2004年9月議会

2004年10月5日

「平成16年度鹿児島県議会議員海外行政研修視察の件」についての反対討論(要旨)

 私は、ただいま提案されました議員派遣の議案のうち「平成16年度鹿児島県議会議員海外行政研修視察の件」について、反対の立場から討論いたします。
 これは、地方自治法第100条第12項の規定及び本県議会会議規則第118条の規定により、公費による議員の派遣にあたって議会の議決を求めようとするものであります。
 以下、反対する理由を申し上げます。
 わが党は、公費による海外視察そのものを否定するものではありません。私は、議員として、できるだけ、現場に赴き、自分の目で見て、耳で聞き、心で感じることをモットーとしております。そういう点では、県政との関係でどうしても現地に赴くことが必要だと思われる場合には、国内、海外を問わず、視察の必要性が生じると思われます。
 しかしながら、小泉内閣になって3年半、経済状況は県民のレベルでは改善の見通しは未だ見えず、医療費・介護保険料の負担増に加え、この10月から年金制度の改悪による負担増も加わり、県民の暮らしはますます脅かされる一方であります。
 その上、本県の財政状況は、本議会の補正で73億8300万円余の県債が計上されるなど危機的状況はより深刻さを増し、職員の給与も5年連続の人事委員会のマイナス勧告にさらに上乗せして、今年度から2%の削減が行われています。また、先の台風16号、18号、21号による本県の被害は甚大で、未だ、復旧の見通しがたっていない地域も存在します。このような状況だからこそ、本当にムダを削って、県民の暮らしや福祉を支えるべきであります。
 今回の海外視察の派遣場所は、タイ王国及びシンガポール共和国に6日間の日程で、費用が全体で1026万2千円の予算となっておりますが、この海外視察の費用積算にあたっては、官僚の最高ポストである事務次官や局長クラス相当という高い基準を用いているという問題点も指摘しておきます。

 今、韓国での本県産材の振興にあたって、林活議連のよびかけで、各議員へ韓国での本県産材使用住宅の視察の案内がなされていますが、本議案のように海外視察を一人4年に1回と割り当て、それから派遣場所や目的を見つけるのではなく、このように、その時々の情勢や必要性に応じて目的が定められ、一人あたり月に30万円支給されている政務調査費からの出費で行われるこのような視察も可能であることも合わせて申し添えます。
 以上の理由から、本議案には賛成できないことを申し述べ、討論といたします。

2004年10月4日
「朝鮮民主主義人民共和国による日本人拉致事件の早期・全面解決を求める意見書(案)」についての反対討論(要旨)

 わが党は、北朝鮮による日本人拉致事件について、早期・全面解決を求めることについては同意見であります。しかしながら、この意見書案にある特定船舶入港禁止法にもとづく経済制裁措置の発動については賛同できません。
 わが党は、北朝鮮問題の解決にあたっては、@朝鮮半島の軍事的衝突の危機は絶対に避け、平和的、外交的手段で解決する。A拉致問題は国際犯罪であり、全面的究明と被害者家族の帰国を実現する。B戦前の植民地支配の歴史を清算し、日朝の国交を確立すること、これらを提起しています。
 「特定船舶入港禁止法」が本年6月に成立いたしましたが、これは、「6カ国協議」や「日朝平壌宣言」に基づき日朝間の諸懸案を話し合いで解決をめざすという方向に逆行するものであります。
 昨年8月に「6カ国協議」で確認された「平和的解決のプロセスの中で状況を悪化させる行動をとらない」との同意を順守することこそが、北朝鮮問題の平和的解決のために日本の果たすべき責務であり、経済制裁措置は解決の手段としてとるべきではありません。
  以上の理由から本意見書案に賛成できないものであります。

2004年10月5日

教育基本法の早期改正を求める意見書案についての反対討論(要旨)

 反対の理由の第1は、この意見書案に述べられている、現在の子どもや教育をめぐる様々な課題や問題は、教育基本法を変えれば、解決するという問題ではなく、むしろ、教育基本法の理念をふみにじって重ねられてきた、選別と競争の教育政策・行政にこそ責任があるのであり、これらにメスをいれず、教育基本法の「改正」を言い出すのは本末転倒であると言う点であります。
  第2には、この「改正」が目指している最大のねらいがどこにあるかという点です。
 過去に、大日本帝国憲法と教育勅語のもとで進められた教育は、まさに天皇の国家を愛し、絶対服従することでした。そのもとで日本が行った日中戦争、アジア太平洋戦争で、アジアの民衆2000万人以上を殺し、日本人の300万人を超える犠牲者も生み、その反省から生まれた日本国憲法と教育基本法は「国家主義」をとらず、「民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする」立場を鮮明にしました。ところが、中教審「答申」は、「公共」と「愛国心」を強調するものとなっています。これは、アメリカに従属しつつアメリカとともに戦争ができる国づくりをすすめるためには、愛国心と国家への奉仕の精神をどうしても子どものときから育てていかなければならない。そのために伝統文化の尊重や郷土愛、「公共」の精神などを強調し、さらには奉仕活動、体験活動を強制して、それを土台に愛国心と戦争参加も含めた国家への奉仕の行動へつなげようとしているものであり、断じて認めるわけにはいきません。
 第3には、誰が教育基本法を「改正」しようとしているのかという問題です。
 戦後、度あるごとに「改正」の問題が取り上げられてきましたが、今回の本格的「改正」の動きは、「日の丸」「君が代」を国旗・国歌とする法律が成立した翌日の1999年8月10日に始まりました。自民党教育改革実施本部の教育基本法研究グループは、教育基本法の見直しに着手することを決定し、小渕首相は、私的諮問機関である「教育改革国民会議」に「見直し」を指示。そこでは、当初「見直し」を主張する委員は少数でしたが、最終報告では、内部の反対を押し切って「教育基本法の見直しに取り組む必要がある」という結論を出しました。これを受けて、遠山文部科学相が中教審に教育基本法「見直し」を諮問。中教審で「見直し」論議が始まった2002年1月、自民党は、政調会内に教育基本法検討特命委員会を発足、そして、自民党麻生政調会長は、全国政調会長会議で、各都道府県に「改正」を求める運動を展開するように指示を出しました。昨年春以降、地方議会では、「新しい歴史教科書を作る会」や民間教育臨調、日本会議など右派勢力と一体となって教育基本法「改正」推進の決議を求める請願・陳情運動が展開しています。このように自民党は党をあげて教育基本法改悪を推進しており、今回自民党会派から提案された意見書案も、それに基づくものであります。
 今の「教育の危機」の真の解決のためには、教育基本法の「改正」ではなく、子ども・親・教職員の三者の声に耳を誠実に傾け、こどもたち一人ひとりが大切にされる教育の実現めざし、今こそ教育基本法を生かした教育が求められていることを強く訴え、意見書案に対しての反対討論といたします。

