロ離れた閑散とした荒れ地にあるごみ焼却場に作られた道路の補修現場で、市民からは「なぜ自衛隊のトップの視察場所が市街から遠く離れたごみ処理場なのか」と不思議がる声もきかれました。 また、サマワからの報道によると、サマワの地元のムサンナ州警察本部のカリム・ミナヘル本部長が、相次いで視察に訪れた防衛庁長官らからいっさい会談の申し入れがなかったことについて「治安情報を知りたいなら、治安の実務責任者から話をきくべきではないか」と批判していることからも、先に派遣ありきで、本気でサマワの治安について実態をつかもうとしていなかった事は明らかです。 何よりも、この数ヶ月間で、8回も迫撃砲・ロケット砲が撃ち込まれ、サマワで治安維持活動にあたっていたオランダ軍にも死傷者が出て、来年3月にも撤退するということからも、サマワが非戦闘地域でないことは明らかです。
そもそも国連安保理決議1546は、多国籍軍について「統一した指揮下」にあり、「あらゆる必要な措置をとる権限をもつ」としており、武力行使を伴う任務・目的をもっていることは明らかで、当時のパウエル米国務長官も、多国籍軍が「戦闘作戦」「拘束」「武力捜索、確保」をおこなうと断言していました。自衛隊のイラク派兵は、明らかに憲法違反です。
イラク問題の真の解決のためには、他国が軍事力で解決策を押しつけるのではなく、国連を中心とする国際的な努力や平和外交が求められており、日本は、自衛隊を撤退させ、正義と人道の国際協調の道を歩むべきであります。 よって、自衛隊が速やかにイラクから撤退することを強く求め、本意見書案を提案いたします。 |
| 反対討論(要旨) |
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まず、議案第97号「平成15年度鹿児島県歳入歳出決算について認定を求める件」についてであります。 反対の理由の第1は、本県財政が県債に依存した予算執行となっている点であります。 2003年度歳入総額9458億9600余万円のうち、実に18.5%の1753億6400余万円が県債であります。この中には、昨年度末、国の三位一体改革の影響で、地方交付税と臨時財政対策債が大幅削減され、急遽補正で組まれた150億円の財政健全化債、これは後に交付税措置されることはなく、丸々借金となるものですが、これも含まれています。その結果、2003年度末県債残高は1兆5980億円にものぼりました。 第2の理由は、そのように県債に頼りながら、県民にとってムダだと思える事業を相変わらず進めてきているということです。 その象徴的な例が人工島建設です。2003年度は21億余円もの事業費が執行されました。今議会でも、人工島建設の在り方についての議論がなされました。そもそも論についても展開され、「廃棄物埋め立て護岸」フロンティアランド事業であることが強調されましたが、桜島の土石流土砂自体、計画当時年間30万m3を想定して、埋め立て計画がなされましたが、ここ数年間の流出土砂は2001年が10万m3、2002年2万9千m3、昨年は、なんと8000m3で、1万m3にも達していないのです。投入予定の桜島土石流土砂は368万m3で、野尻川右岸の仮置土砂約80万m3を除いても、一体何年かければ、埋め立てがすむのでしょうか。先行きわからない自然まかせに、多額の借金までして、続ける事業でしょうか。桜島の土石流土砂の処分場なら、鹿児島市所有の有村や赤水の処分場があり、あと約40年分は投入できるという試算も所有者の鹿児島市の市議会で明らかになっています。 知事は、すでに着工しているものについては、整備を進めていくとしていますが、貨客兼用岸壁を供用するためには、まだこれから外周護岸、岸壁、橋梁等の工事が必要であり、土木部の試算であと40億円かかるという数字が示されています。県財政の状況を考えても、人工島は即刻中止しかないのではないでしょうか。 また、むだな事業はこればかりではありません。島原・天草・長島架橋建設促進事業に290万円が執行されています。この事業は、海によって隔てられた九州西岸地域を橋で結び、観光・リゾート開発・産業振興及び生活・文化の向上など地域の振興と活性化を図るためとされて、長崎県・熊本県との3県持ち回りの推進大会開催や、合同で国への要望活動を毎年行っています。もちろん、3県とも財政的に十分に余裕があり、県民の生活も、リゾート地での余暇を十分に楽しめる状況であれば、この架橋も可能かとも思いますが、「緊急事態宣言」を出すような本県の状況では、とても、この事業に取り組める可能性がないことは誰の目にも明らかであります。この事業が始まった1988年(昭和63年)当時は、まだバブルの影響があったかもしれませんが、これまで、総額5976万円もの事業費がつぎ込まれています。知事、早く長崎県、熊本県に本県の財政状況を訴え、架橋の構想は中止、または凍結とすべきではないでしょうか。 また、テクノスーパーライナー導入促進事業に100万8千円が執行されています。この事業には、1992年からこれまで、実に1億3322万円も費やされています。テクノスーパーライナーは現在志布志港と和歌山港を結ぶ航路での導入の検討がなされていますが、これは大消費地とを直接結んでこそ、価値があるもので、多額の運航コストの問題もかかえながら、和歌山に運んだものを、また、近畿や首都圏へ陸路で運ぶのでは意味がないのではないでしょうか。年々決算額も減少していますが、これも早急に中止すべきものであると考えます。 また、人権啓発推進事業に総額1億7000万円が使われています。内、9カ所の隣保館に総額6500万円の補助金、部落解放同盟鹿児島県連絡会をはじめ3つの運動団体に総額3,450万円の補助金が支払われています。またこの他、人権教育研究団体にも240万円の助成金が支払われていますが、15年度の学校現場での人権問題は3件のみの発生で、16年度の発生件数は今のところゼロとなっています。「人権」の名をかりた「同和」対策はやめて、本当に大切な人権の問題は一般施策の中で、展開すべきであります。本県の財政再建のためには、小泉内閣の三位一体改革に対して、福祉や教育をはじめ、憲法で保障された国民の生存権、基本的人権にかかわるナショナルミニマムを国が財政的に保障する責任を果たさせ、税源移譲は、地方自治体の税源の拡充を図るためになされるように国に強く求めるとともに、本県の財政の仕組みを起債にたよるのではなく、むだな大型開発の公共事業を削って、農林漁業をはじめとする地場産業の振興を図り、中小零細企業を支援し、福祉や教育を充実させ、県民の安心と懐を暖かくする施策へと切り替えていくことが必要です。
以上の理由から、本議案には賛成できません。
次に、議案第114号、115号、116号についてであります。これは、いずれも市町村合併に関する議案であり、栗野町と吉松町を廃し湧水町を、大根占町と田代町を廃し錦江町を、そして根占町と佐多町を廃し大隅町を設置するというものであります。一括して反対の理由を申し述べます。 毎回申し上げておりますが、わが党は、市町村合併について頭から反対というわけではありません。賛成をするのか、反対をするのか、その基準となるのは、その合併が「住民の利益を守る」という地方自治体の本来の任務に照らしてどうなのか、そして、「住民の意思を尊重してきめるべき」という地方自治の本旨にのった立場であるのか、この2点であります。この2つの基準で見たときに、本3議案には反対せざるを得ません。 南大隅の大根占町、田代町、根占町、佐多町は2003年6月にこの4町で法定合併協議会を設置し、合併に向けての協議がなされてきました。4町による新町名の募集までなされた後、今年の7月31日でもって協議会が休止となりました。その後、本年8月10日に大根占町と田代町で法定合併協議会を設置し2ヶ月半で合併調印、根占町と佐多町は、本年9月13日に法定合併協議会を設置し、2ヶ月を待たずして合併調印がなされました。 総務部長がいつも言われる「市町村合併にあたって懸念される事項について、法定合併協議会で十分議論・検討され、各地域の実情に応じた適切な対応がなされる」時間が、どう見てもとられなかったことは明らかであります。たとえば、介護保険料は、第5段階では大根占町が4,950円であるのに対して、田代町は5,700円となっておりますが、これについては「18年度以降に調整し、設定する」として、現時点でどう変わるのか明らかにされておりません。 根占町と佐多町では、国保税の差が大きく、1世帯あたり根占町は82,043円、佐多町は114,492円となっていますが、これについては18年度統一するとしか明らかにされていません。また、介護保険料は新町において調整、乳幼児医療費助成や出産祝金や保育料など多くの制度が合併までに調整するとして、具体的には明らかにならないまま、もちろん住民投票などで、住民の意思も確認されないままで現在にいたっています。 栗野町、吉松町の合併については、2003年4月に法定合併協議会が設置されました。それから、1年半にわたり、計34回の合併協議会が開かれ、41項目にわたる協議がなされ、その状況は、19号までの「合併協議会だより」でそれぞれの町民に広報されてきました。途中、「新しいまちの建設計画策定のためのアンケート調査」もなされました。しかしながら、このアンケートは合併を前提とした内容で、合併そのものの可否については触れていません。また、41項目についての協議でも、直接住民の生活に係わる、国保税、介護保険料、保育料、水道料金などその多くが、合併後に調整することとなっており、具体的な数字が示されず、合併の可否についても問われないままで現在にいたっています。 このように、現行の特例法の期限が来年3月末に迫り、「とにかく合併の手続きを先行させて、調整は合併後に」として十分な論議や住民の意思の確認もなされないままに決められているのか市町村合併の現状です。 来年の4月に施行される新たな「市町村合併特例法」は、基本的には現行法の延長といってよいものです。