2004年10月5日
「鹿児島県土地利用審査会の委員任命について同意を求める件」についての反対討論(要旨)
 議案第110号「鹿児島県土地利用審査会の委員任命について同意を求める件」について、わが党は、池田わたる氏、及び中津濱進氏の任命についてその理由を述べ反対いたします。
 土地利用審査会委員は、国土利用計画法により、「土地利用、地価その他土地に関する事項について優れた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、知事が県議会の同意を得て任命する」とされています。
 これまで、公共の福祉といいながら、ともすれば経済優先で、自然保護がなおざりにされてきたのがこれまでの日本の実情であり、本県も例外ではありません。公共の福祉の名のもとに、大規模開発が推し進められ、自然が破壊されるようなことは、厳に戒めなければなりません。その意味からも、土地利用審査会の役割も重要であります。
 この立場から考えたときに、県の幹部であった中津濱氏と特に県の法律顧問である池田氏は行政側の代理人とも言える立場にある方たちであり、真に公正な立場を貫くことができるかどうか疑問であるといわざるを得ません。従って、この2名の方の委員の任命に反対であることを表明いたします。
2004年10月5日
反対討論(要旨)

  私は、日本共産党を代表して、本議会に提案された議案に反対の主なものと、請願・陳情の委員会審査結果に反対の主なものについて討論いたします。

  ●議案第91号「平成16年度鹿児島県一般会計補正予算」について

  今回の補正予算は、総額226億4000万円という規模であり、そのうち、219億500万円、96.7%が普通建設事業費となっています。
  これらの普通建設事業費は、ほとんどが国庫補助事業の内示に伴う補正となっておりますが、これらの事業のために、新たに県債が73億8800万円計上されており、今年度末の県債残高は1兆6256億円にもなる見込みです。

  ここであえて、言及致しますが、わが党は、公共事業そのものを敵視するものではありません。住民生活に密着した生活道路だとか、上下水道、社会福祉・教育施設など、生活密着型の公共事業は、欧米と比べるとまだまだ貧弱です。生活道路や公営住宅の改修整備などは、地元の中小業者の仕事の拡大にもつながり、地域経済の活性化にもつながります。わが党が問題にしている公共事業とは、住民にとって、本当に必要かどうかわからないムダな大型開発や必要以上に進められている港湾の整備などです。
  そのような指摘に対して、よく言われるのが「本県は産業に乏しく、公共事業にたよるところが大きい」という事であり、また、「財政改革プログラム」による公共事業費の削減で、建設関連産業の企業の経営などの心配がなされているのも事実であります。
  私は、ここで、公共事業をムダな大型開発から生活密着型に切り替えていく事を提案すると共に、景気対策としても、従来の公共事業一辺倒ではなく、社会保障や福祉の充実こそがその解決の方策として有効であることを提案いたします。
  参議院の地方行政・警察委員会で日本共産党の国会議員団の質疑の中で配布された資料を紹介します。これは、県自身が試算したものですが、社会保障と医療・保健と公共事業のそれぞれで1000億円を投資した場合の経済波及効果、雇用効果などが数字で示されています。それによると、生産誘発効果も、GDPも公共事業に比べて社会保障や医療・保健関連の産業の方が効果が大きいとういう試算が出ています。雇用効果については、本県の数字はでていませんが、他の都道府県の数値から見ると、どこも公共事業の2倍以上の人数の雇用が見込まれています。
  茨城県が1997年に出した「高齢者福祉の充実がもたらす経済効果に関する調査研究」と題する報告書の中で、同様の試算を行い、調査のまとめとして次のように指摘しています。
  「『福祉は金がかかるだけで何ものも生み出さない』という風潮がこれまで一般的であったように思われますが、高齢者福祉充実のための投資は、公共事業のそれに遜色のない経済効果があり、特に雇用者誘発効果が高いことは雇用機会が増すことになり、地域住民にとっても広い意味での福祉の推進ということができます。」となっています。
  借金に頼りながら、普通建設費を増大させていくばかりでは、本県の財政状況の改善にも、県内景気の回復にもつながらないことを指摘し、本議案についての反対理由といたします。


  ●議案第98号「土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求める件」について
  この中には、鹿児島市に人工島建設事業の2億2720万円の負担を求めるものが含まれています。わが党は、人工島に関してその計画が明らかになった当初から、「ムダと環境破壊」以外の何者でもないとして一貫して反対してきました。
  県民世論の多くが、人工島に反対していることは、先の県知事選挙で、伊藤知事も含めて、全候補者が「見直し」「凍結」などの言葉を用いて選挙戦を闘ったことからしても、明らかであります。
  知事は、一般質問での私の「知事が考える人工島の必要性」という質問に対して、「1990年の県総合基本計画に位置づけ」られたが、「当時からすると社会経済情勢が大幅に変化し、見直しの時期にきていると考えている」と答弁されました。須賀前知事が事あるごとに「県政の浮揚発展にとって必要不可欠」と叫ばれていたことからすると、伊藤知事の意志として人工島の必要性を感じておられるとは思えません。
  2001年に新たな県総合開発基本計画を策定するにあたって県がおこなった意向調査でも、20歳以上の有権者の県民が県政に期待する第1位は、高齢者・障害者などの社会福祉の充実であり、第2位が農業の振興、第3位、保健医療体制の整備と続き、人工島建設も含まれると思われるウォーターフロントの開発はわずか3.3%で32位でありました。
  知事は、「着工済み以外の部分については県民の合意形成がなされていない」と言われますが、着工済みの部分についても、県民の合意形成がなされていないのは、この調査結果からも、そして、知事選挙の候補者のマニフェストからも明らかであります。
  ここにきて、「事業がここまで来たらやめるわけにはいかない」という意見があるようですが、県民の「人工島はムダ」という声を無視して、強引に進めながら、「ここまできたらやめるわけにはいかない」というのは、はなはだ無責任な開き直りとしかいいようがありません。
  知事が、「県政刷新」や「改革」を唱えられるのであれば、人工島建設の即刻中止こそまっさきに知事の意志として決断すべきであります。

  ●議案第101号「町の廃置分合について議決を求める件」について
  これは、薩摩郡の宮之城町、鶴田町、薩摩町を廃し、新たにさつま町を設置するというものです。
  わが党は、市町村合併について、住民の意思にもとづいて地方自治体を適正な規模にしていくことに、一律に反対するものではありません。しかしながら、今、政府は、「国から地方へ」「官から民へ」をかかげて、国と自治体の責任を放棄、後退させ、福祉や教育などの水準を保障してきた地方への財政支出を削減させようとしています。「三位一体の改革」もそうですが、市町村合併も国の財政支出を大幅に減らすことに、大きなねらいがあります。
  本議案に反対の理由は、この合併が真に住民の意思にもとづいた合併ではないということです。はじめに合併ありきで、どことどこで合併するのかという枠組みで大いに揺れた合併でありました。2000年に県より提示された川薩圏域の合併パターンにより、枠組みの模索が始まり、最初は中薩地域として7町で、その後、祁答院町を含めて4町、次に入来町を含めた5町についても、検討がなされていきました。宮之城町・鶴田町・薩摩町3町長会議でも、2002年7月はじめには、町民アンケートで、大多数の町民が望んでいるとして、祁答院を含めて4町で市制を目指すとしながら、同じ7月末には、3町での合併を目指すとし、翌8月には、祁答院地区4町を目指すなど、2転、3転しています。更に、2003年3月には、祁答院町で、薩摩東部4町の法定合併協議会設置の賛否を問う住民投票が行われ、その結果は、反対1764票、賛成1591票、というわずか83票差でありました。その結果を受けて、翌4月に薩摩東部3町で、合併法定協議会が設置されたものの、枠組みの模索は、これで収まったわけではありませんでした。本年2月には、宮之城町議会は、祁答院地区5町の法定合併協議会設置や薩摩東部地区合併協議会の日程延期などを求める陳情4件を「多くの町民が5町合併を望んでいる」として、すべて全会一致で採択したのでした。宮之城町だけでなく、5町すべてで、5町の法定協設置を求め、住民発議の同一請求が進行中でした。
  この3町では、住民説明会や「合併協議会だより」で住民への情報提供もなされておりますが、最終的な住民の意志の確認はとうとうないままでの今回の申請でした。
  このような経過をみても、住民の中には、合併の枠組みをめぐって、様々な思いがあり、本来であれば、もっと十分に時間をとって、その町の将来にとって、どのような選択がベストであるのか検討し、その議論をふまえて、住民投票などで、住民の意思を確認すべきではないでしょうか。
  2003年9月に長野県が発表した「長野県市町村『自律』支援プラン」は、その目的を「合併を選択する・しないにかかわらず全ての市町村が地方分権時代にふさわしい自律的な市町村自治を確立することが重要であるとの認識に立って、市町村の最大限の自助努力を前提として必要な支援を行います」としています。
  ところが、本県では、国による合併誘導の支援策に加えて、20億円の基金を造成して、合併するところへは、県独自に合併特例交付金制度を創設しました。これらを市町村はどう受け止めているかというと宮之城町も鶴田町もホームページの中で、「このように国・県は市町村合併を推進するための財政支援を打ち出してきています。裏を返せば、苦しい財政状況の中で、市町村合併に重点的に支援するということですので合併しない市町村に対する交付税等の措置は厳しくなることが予想されます。このことからも合併は避けて通れない重大な課題であるとの認識をしています。」と説明しています。
  本議案の合併は、「自主的」な合併を推進するといいながら、国と県が、期限を切ってアメとムチとで合併を誘導していく中で、住民が十分に検討する時間がなく、意志の確認の場もなく決められた合併であるというこの点で、この議案には賛成できないものであります。

  ●第106号議案「契約の締結について議決を求める件」について
  これは、和光トンネル2工区の設計変更に伴い、請負契約を変更しようというもので、その理由は、「トンネル掘削の結果、地質が当初想定したよりも脆弱であったための設計変更」に伴う請負契約の変更となっています。変更金額は、20億7060万円から26億9000万円であり、当初のおよそ3割増の変更となっています。
  そもそも和光トンネルは1工区の請負契約を2000年3月にしておりますが、その後、2003年3月に工事費で16.3%増の変更契約をしております。その理由は、今回の変更と同じく、「トンネル掘削の結果、当初予定していなかった軟弱な地質が認められたための設計変更」に伴う請負契約の変更であります。請負契約の変更については、そのつど行わず、工期の最終にまとめた形で行うことになっておりますから、2工区の入札が行われた2002年11月には、当然、地質の脆弱さは明らかになっていましたが、それでも2工区の入札は、1工区と同じ設計でなされております。もちろん、トンネルは掘ってみないとわからない部分もあるかと思いますが、後に変更をせざるを得ないことがわかっていながら、前の設計で予定価格が示され、それで積算がなされ、予定価格の実に99.39%という異常としかいえない落札率となっているのです。計画当初の総事業費約110億円、現時点では130億円を超えておりますが、総延長1800メートルものトンネルを掘るのであれば、その地質について、もっと厳密に調査し、事業費との関係でも、この事業が本当に必要かどうか精査すべきではないでしょうか。先にトンネルありきで、工事を始め、後に変更で事業費がかさんでいくというのは納得ができません。
  また、和光トンネルについては、都市計画決定にもとづいて行われている国道事業ではありますが、都市計画決定にあたって、住民の側には十分な情報が与えられておらず、「納得がいかないままに半ば強制的に土地を提供させられた」との不満の声があるのも事実であります。また、この和光トンネルに続いて市街地の開発計画が進められておりますが、これについても、商店主をはじめ、市民の反対の声が大きくあげられております。
  知事は、社会資本整備については、優先度による一層の峻別と重点化を図ると述べられておりますが、住民にとってムダな大型開発はきっぱりとやめるべきであります。
  以上の理由から、本議案には賛成できません。