合併推進派が、現行法にこだわる最大の理由として持ち出すのが「合併特例債が使えるうちに」というものですが、合併特例債が使えるかどうかで「天国と地獄」の違いのように強調するのはあまりにも大げさな議論です。たしかに合併特例債という制度はなくなりますが、1995年からある「地方債については特別の配慮をする」という規定は新法でも残っています。合併特例債ができるまでは、この「特別の配慮」規定にもとづく「合併市町村まちづくり推進事業」という制度があり、これは地域総合整備事業の元利返済の交付税算入率を高めたもので、財政力の弱い地域の場合は、算入率が特例債と同じ70%の優遇で、全体として特例債と大差の無いものでした。また、他にも過疎の地域であれば過疎債や辺地債など合併特例債とほぼ同じ条件の地方債もあります。 ですから、「合併特例債のあるうちに」と合併の是非も十分検討しないまま、大事なことも先送りして、とにかく合併申請だけをするというような進め方はすべきではありません。一方、地方交付税の算定特例の期間は、合併時期が先になればなるほど短くなりますが、今年度から新特例法の期限の2010年3月までは、いつ合併しても算定特例がきれるのは2014年度か2015年度かの違いだけですから、現行法の合併でも新法の合併でも、ほとんどかわりません。 これらのことからも、県としては「現行法に固執せず、新法のもとで慎重に検討し、住民の意思を確認してからでも合併の申請は遅くない」ことを市町村に十分伝えるべきではないでしょうか。 以上、本3件の議案は「住民の利益を守り」「住民の意志を尊重する」という立場から、賛成できません。
次は、議案第126号、志布志港の整備工事の契約について議決を求めるものであります。 これは、志布志港の新若浜地区において、ポンプしゅんせつによって12ヘクタールの埋め立てを行うという16億1700万円の工事の契約であります。 志布志港では、臨海工業用地として造成された若浜地区において大規模配合飼料工場や関連企業が操業しており、コンテナ貨物の需要が増大してきていることを理由として、新若浜地区に新たに水深14メートルのバースを2つ作り、最終的にはふとう用地だけで41.7ha、緑地が20.1ha、港湾関連用地が25.4haという全体で90haにも及ぶ壮大な埋め立て事業の1部であります。これまでの事業費が約225億円、これから先の整備も含めると総額の事業費は1,000億円にも上るだろうといわれております。 この議案に反対する第1の理由は、この埋め立て事業が、先に開発ありきで進められたものであるということです。確かに、外港区のコンテナバースは現在、その貨物量が増えてきていることは事実ですが、この新若松地区の埋め立ては、1993年決定の鹿児島県総合基本計画第2期実施計画に、国内・国際物流拠点として、テクノスパーライナーの導入促進とともに、イメージ図まで示されており、先に開発ありきで進められたものであることは明らかです。貨物量のとの関係で新たなふ頭が必要であるというのなら、計画を変更して、最小限の規模にすべきであります。 また、第2には、この志布志港は、畜産関係の飼料やその原材料の輸入品が主な取り扱いとなっており、この埋め立てで、貨物の取扱量の大幅な増加に対応できるとしていますが、国においては、WTOやFTA交渉など、本県の農業にも重大な打撃を与えかねない施策が展開されており、国の施策としての整合性としても、そして、本当にこれだけの事業費をつぎ込んで整備する必要があるものなのか、はなはだ疑問であります。 第3に、地元の志布志町でも、若浜地区の埋め立てについてはその後の企業立地により、2,000人の雇用が見込めるということで、地元負担もなされてきましたが、結局雇用はその1割の200人も切っているのが実情です。新若浜地区の整備にあたっても、志布志町では例年、港湾改修負担金として2億7,000万円ほど負担しており、最終的には年間7億円という、志布志町年間予算80億円のうちの1割近くもの負担が求められるという試算も示され、財政基盤の弱い地方自治体の財政をよりいっそう圧迫するものであります。 畜産関係の振興という意味も含めて、これだけの事業費を費やすのであれば、畜産をはじめとする本県の農業の振興のために、飼料の購入費の助成や、生産物の価格保障や、台風などの災害での農林水産物の損害の補償など、農家を直接支援するための施策をすすめるべきではないでしょうか。 以上の理由で、本議案に反対いたします。