  ●請願4002号「希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障するための請願」について

  請願4002号「希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障するための請願」でありますが、委員会審査では「不採択」となっておりますが、「採択」すべきであることを主張いたします。
  本請願は、本県が「高校再編計画」のもとに県立高校の統廃合を性急に実施し、その一方で、学区外入学の「一定枠」を5%から10%に拡大するなどの状況の中で、学校間の格差拡大や受験競争の激化を招くことを心配し、希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障することを願って出されたものであります。
  県教委は、県立高校の統廃合について、たとえば薩摩、出水学区について、昨年11月に発表、2月には決定し、7月に学校設置というあまりにも性急すぎるスケジュールで、また、地元の意見を聞くと言いながらも、「先に統廃合ありき」の状態で「再編計画」がすすんでいます。今、県下の高校関係者の間では、次は自分たちの高校ではないかと不安の声があがっています。
  私は、一般質問でも取り上げましたが、地域によって、子どもたちが地元の高校に行かず、生徒が減っているという現象の根本には、県がすすめてきた学区の拡大や特別枠の拡大によって、高校の序列化がすすめられてきたことが大きな原因であると思われます。統廃合の発表をする前に、今こそ地方の高校の存続のために、地元と一緒になって、創意・工夫をすることが先決であります。
  また、本請願事項にあるように、教育基本法第3条に定められた教育の機会均等を保障し、「障害」のある子も無い子も、経済的に厳しい状況にある子も、そうでない子も、門をたたいたすべての子どもたちに豊かな高校教育を保障することが、まさしく、知事が掲げる「日本一教育県」ではないでしょうか。
  よって、本請願は、採択すべきことを主張いたします。

  ●陳情4020号「教育基本法の理念を生かすことを求める」国への意見書採択を求めるの陳情書について

  陳情4020号「教育基本法の理念を生かすことを求める」国への意見書採択を求めるの陳情書でありますが、委員会審査では「不採択」となりましたが、これも「採択」すべきであることを主張いたします。
  今、子どもと教育をめぐって起きている様々な事件、事故に多くの国民は、胸をいためています。今、自民党と右派勢力は、その「教育危機」の原因が教育基本法と戦後教育にあるとして、教育基本法の「改正」を叫んでいます。
  作家の大江健三郎さんは、6月10日、憲法9条を守ろうと訴えて発足した「9条の会」の発足会見でこう述べました。
  「教育基本法は、子どもから大人までが、新しく憲法をつくって出発し直そうとした、その魂の声を本当によく表現したものです。憲法のすぐれたエッセンスを取り出して、子どもたちに伝えようとしているものです。」
  教育基本法は、第2次世界大戦が終わって2年後の1947年3月に公布・施行されました。その前年の11月には、日本国憲法が公布されています。教育基本法は、「憲法の理想を実現するための教育」を日本の教育の基本に据えました。
  制定にたずさわった田中二郎東大教授は「民主的で平和的な日本を建設する」ために「過去の誤った教育理念と方針を一掃して、新しい正しい理念と方針をもって、これに代える」と制定の意義を述べています。
  戦争をするために教育を利用した誤りを2度と繰り返してはならない、そのために誤りと縁を切って、新しい教育のあり方を示したのが教育基本法です。
  今、教育基本法の「改正」をねらう勢力は、日本の侵略戦争を「正しい戦争だった」とし、以前から「教育基本法には愛国心がない」「日本の伝統、文化の尊重がない」とくりかえし見直しを求めてきました。そうした復古的な見直し要求に便乗して、日本企業の競争力、日本の大国化を支える国民づくりに教育のあり方を変えるのがねらいです。
  中教審の中間報告案の中身は、文科相が出した「人間力戦略ビジョン」とそっくりであります。「人間力戦略」とは、小泉内閣の「構造改革」に沿った教育改革をまとめたものです。
  「構造改革」が目指す社会は、国の制度としての社会福祉を「悪平等」「画一」を招くものとして攻撃し、国民の安全を守るための規制をなくし、教育や福祉など、市場原理にまかせるべきでない分野にまで市場原理を徹底する社会です。そこでは、国に頼らず「自立」して、「たくましく」競争を勝ち抜く人間が理想とされます。
  公教育で、すべての子どもの能力を引き上げようとするのは、お金ばかりかかって、非効率的、「画一」だと切り捨てられます。国が教育へ出す予算を減らしながらも、一部の子には重点的に予算をかけ、効率よく「エリート」を育てる教育制度がねらわれています。
  「国際社会を生きる日本人」という名のもと、「愛国心」を持ち、「自国の地位を高めようと努める」国民、大国としての軍事的「責任」を日本がはたすべきだ、という国家意識をもった国民づくりもねらいです。日本が海外で軍事行動することを支持する国民を作っていく意図もあります。
  このような教育基本法の「改正」では、現在の「教育危機」は解決するどころか、ますます深刻な深みにはまっていくことは明らかであります。
  今、学校を「人格の完成をめざして」「育ち合う」「教育」の場に。そして教育全体を通して「憲法の理想を実現する」ために、教育基本法の理念を生かすことこそが求められています。
  よって、本陳情は、採択すべきであることを申し述べ、私の討論を終わります。

2004年9月22日

一般質問(要旨)


○知事の政治姿勢について
  新しく知事になられた伊藤知事への初めての質問です。誠意あるご答弁をお願いいたします。

  ●平和・憲法の問題について

  我が国は、2000万人のアジアの人々の命と、300万人の我が国の国民の命を奪った過去の戦争の過ちを2度と繰り返さないとして、憲法9条で「戦争をしない」「武器をもたない」と定めました。今、この9条を含めた憲法を改定するという動きが政府・与党をはじめ民主党なども競い合うように強まっています。わが党は、戦前から一貫して、平和と民主主義をまもるために侵略戦争に反対してきた党であり、憲法改悪を許さず、9条を含めたすべての条項を守るために力をつくすものであります。
  こういう情勢の下で、井上ひさし氏、大江健三郎氏、小田実氏、加藤周一氏など、日本の良心と知性を代表する9名のよびかけで「日本国憲法を守るという一点で手をつなごう」というアピールが出され、「9条の会」が作られました。

  知事は、この憲法9条に対してどのような認識をお持ちでしょうか、おたずねします。

  知事は、国が定めた有事関連法の「国民保護法」に基づく国民保護計画を策定するという役割をもった「危機管理調整会議」を設置されました。そもそも、「有事関連法」は、憲法を真っ向から否定し、アメリカの戦争に日本が官民あげて参戦するためのものであります。日本が攻撃を受けていない段階から米軍による日本全土の空港・港湾の優先使用が可能になるのです。もし、鹿児島の空港や港から、米軍の戦闘機や艦船が出撃していくことになれば、まさしく、鹿児島県民が、米軍の対戦相手からの標的になるという、つまり県民の命が危険にさらされることになります。
  国が言う「有事」の際に、米軍や自衛隊による鹿児島の空港や港の優先的な使用を求められても、県民の安全を守るという立場で、知事として、断固拒否すべきだと考えますが、いかがですか。

  また、自民党の久間章生氏の奄美への米軍佐世保基地の機能の一部移転の提案という発言について、昨日の答弁で、知事は「個人的見解である」という理由で言及を避けられました。しかし、この発言は「個人的見解」ではすまされない重大な内容であり、県民の安全に責任を持つ知事であるからこそ、この発言に対して、立場を明らかにすべきであります。そもそも奄美振興事業は、戦後8年間にわたってのアメリカの占領下で、住民の暮らしと産業、社会資本の整備がなおざりにされ、日本本土に比べて特別に困難な状況におかれてきたのを改善するために設けられた事業です。その苦難に耐えて日本復帰を勝ち取った奄美の人たちに、再び米軍基地の下で生活することを「奄美振興」の名で押しつけようとする久間氏の発言は、米軍占領とたたかった奄美の人たちを侮蔑するものといわざるを得ません。わが党は、翌日、直ちに久間氏にたいして、厳しく抗議し、撤回を求める文書を送りました。
  知事は、施政方針演説でも、奄美について「豊かな自然・伝統文化等の特性を生かした産業の振興や、人と自然が共生する癒しの島づくりなど、自立的発展に向けた取り組みを積極的に推進」すると発言されていますが、この発言と照らし合わせても、奄美への米軍基地移転など断固ゆるすべきではありません。改めて、知事の見解をうかがいます。


  ●義務教育費国庫負担制度について

  政府は、「国から地方へ」「官から民へ」をかかげて、国と自治体の責任を放棄、後退させ、福祉や教育などの水準を保障してきた地方への財政支出を削減しようとしています。「三位一体改革」は、地方への支出を削減することを通じて、国の財政再建を行う方向を重視しており、地域の再生どころか、地域の崩壊を促進するものとなっています。
  知事は、義務教育費国庫負担金削減案に賛成した理由として「一般財源化されても、地方交付税の基準財政需要額に算定されるから、心配ない」と言われますが、「三位一体改革」によって、本県は、今年度予算編成が困難となり、交付税措置されず全額が借金となる財政健全化債を3月補正予算にも前倒しして、計300億円も計上するといった事態に陥ったではありませんか。
  三位一体改革が少なくとも2006年度まで続いていく中で、税源移譲でこれまで通り財源が確保されるという保障もなく、地方交付税も削られていこうとする中で、「基準財政需要額云々」というのは国の改革推進を優先する立場をとるための言い訳にしか聞こえません。
  そもそもこれは、単なる財政上の数字のつじつま合わせの問題ではなく、義務教育の条件整備は国の責任でおこなうべきであるという憲法、教育基本法に定められた国の責任を放棄するもの、そしてそれを知事が認めたという大きな問題です。あらためて、義務教育費国庫負担制度は堅持すべきであることを強く申し上げ、次の質問にうつります。


  ●市町村合併問題について

  市町村合併も「三位一体改革」と同様、国の財政支出を大幅に減らすことに、大きなねらいがあります。総務省はこれまでも、「市町村合併は行政改革の最たるもの」と言い、2003年11月に総務省の交付税課長が講演の中で「市町村合併すれば安上がりになる」と発言しています。知事はまさしく、総務省の一員として、市町村合併推進の先頭に立ってこられました。しかし、今は鹿児島県の知事であり、国が地方への財政支出削減策として推し進めている市町村合併に対して、地方を守るという立場にたつべきであります。
  私は、6月議会で、2件の合併の議案に対し、合併後に住民サービスなどの施策がどのように変わっていくのかが十分に検討されていないことを指摘し、反対しましたが、今になって、住民の間からは、「こんなはずではなかった」という声があがっています。

  たとえば、「薩摩川内市」となる川内市でも、川薩地区法定合併協議会の会長である川内市長が、「『サービスは高く、負担は軽く』というのは理想」と発言。さっそくこの8月末で、均一バスを廃止、その結果、これまで200円均一だったのが、最高3倍近くもの580円となった。また、ホームヘルパー料金の10%負担を6%に軽減していた助成を、合併を期に廃止するなど、住民サービス低下の状況が次々に明らかになっています。

  昨年9月議会での私の質問に対し、総務部長は「市町村合併にあたって懸念される事項」について「法定合併協議会で十分議論・検討され、各地域の実情に応じた適切な対応がなされる」と答弁されました。でも、実際に合併前に協議されているのは、新市町村の名称や庁舎の位置などであり、住民にとって、最も切実な暮らしや福祉や教育に関わる施策がどのように変わっていくかは、合併を先に決めてから、合併するまでの間に明らかにすればいいと、先送りになっているのが現状です。これで住民の意思を尊重した合併になっていくのか、はなはだ疑問であります。

  合併を急ぐあまり、住民サービスの動向についても論議がないままに合併を決めようとしている現状に対して、どのように認識しておられるのか。合併する市町村のために基金を積んでいるが、同様に、合併をしない自治体に支援策を講じることは考えないのか。以上知事におたずねいたします。