次に議案第134号、「県職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例制定の件」についてであります。 これは、現在ある特殊勤務手当について、11件を廃止し、11件を見直すというもので、これによって合計で年間4億8000万円程度の人件費の削減が見込まれるものであります。 わが党は、基本的に、労働者の生活が成り立つだけの基本給が十分に保障されていることを前提にして、「著しく危険、不快、不健康、困難を要する勤務」については特殊勤務手当が必要であると考えますが、勤務実態にそぐわないムダは削るべきとの立場をとるものであります。しかしながら、現在の県職員の給与の実態は、人事委員会勧告にもとづく昨年までの5年連続のボーナスのカット、2年連続の本俸のカットで、この5年間で一人あたり51万8000円も減額されています。その上、この4月からは財政改革プログラムによる給与の2%カットも実施され、これは平均で月額7,224円の削減であります。その一方で恒常的なサービス残業の実態については、建前だけで「あるはずがない」という処理がなされているなかでの人件費削減であります。 そのような観点で、本議案を見たときに、中に、賛成できないものがあります。医師手当が廃止になっておりますが、これは勤務地によって、月額38000円〜7万円を支給するというものであります。全国の公立病院等の医師の基本給を見ると、平均年齢、平均勤務年数は違う中での比較ではありますが、本県は、平均で521,948円、これは全国で42位、九州では最下位であります。特殊勤務手当を入れても、順位はさほど差はなく、一つあがるだけです。しかし、本県だけ、特殊勤務手当をゼロとすると、全国で下から2番目となり、その差は、隣の熊本県と比べると14万円もマイナス、本県同様離島を有する沖縄県より11万7,000円も低く、長崎県より9万3,000円低い月額給与となってしまいます。 本議会の一般質問で、この医師手当の廃止が質の高い医療、優秀な医者の確保にとって障害となることを危惧する大園議員の質問に対して、保健福祉部長は、「国、各県との均衡を考慮しておこなったもの」で「今後も鹿児島大学との連携をもとに優秀な医者の確保に努めていく」と答弁されました。しかしながら、現実に昨年は県立大島病院で8名の内科医の内、5名が転出、退職し、その影響で患者数が減り、収益も大幅に減少しました。今回の医師手当の廃止で、優秀な医師の確保が、更に困難になることは明らかで、これでは、知事が提唱される「あんしん・かごしま」安全県宣言に反する結果を招くのではないかということが懸念されます。まずは質の高い医療と信頼こそが県立病院の経営改善と「あんしん・かごしま」の大前提ではないでしょうか。本来もっと慎重に検討し、激変緩和策も考慮して実施すべきであります。よって、本議案には賛成できないものであります。
最後に、議案第138号、「訴えの提起について議決を求める件」についてであります。これは、県営住宅に入居している高額所得者について明け渡しと賠償金等の支払いを求める訴えをおこすという議案であります。 そもそも公営住宅は、低所得者に対して低家賃での住宅を供給するもので、入居当時は入居資格の要件を満たしていても、収入が一定額よりも増え高額所得者となった場合は退去するのは当然であります。お金があっても家賃を払わない、高額所得者となって生活に余裕があっても退居しない悪質な入居者には、訴訟でもって対処することも考えられます。 しかし、県営住宅条例の32条には、高額所得者に対する明け渡しの請求について、明け渡しの期限を延長することができるとして「病気にかかっていること」や「災害により著しい損害を受けたこと」「近い将来において定年退職する等の理由により、収入が著しく減少することが予想されること」「その他前3号に準ずる特別の事情があること」という規定を掲げています。 住宅課におかれましては、県営住宅の家賃の徴収について、様々な努力やご苦労をなされていることは、私も承知しています。 私は、この議案の賛否を検討するにあたって、徴収にあたった住宅課と訴えられようとしている当人と両方のお話をききました。それぞれの言い分や詳しいいきさつについて、ここで述べることはできませんが、少なくとも、提訴が目的ではなく、明け渡しを求めることが目的であるとすれば、このように「被告」として名前を挙げる議案を議会に提出する前に、もっと他にも方法はあったはずです。 県財政の厳しい中、これから、県税や公営住宅の家賃についても、厳しい徴収がなされていくと思われます。先ほども述べましたように、悪質なものについては、訴訟も必要かもしれませんが、悪質であるのか、そうでないのかの見極めや提訴するかどうかの判断はもっと慎重に行うべきであります。 以上の理由から、本議案には賛成できません。
以上、議案について個々に反対の理由を申し述べました。今議会では、県政刷新大綱の骨子案についての議論が様々なされましたが、その中で、現在の県財政の緊急事態宣言を招くような事態の責任は、歴代知事と県当局、そして、合わせて、それを認めてきた県議会にもあるという発言がいくつかありました。わが会派は、以前から一貫して、「有利な起債」に頼って公共事業を推進する県政の在り方について、問題点を指摘し、出された議案の一つひとつについて、県民の暮らしを守る立場で、賛成するのか、反対するのか検討し、このようにその理由を明らかにする討論を行ってきました。 これからも、私は、県民の付託をうけた県議会議員として、県民の利益を守る立場でそれぞれの議案に対しての賛否を決していくことをあらためて表明し、討論をおわります。 |