  ●川内原発増設について
  8月9日の美浜原発で、死者5名を出す大事故が発生し、点検のあり方と共に原発そのものに対する多くの住民の不安の声が広がっています。
  美浜原発と同じ型の原子炉をもつ川内原発において、9月10日の定期点検中の1号機で、蒸気発生器内の伝熱細管に損傷と摩耗が見つかり、九州電力は1号機の蒸気発生器3基すべて取り替えるとしています。しかし、「加圧水型炉は蒸気発生器の交換を考慮して設計されていなかった」ことが指摘されており、本来予定されていなかった部品交換は新たな不安全要因を作り出す可能性があります。原発という未確立な技術と「安全神話」にたよったエネルギー政策は深刻なゆきづまりに直面しているのです。わが党は、川内原発の1号機の廃炉を求め、3号機増設に反対するものであります。
  知事は、代表質問の答弁で、3号機増設については「環境影響調査について、徹底した情報公開を行い、地元とも十分に議論をつくし、判断したい」と答えられました。わが党が2000年11月に実施したアンケート調査では、鹿児島市では回答者の73%、川内市では79%の人が増設に反対という結果でありました。地元の意見を十分に聞くというのであれば、増設について、直接住民に意志を確認するための「住民投票」を行うべきであると考えますがいかがですか。 

  ●警察の捜査費、捜査用報償費と情報公開について
  知事の政治姿勢として最後にもう一つおたずねいたします。知事は、「日本一透明県宣言」を掲げられました。これが、かけ声だけに終わらぬよう実効ある施策を強くもとめるものであります。
  福岡県警、静岡県警、そして北海道警では、日本共産党議員団の調査、追求やOB、現職警官による実名での内部告発などにより、不正経理問題が明るみにでています。

  警視庁は、今年2月に、内部監査強化の実施計画作成や、偽名領収書の廃止を指示しました。偽名領収書というのは、捜査協力者に対して捜査費を支払う際、自己に危険が及ぶことが予想されるなどの事情から本人以外の名義による領収書を認めていたものです。

  この7月に、全国市民オンブズマン連絡会議が、この偽名領収書についての情報公開を全国一斉に請求したところ、「偽名領収書を特定した県警」、「偽名領収書を特定できない、と回答した県警」などほとんどの県警が偽名領収書の存在は認めている中で、鹿児島県とほか2県だけが「偽名領収書は存在していない」と回答しました。

  今月13日には、北海道警では、1998年度から3年間の捜査費と捜査用報償費の計14億円ほぼ全額が裏金化され、約半分にあたる約6億7000万円が捜査活動以外への流用や使途不明であることが明らかになりました。

  本県でも、この3年間で捜査費―国費1億5700万円、捜査報償費―県費9925万円、合計2億5600万円が使われています。
  わが党には、この間複数の人物から匿名による情報がよせられました。県内の警察署を特定した上で、「当時の警察署長が定年退職をむかえるにあたり、会計課長に命じて県費を流用し、警察署員を各課単位に研修と銘打って公費で○○○○へ、(これは地名も特定されていますが、)1泊旅行を実施し、夜宴会をした」「一部仕事の都合上やむなく不参加の職員は後日現金を受け取り、また一部の職員にあっては現金のほか出張扱いと称して休みまで取得した」「警察署長は自分が在職中または定年をむかえるにあたり会計課長に命じて裏金を捻出させ計画実施したことを当時、また退職後もしばらく部内、部外に豪語していた」とあり、「真相の究明を望みます」と結ばれています。
  北海道では、昨年11月、日本共産党道議団の追及にも、「不正はない」「改めて調査はしない」などと議会で居直っていたものです。今回、道警の調査中間報告で、捜査費・捜査用報償費のほぼ全額の裏金化をしぶしぶは認めたものの、裏金づくりのシステムや幹部の裏金私物化など核心部分はなおヤミの中です。

  そこでおたずねします。他の県警では認めている過去の偽名領収書について、本当に本県では存在しないのか、どういう根拠に基づいてそう言えるのか。また、北海道、静岡、福岡で明らかになったような不正経理はないと断言できるのかお答えください。

  ◆答弁を受けて(一回目)

  最大の国民保護は、戦争や有事を招かない外交の力、政治の力を強めることであります。そして、「戦争をしない」「武器をもたない」と定めた憲法9条を世界に高らかにかかげることであります。知事の役割というのは、何をおいても、180万県民の命と安全を守るというのが第1であります。知事が、国に対しても、憲法を守り、県民の命を守る立場で望まれることを強く要望いたします。
  
  今、国のかけ声ですすめられている「市町村合併」は、地方をリストラすることにより、国の財政再建を果たしていこうというものです。
  知事は「自主性」を尊重すると言われながら、「法定合併協」が休止状態の自治体に合併推進室長を出向かせ、首長に対して法定協の「再開」を迫るという事実があるようですが、合併で、住民の暮らしがどのように変わっていくのか具体的な情報を提供し、十分な検討時間をとることこそ、本当の自主的な合併ではないでしょうか。
  県は、合併する自治体への財政的支援のための基金をつくっておりますが、政府によって、市町村を合併に追い込む財政締め付けや、小規模自治体の交付金削減が行われている今こそ、県として、県下の市町村を守っていくために、合併をしないところへの財政的支援が必要ではないでしょうか。

  「透明県政」という点では、警察の捜査費、ならびに捜査報償費について、徹底した情報公開を要望いたします。また、質問では割愛いたしましたが、公共事業における談合問題については、今年2月に談合情報処理要領が改正されて以来、9件の談合情報が寄せられ、うち5件について、新しく設置された公正入札調査委員会にかけられましが、いずれも談合の認定はなされませんでした。9件の落札結果のうち、落札率の最も低いものが77.5%、高いものが96.9%でありました。談合の一掃は、本県財政にも大いに貢献するものであります。知事の「日本一透明県政」実現のためにも、談合は絶対に許さないという立場での、談合情報処理要領のさらなる実効ある改善や入札制度の改善を強く求め、次の質問にうつります。


○県民の声を紹介しながら質問

  知事は施政方針演説や答弁の中で幾度となく「『力みなぎる、かごしま』をつくる」と言われていますが、何に、どこに、どんな力をみなぎらせるのかが問われると思います。それは、県民一人一人のくらしの力をみなぎらせるということではないでしょうか。そのためには、今、県民がどんな状況に置かれているのかの認識が必要です。しかしながら、知事の施政方針演説の中には、それについての言及がありませんでした。私は、長期の深刻な不況の中で、現在県民の置かれている状況について、県民の声を紹介しながら質問をすすめてまいります。

  ●高校の「再編整備計画」について

  先の6月議会において、県立高校5校を廃止し、新たに2校を作るという議案が可決されました。また、先日は、種子島高校と種子島実業高校、そして徳之島高校と徳之島農業高校の統廃合の計画案が発表され、それぞれの地元に、衝撃が走っています。
  来年度からの長島高校が廃校となり、阿久根市の鶴翔高校に通うことになり、長島町、東町の生徒の通学が困難になります。

  「鹿児島新報」の報道よると、長島町で現在、月額4400円のバス代で15分かかっている生徒が、22580円の通学費となり所要時間も80分になる。東町では現在4400円のバス代で、30分なのが、21260円になり、時間も65分に。これが獅子島の生徒になるとさらに費用はかさみ、現在、11820円で65分ですが、28680円となり、所要時間は1時間45分になります。
  バスを利用せず、バイクで通学することも考えられますが、バイクでの走行距離を考えると毎朝、毎夕のことですから途中の安全がとても心配されます。親の身になって考えていただきたい。
  
これだけの所用時間や費用のことを考えると、どう考えても教育の機会均等が保障されていないとしか思えません。
  長島高校が廃止されることによって生じるこのような新たな負担については、県教委としてはどのように考えておられるのかお聞かせください。「日本一の教育県宣言」をされている知事として、通学バスの運行や通学費の補助、または学生寮などの支援策を講じるべきだと考えますが、いかがですか。また、統廃合についての発表から実施まであまりにも性急であると思われますが、この点についての見解を求めます。


  ●医療、福祉の分野について
  知事はマニフェストで「医療・福祉が充実した『暮らし安心日本一』のかごしまをめざします」と掲げられました。また、「安心して子育てができる施策を推進します」とも述べられています。
  そこで、私は、乳幼児医療費助成の現物給付と国民健康保険税の負担軽減への県の助成を求め、質問いたします。
  まず、乳幼児医療費助成の現物給付についてですが、昨日の代表質問で、現物給付を求める質問に対して、知事は「受診者のコスト意識が薄れること」、「複数の医療機関の把握が困難なこと」、「国保の国庫負担金の減額されること」これらの理由で、「現在は償還払いだが、他県の動向も参考にしながら研究していきたい」と答弁されました。そこで、私は他県の状況を紹介し、現物給付の実施を強く求めたいと思います。
  現在、全国で現物給付を導入している都道府県は28にものぼります。九州でも、福岡県、佐賀県、大分県、宮崎県が現物給付です。全国で6割もの都道府県が、国保の国庫負担金の減額というペナルティを受けながらも、現物給付を実施しているのはなぜでしょうか。それは、2001年6月の参議院本会議で178名の全会一致で採択された「少子化対策推進に関する決議」でも述べられているように、「子どもが未来の社会を担う存在であることを思えば、子どもを生み、育てることを社会的に支援していくことは、我が国にとって、きわめて重要な課題である」からです。
  複数の医療機関の把握が困難であることも、本当にやる気があれば解決できるものです。宮崎県と佐賀県では、1レセプトごとに月300円を自己負担の限度額としています。病院ごとに月に300円払うわけですから、総額を把握する必要はありません。大分県は、自己負担そのものがありませんから、これも総額を把握する必要はありません。このように、地域によって助成に違いが出ている現状を本当に解決するためには、乳幼児医療費の無料制度を国の制度としていくことが必要です。しかし、それを待たずに、都道府県として助成制度を拡充するのは、全国の状況をみても、時代の流れであります。「南日本新聞」のひろばには、これまで幾度となく、現物給付を求める声がのっています。その一つに「以前住んでいたえびの市では、3歳未満は1回の受診につき薬代も含めて窓口で300円支払うだけでした。」「子どもが幼いときは、手当が厚いところに住みたい」そして最後に「子どもを育てやすい町づくりの一環として、乳幼児医療費助成の改善を望みます。」と結ばれていました。知事は「暮らし安心日本一」をかかげ、「安心して子育てができる施策の推進」を表明されています。わが党としても、乳幼児医療費助成の現物給付の実施を強く、強く求めます。

  ●国民健康保険税について
  長びく景気低迷によるリストラ、賃金カット、また、倒産、廃業など県民暮らし向きの厳しさは、一向に改善されておりません。このような生活不安や生活破壊が深刻化している今こそ、憲法25条に定められた「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という生存権の理念にもとづいてこれを現実化することが求められていますが、実際には、現在の小泉政権の社会保障構造改革のもと、社会保障給付の削減、受益者負担原則にもとづいて社会保険料や利用者負担が増やされ、国保でいえば、保険税の滞納者に対しての制裁措置が強められるなど、社会保障が本来の生活保障の役割をはたすことができなくなっています。
  2000年に、政府は、国民健康保険法を改悪し、「資格証明書」の発行を義務づけました。「資格証明書」は後で手続きをすれば、自己負担以外の分はもどってきますが、いったんは10割全額の支払いを窓口でしなければなりません。
  本県でも、資格証明書は、1999年までの232世帯から一気に増え、2003年度は4092世帯となっています。もちろん、このほかに、全く保険証を持たない人もいるわけです。
  ある病院のケースワーカーにたずねると、今、具合が悪くても保険証がなくて病院に行けず、とうとう倒れて救急車で運ばれるという人や、医者から手術するように言われても、手術費が払えなくて断る人、また、入院していても、入院費が払えず、むりやり退院する人が増えるという「お金がなければ医療を受けられない」状況が進行しています。そのケースワーカーは、「保険証がない人は、病院にこないので、事態はもっと深刻です」と話されていました。
  もともと、国保というのは、加入者の3割から4割は収入がゼロというほど、負担能力が低い高齢者や無職者などが多いわけですから、憲法25条の精神に即して、国民皆保険の立場での行政の施策が絶対に必要です。
  国保税の負担の軽減については、国が適用基準を決めて補助金も出している「法定減免」については県として当然負担しておりますが、県下の市町村が独自に条例で定め、減免している「申請減免」については、県としては、全く補助しておりません。現在すべての市町村で、災害時や廃業、失業などによる所得激減の場合などの減免制度を設けています。
  どの国保の会計も収納率の低下で苦しい状況の中でも、独自の減免制度を設けているのです。これに対して、まさしく、県民の命を守る立場で、市町村への補助をすべきと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。

  ●災害被害者への支援策について
  私は、今回の台風16号、18号の被害について、県内各地を回り、被害の実態の調査を行い、また、被害に遭われた方たちに直接お話を伺いました。
  たとえば、浸水にあい、機械や商品をだめにしてしまった商店の方は、「高い機械が水につかって使えなくなった。払いもあるのにどうしたらいいかわからない。」福山町のニガウリ農家の方は「これから値段がよくなるニガウリが全滅して、現金収入がなくなった」また、大口市のネギ農家では「ネギもどれだけ回復するかわからない。機械代の借金の返済もあるのに困ってしまう」「しばらくは畑も見たくない」とがっくりと肩を落として話されました。
  私が話を伺った専業農家の60代の農家の方は「息子に農業を継がせたけれど、かわいそうなことをした」と話され、その40代の息子さんは「農業でがんばろうと思って、ふるさとに帰ってきたが、台風のたびに、こんな状況では、もう勤めに出ようかと考えてしまう。」と話されました。
  農業は、本県の基幹産業でありますが、農林漁業というのは、自然が相手の仕事です。日照り、水不足、豪雨、台風など、自然の力の前では、人間の努力も及びません。しかし、人の力では台風の襲来を避けることはできなくても、それによって生じた被害の復旧や損害の補填は人の力でしかできません。
  このような被害に遭われた方たちに対して、県の支援策として、多少金利の低い融資の制度や、税金や公共料金の軽減の制度はありますが、実際の声を聞くと、「今でも経営が困難なのに、金利が安いと言っても、これ以上の借金はしたくない」と言われました。また、農作物の被害に対しては、共済の制度もありますが、もともと助け合いの制度ですから、被害額に比べると補填の割合は低くならざるを得ません。また、作物によっては共済がないものもあります。住宅の被害については、全壊した場合しか見舞金の対象とならず、金額も10万円だけです。
  そこで、このような災害の支援策として、県の見舞金の制度を、全壊だけでなく、半壊や床上浸水の場合も対象としていただきたい。また、県独自の無利子、無担保、無保証人、の融資制度を創設していただきたい。
  また、台風などの自然災害は毎年のように発生していますが、農作物の損害を直接補填するための基金を創設していただきたい。以上についてご答弁を求めます。

  ●住用村戸玉集落の採石場の問題について

わが党は、これまで、戸玉集落の住民とともに、採石場について、災害や環境破壊のおそれがあるとして、必要な監視体制や、防災対策の強化、指導、被害を及ぼしているところへは許可取り消しを含め対処することなどを、再三にわたり、県に強く要望してきました。
  このような再三の災害の危険の指摘にもかかわらず、県が採石を許可し、このような状況にいたったのであり、県の責任は重大です。

  知事は、就任前に、現場に行って亀裂の状況を視察されましたが、前任の知事時代のこととはいえ、県が認可した採石によって、住民が、自分の家に住めず、もう3ヶ月にもわたって避難生活を余儀なくされている、このことについて知事として、県の責任をどのように感じておられるか、そして抜本的な対策についてどのように考えておられるかお聞かせください。


  ●人工島問題について

 これまでの質問で述べてきた私の立場は、県政は、県民の一人一人の暮らしを守り、福祉や教育の充実のためにこそ力を注ぐべきであるというものでした。そのためには、税金の使い方をどうしていくのかという大きな問題があります。
  厳しい県財政の下で、何を守り、何を削っていくのかが問われます。

  知事は、今回の選挙において、人工島についても、「凍結」という言葉を用いて、アピールされました。4人の候補者すべてが、その程度はともかく「見直し」や「凍結」という言葉を使わなければ、有権者の支持は得られないという判断からのことであります。それほど、「人工島はムダ」−この県民の声は大きいのです。知事もそう認識しておられるはずです。県民が「いらない」と言っている物を、まだ作り続ける気ですか。今終わっている事業は、埋め立ての枠だけで、これから岸壁、橋梁、道路や整地など、まだまだ多額の費用を要するものです。埋め立ては国の事業だといっても、それも私たちの税金であります。破綻した県財政を考えると即刻中止、これしかないのではないですか。
  人工島がなぜ必要か。当初は、南の玄関口として、大型観光船のつく港を造るという目的でした。それが、国で通らないとなると、桜島の土石流の処分場が必要だという理由を見つけてきた。次は、県民の反対の声が強く、1工区までで、あとは凍結するという。2工区の埋め立ても行わないとすれば、桜島の土石流の処分場もやっぱり必要なかったということです。人工島の目的は破綻していることは明らかです。
  では、知事、何のためにまだ人工島の工事を続けるといわれるのですか。知事が考えておられる人工島建設の必要性について明らかにしてください。
  また、後の42.3haつまり2期工事については、知事の意志として中止することを明らかにすべきだと考えますがいかがですか。


  ◆答弁を受けて(二回目)
  私は、県教委が発表した「県立高校の再編整備計画」は少子化を理由にした、地方切り捨てではないかと考えます。確かに地域によっては、子どもたちが地元の高校に行かず、生徒数が減っている高校がありますが、それは、単に、生徒や保護者、地元住民のせいではなく、戦後、県がすすめてきた学区の拡大や特別枠の拡大によって、高校の序列化がすすめられてきたことが大きな原因ではないでしょうか。そういう根本原因を解決することなく、生徒が少ないからといって、高校を即廃止するというのは、教育の機会均等を保障する上でも、地域で高校の果たしている役割を考える上でも、すべきではないと考えます。今こそ、少人数学級を高校でも実現するなど、県教委として、地方の高校の存続のために、地元と一緒になって、創意・工夫をすべきだと思います。

  医療、福祉の問題、災害の問題など私が質問の中で紹介した県民の苦しみの声はまだまだ一部であります。このような県民の苦しみや願いに応えていく県政を実現するためにも、人工島に象徴されるムダな大型開発をやめ、税金の使い方を県民の暮らしを守り福祉や教育を充実させる方向にきりかえていくべきであります。これこそ真の「改革」であります。県民の一人一人に暮らしを営んでいく力が十分にみなぎり、鹿児島に生まれ、鹿児島に育ち、鹿児島に暮らしてよかったといえる県政実現のためにわが党は全力をつくしていくことを表明し、質問を終わります。